次の日
第四話です。更新できて良かったです。
ーミーンミンミー
いつからかあたりまえのように耳にまとわりつくこの声に僕はようやく朝が来た事を悟った。
せっかくの夏休みに朝寝坊くらいいいだろうと思ってうつ伏せになっていたが
蒸し暑さと蝉の鳴き声とそれから喉の乾き、そしてなによりも部屋の窓からの日差しに起きるのを促され僕は着替えることにした。
部屋を出て、リビングに行くとテーブルには置き手紙と折り込みの後がある千円札があった。
ー夕飯はこのお金で何か買って食べてね。お昼は昨日のカレーが残ってるから適当に。後、宿題ちゃんとするのよ。何時になるか分からないけど、じゃあね。
いつもの通りだ。背中をボリボリかきむしる。
窓の外の植木が揺れている。風があるのか。
トースターで食パンを焼き、蜂蜜をたっぷりかける。
食パンの乗ったお皿と牛乳の入ったグラスを両手に、肘で部屋のドアノブを『ガチャ』っといわせ、そのまま押し中へ入る。
ービチャッ
白い液体が床に散らばった。
『うわっ最悪』
幸い部屋のカーペットにはかからなかったが、裸足だったので冷やりとした。
でもなんだかそれがこの暑い中、気持ちが良かった。
『雑巾、雑巾、どこだっけ?』
家の中独りで騒ぐ。
ひとまず、グラスとお皿は机に置き。目的の雑巾を探す。
こぼれた牛乳を踏まないようサッと飛び越える。
『よしっ』
誰にともなく言い、事は済んだ。
ーシャアシャアシャアシャアシャア
急に外からまた蝉の合唱が始まった。
仕方ない、勉強するか‥‥。お母さんの言いつけに従うことにした。
机に向かい、食パンを口に挟む。
『ん?』
散らかった机の上に、水面に白く浮いた蓮の花を思わせるような白い本はそこにあった。
光が思い出したようにその本を手に取る。
昨日、公園で出会った男からもらった本‥‥。
でも外も中も白一色の何もない本。
そう分かっているはずなのに、その本をなぜか再び開きたくなった光はページをめくった。
目が覚めた光はどうやらなにも覚えていないようですね(笑)
これからどうなるかなーという感じです。
読んで下さった方、ありがとうございます!




