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Trick with Treat  作者: カオス学園文芸部
短編集『Trick with Treat』
26/46

叶夢@狐々原朱逆

作者:狐々原朱逆

ジャンル:恋愛

 もしもの話や、例えばの話をしよう。

 言葉にならなかった思い出や、一人きりになってしまった後の虚しさや、上手くいかないもどかしさや、それらを全て無かった事に出来るとしたらどうだろうか。喜ぶか、拒否するか、ただただ戸惑うことしかできないのか……。



 思うことはあるだろう。誰にだって、同じような後悔というものはあるのだから。彼も、ずっと考えていることだ。

 『もしあの時の自分に何かコトバを残せるのだとしたら、自分は一体何を零すのか。例えばそれは、愛か嘘か夢か未来か――――憎しみか』

 其の答えが知りたい、と。


 肯定的な、偽善的な声を聞けていたらよかったのか、と彼は薄れゆく命の合間に、考えていた。重たくて、自分一人では持ちきれないような強い感情――――。支配されているのだろうか?

 大きく最期に息を吸い込み、今までの人生が無かった事にされていく時間。苦しいわけでもなく、寂しいわけでもなく、ただ(わだかま)りだけが胸のうちにぼんやりと自己主張している―――。

 真っ暗、そう言い切ってもいいのだろうか。人間、生きている限りは何かしらの抜け道や手助けがあるはずだから、物理的な闇など存在し得ないものだと、一人ぼっちの少年は考えていた。世界の真理に触れるかのような問いに対する答えなどこれといった明確な決まりなど無いに等しい。そんな無粋な事を考えること自体、無意味なことだと言うべきか。



 美しいものといえば、何だ。そんな問いを受けた気がした一人の少年が、思い浮かべるのは同い年の少女の肉片(イチブ)であった。潰れた、赤い色の、人の、恋人の、なのだろうか。

 おぼろげな記憶の中では鮮明に、目の裏に焼きついて離れることのない。こびりついた赤と、千切れた白と――――――。微笑んだ形で消えていった、優しげな口元。それらは既に朧気な記憶の中の事でしかないというのに、張りついたままに離れてくれそうにない。腕は美しかったあの日を彷彿とさせる、物体(ゴミ)と化した姿か。若しくは思い出そのものか。



「少し前の君に、伝えたいことがある――――――。それは。とても、とても大切なことだ」

「もう一度笑い合えることが出来るなら、恥ずかしがらずに伝えられるはずの」


 思えば、彼と彼女との出会いは唐突で、更には衝撃的なものであったといえようか。その詳細は省くとして、流れのままに柔らかく(・・・・)起きた別れ(・・)に至っても、突然であったのだろう。

 それを誰が今更後悔するだろうか。運命という言葉で全てを包み込み、諦めという精神の中でしか生きられなくなってしまった――――彼が、か。

 だがそれらは全て誰のせいでもなく、誰かのせいでもある。そんなあやふやで曖昧極まりない世界の理不尽。決して認めたくはないだろう。



 一人の不幸な彼女の目の前で、ガラスが甲高い悲鳴を上げ、呆気無く飛び散る。

一枚のガラス片は彼の頬の脇を僅かに掠め、一線の赤を引かせては、コンクリートの上で太陽を弾く。彼はその鋭い痛みを感じることも無く。

 白くぼんやりとする視界で、目の前を見据えている事しか出来ないでいた。


 呆然と立ち尽くす人々。彼よりもずっと先に我に返った名も知らぬ通行人たちは、記憶の奥底に残るような耳障りな言葉(オト)を発する。だがしかしそれらの絶叫ですら、彼に届くことはない。

 少年にとってそれらは、全く別の、遠くの方で起きている出来のよう。

 そんな認識からか、薄ぼんやりとする思考の隅の方で響くばかり。

 徐々に小さくなっていくような音群(おんぐん)を聞いているかいないのか、少年は不意に意識を手放す。


 俯瞰しているようだった。何故だかそのように見ることしか(・・・・・・)できなかった、とも彼なら言うだろう。瞳が完全に閉じられるその瞬間まで、眺めていた彼女の姿(ヒトツの死)

 店の窓ガラスと、スリップした乗用車に挟まれた彼女は、僅かに何事かを呟いたようだった。と彼は信じる(・・・)。例えそれが何の意味を持たない呟きだったとしても――――。

 少女の足元は原型も定まらないような、グロテスクでありスプラッターとなってあった。見るに耐えないモノとしてそこにあった。意識が無くなったとしても、少年は無意識のうちに少女の手を握ろうとか、伸ばされて地面に置かれてあった。

 混ざり合う赤色。あっという間にたどり着いた救急車や蹴散らされる野次馬や、かぶせられた焦げ付くようなブルーシート。暗示するのは全ての終わり。


 彼の意識がなくなった後のことらしい。

 誰かを、何かを。安心させるかの如く薄く微笑んでいた少女は、虚空のみを見詰めるようになった――――――。


「嗚呼、何で君なんだ――。もっと他に、要らない人間など幾らでも居ると言うのに。なんで誰からも愛されていた君が、殺されなくてはならなかった!」


 少年の心からの叫びであろうか。彼にとってそれは、運命を操作するような者に彼女が殺されてしまったようなものであったというのだろう。熱に浮かされた戯言として、泡のように消え去った。


「やはり神など存在することはないんだ。それは初めから分かっていたことだった。なのに、なぜ祈ったのか。存在すらない空想の産物であるソレに対して」


 何らかの絶対的存在は、信じることがなくなった途端に効力を失うらしい。信じている訳でもなかった彼だが、今では憎き相手とでもなったのか。そもそも気にもかけないような相手など、また直ぐに忘れてしまうことだろう。



 これは去年、街がオレンジ色に衣替えをし、人々が楽しげに語らい合い、子どもたちが弄び(・・)に駆け回る。10月31日(ハロウィン)の日のこと――――――。


 Fire☆light


 彼は最近噂されるようになった“ハロウィンの魔法”といったものを信じてはいなかった。否、そのような迷信など元より気に掛けないような質であるため、これからも信じることはないと思われる。


 ただ、そのような迷信に聡い、友人の一人に聞いたところによると。こんな迷信紛いの作り話があるらしい。フィクションであろう。


――深い。とても深い、森の奥。

――金眼の黒猫か赤眼の烏を探し出せ――

――何処かに小屋があるだろう。もしかしたら、崖かもしれ無いが。

――迷える祖先の魂に、突き落とされてしまいたくなければ――――


 事実でもなんでもない、ただの作り話であるそれに、一つだけ彼の興味を引くモノがあった。


『小屋に入ったら、お菓子を与えよ』

 でなければ、悪戯好きな化物に、食い殺されてしまうらしい。そして勧められるまでに願いを口にする。それは例え『死んだ人間を生き返らせて欲しい』なんていう非現実的なものであっても全く構わないし、『将来の夢を叶えさせろ』という、確約を貰うようなものであっても構わない。ハロウィンに起こる全てのことは現実になり、全ての現実は夢になる……。猫や烏に願いを晒し叶えてもらえば、過去の一部の大切な記憶を奪われてしまう。そういったものであった。

 興奮気味にそれらを語る友人は、是非とも叶えて貰いたい夢がある。と言っていたのを彼は記憶していた。だが彼自身は、『大切な思い出』とは、定義としては不十分なもの。と一人考えていた。だが、その話を本当だとして、思い出を犠牲にもう一度彼女に会い語らう事が出来るなら――――――。そのくらいは安いものであると考えてもいた。


 去年のことだ。今になってその事を思い出し、少年は叶えてもらいたい夢を描いた。何か心の中で燻っていた思い出が無くなってしまえば、そんなことも思うことはなかったのだろう。何らかの外的刺激がなければ、言わないような突拍子も無いことを。




 彼は、教室にいた。時刻は昼時をとうに過ぎた、彼らの年代では『放課後』と呼ばれる時間帯。向き合うように座っているふたりのうちの一人の影は、しみじみと懐かしい思い出を披露し始める。何故だかその姿は、何事か後ろめたいことがあり、その事について懺悔しているかのよう。少年は、あの時あの話を教えてくれたのか、彼であったと思いだした。

 一人の少年の前には何も書かれていない、真っ白な日誌が広げられるものの、筆が進む、そんな様子はなかった。


「なあ、去年だったよな。あいつが―――いや、やっぱいい。ごめん全然なんでもない」

「いいよ、別に。そんなみみっちい事は気にしない」

「いや、え? お前な……こっちが気を使ったのに。まあ、いいならいいけど。それよかいいのかよ、ハロウィン。黒猫をさがしてみないのか?」

「そんな迷信。信じるわけがないだろう?」

「いつもお前は、何かする前から知ったような口きいて。それはただの甘えで諦めだろ。なんでもう一度会いたいとも思わない。作り話だと決め付けて、後悔しても知らないからな」

「――――――じゃあ、お前は知っているのかよ。黒猫に願いを叶えてもらったのか? そんな非現実的なこと、誰が信じ―――」

「見たし会ったし、叶えてもらったさ! もう一生取り返しのつかないような願いをっ! だが後悔はしていないさ」


 何処と無く悲しげで悔しげで。

 言葉に詰まったかのように―――――。

 最後はトーンを落として、だが荒ぶったように吐き捨てると、少年を一人残し去っていく。廊下に暫く響いていた大きめな足音は、おおよそ階段に着く前に――――――消えた。

 少年は呆れたのか、意味が分からずただ混乱しているのか否か。頭を振ると止まって進んでいなかったペンを動かす。その教室には暫くの間、ペンと紙が擦れる音。そしてカーテンが風に煽られる物音しか響くことはなかった。




 少年は一人大きな公園に来ている。何故だか知らないが、ベンチに座り込んでボーっとしていたい気分になったのか。彼は人っ子一人いないようなその場所で、椅子をひたすらに温めていた。石の上でなければ、数分もあればほんのりと温まるというのに。

 だがそんな時、彼に話しかける小さな影があった。それは不自然にシルエットのみを世界に映し出し、顔があると推測されるところには爛々と不吉に煌く赤があった。そしてその姿かたちはおおよそ、2本足で立つ猫と形容するのにふさわしい。


『ねえ、君。叶えたい願いを、記憶を対価に僕が叶えてあげるよ』

「そんな事は、信じないと。言っただろう……」


 彼自身は幻聴ですらも聞こえるように成ってしまったか、と頭をふってそれらを追い出そうとする。声の主は呆れて言った。

 だがその動きに追尾しているのかなんなのか、声は水の中に居るように彼の周りを取り囲む。急に吹き出した若干強めな冷たい風が、夜に一人で外に放り出されたかのような淋しさを錯覚させていた。


『目を開けて、ほら僕を見てよ。ね? 聞いたことくらいあるだろう、僕は赤目の黒猫さ。君にハロウィンの魔法でもかけてあげよっかな〜ぁ? なんて、要らないならいいよ。僕は誰でも良いんだから』


 少年はその言葉に従い、焦ったように体全体を震わせて目を開ける。その前には不気味なほどに赤い色の目をした猫が、立っていた。

 首元に巻きつけたオレンジ色の薄い生地の布が、ひらひらと風に揺られ、まるで意思を持つかのように舞う。伸ばした語尾とともにかしげた小首が、今にも千切れて落ちてしまいそう。本能的に恐怖を感じた少年は後ずさろうと―――。

 少年の頭の中はただ一つの事柄がうずまき、目の前にある、ある意味非現実的な現実を認知しようと必死に回転していた。自分自身に対する怒りを吐き出すかのように去っていったうわさ好きな友人の姿が、再び閉じた瞼の裏側に浮かぶ。


「……君、は。俺の願いを…………叶えることは、できるのか?」

『勿論さできるよ。彼女とまた会いたいんでしょう? 簡単さ、そんな願い。君がそう言う事は分っていたからね』


 黒猫は艶やかに微笑む。真っ赤な瞳を薄めさせ、口の端を大きく上げて。

 意味深に言うが少年がその意味を理解するよりも早く、世界は暗闇に呑まれてく。


 完全な暗闇だ。

 少年は何も窺い知ることは出来ない。

 ぼんやりとする赤いスポットライトの下で、黒猫はニヤニヤと笑っていた。


「対価は――」

『君の一番大切な思い出さ。それを君が記憶していようといまいと関係ないけどね』


 クスクスと笑った口元だけを残し、猫は誘う。

 ハロウィンはもうすぐ終わる。

 目隠しをされたように、猫さえ真っ暗になっていく視界。

 惑いながらも、彼は声を頼りに手をのばす。


お菓子(キオク)はその(ココロ)に持っているでしょう? ねえ、早く―――――よこせよ』


 背中が勢いよく押され、彼はどこか知らない、だが何故か懐かしく思われる場所へと落ちてゆく。右手で握り締めていたはずの棒付きキャンディーはどこかへと消えてしまっていた。だがそんな事に気がつくこともなく、彼は不意に思い出した(・・・・・)風景に溺れていくのであった。


 その日は確か理不尽で、何だか無性に何かに当たり散らしていたい気分であったように彼は記憶していた。

 彼女はそばには居ない。自分から追い払ってしまった。

 その時感じたのはただの虚無感で、自分がたった一人では何もできないような人間であったことをようやく知った。そんな記念すべきというべきか、そんな記憶の2時間(ロストタイム)である。

 少しずつ後退していく―――――。


 待って。そんなような声が聞こえた気がして、彼は勢いよく振り向いた。もう一生聞くことのできないはずの音の連鎖に似ていたような。そんな気がしたのだろうか。


「まって、私はずっと君のそばにいる。この日一日は大嫌いでも、君の所為ではないのは分かっているから」


 ぼやけていく視界の片隅で、黒猫は鎖の端を握っている。その先に繋がれているのは――――見覚えがあるようなないような、どこにでもいそうな少女の泣き顔そのもの(・・・・)だった。

 中空に浮かんでいる、血まみれの生首。

 知っているようで知らない、何だか記憶を執拗に刺激してくる顔。


「ああ、君には何処かで会った事のあるような気がしてならないよ」

「待って、待ってよ。なんで行っちゃうの……君に伝えたかった――アレ?」

「怖い、何もかもが記憶からずれ落ちていく。ああ、此処はなんて()に満ち溢れているんだ――――嗚呼、そうか」

「待ってよ―――!!」


 黒猫は、少年の記憶を徐々に喰らっていく。己が何を求めてこんな死の間際まできているのかすら、否、それ以前にこの真っ暗な場所がどういった機能を有しているのか、そんなことすら理解してはいないだろう。

 溶けて消え去っていく視界には、泣き続ける少女の生首と、繋いだ鎖を引き、少年の下まで歩いてくる。黒猫の姿が。恐れを抱いた少年。彼は思い出せない思い人をおいて、必死に逃げ出そうと試みた。しかし、此処は黒猫の領土であるここと同義だ。逃げ出すことは、まったくもって不可能なのである。

 体全体を震わせて、許しを乞うかのように。猫はそれを見、面白いほどニヤリと笑んだ。


『これが、君が会いたがっていた少女の姿だ。何時の日だか。いや、去年の今頃君の友人とも言えるべき人物が言ったんだ。願ったんだよ』


――この少女を殺してください(・・・・・・・)ってね。


 笑いを抑えきれていない猫は、絞り出すかのように言う。掠れたその声ですら、彼には理解することはできなかった。記憶は、全てこぼれ落ちる。


「誰かに何か、伝えたかった言葉が有ったはずなのに。それがなんなのか、誰に言いたかったのか。そんなことすら忘れてしまった」

『それはとっても、仕方のないことだね。そうでしょう? だってそれを君が望んだのだから。会えたから十分でしょう? それが望んだことだろう? それでもまだ足りない? ならば今すぐ叶えてあげるよ。君の命の髄までもを対価としてね。欲しいんでしょうそうでしょう。分かっているよ。だって僕はもう、君なんだから(・・・・・・)

「え、あえ? う、うが、きああぁあ、う? ない、うああ……」

『ああ、もう言葉も無いくらいに全て奪ってしまったのか。詰まらないな。最後に夢だけは見せてあげるよ。最後までこれを信じてはいなかった君に、ぴったりの夢をね』


 黒猫はむせび泣く少女の繋がった鎖を放り捨てると、何もかもに興味をなくして去っていく。少年の周りにはだんだんと色素が戻ってきたようで、映り込む情報量の急激な上昇故にか、彼は本能的に目を細めた。





「ねえ、―――いつも思っていたんだけどさ」





 少女の口は、色を取り戻していた。それほどまでに長い時が経っていたのか、突然思い立ったかのように色付いたのかは定かではない。春の色に潤む口元から、溢れた音が、意味を持つ――――。


「ずっと思っていたんだ。君は何故私に付き纏うのか。ねえ、クラスメイトという訳でもない君が、何で私に纏わり付いていたのか。薄気味悪いよ。死んですらなお、此処に留まってしまうように。うん。君が全て忘れた代わりに、私は全て思い出したんだ。君の全てを今なら理解できるのだけれど」

「俺は、分からない。全て忘れてしまった。今では君が一体どんな人物なのか、俺にとってどんな立ち位置にいた人物なのかがまったくもって理解できないんだ。君は一体俺の何? 知りたいと願うよ」

「なんでもない、接点なんて何処にもないような、人間と死人だよ。それに此処で叶えられる願いはただ一つっきり。もう何を望む事もなく――だね。君は猫に記憶を明け渡した。猫はそうなるのがわかっていたから、私をこの暗闇からは開放してくれない。私が死んだのも、何時までも一人孤独でこんな所に居なければならないのも、知り合いですらない君の所為。私は君が憎いなあ。死ぬだけなら別にどうだって良かったのに、ね?」

「わからない、もどかしい。なんなんだ、黒猫は? 俺は何でこんな所に居る? そもそも俺は一体誰だと言うんだ……」


『ほら、これだよ。これが、きみだよ』


 話に突如として割り込んだ黒猫は、大きな姿見を少年の前に差し出した――――。

 其処に、映りこんでいたのは。少年の姿をした、別の誰かであった。


『これから君は僕で、僕は君だ。せいぜい、願い事を叶える夢運びの黒猫にでもなったらいい』








 少女も猫も消え、残されたのはオレンジ色のバンダナと、駅前公園で配っていた棒付きキャンディーであった。







「ねえ、なんで寝てるの? 起きてよ」

「ん? う、ああ。起きた」


 大きく口をあけて、少年は欠伸をする。目の前に居る少女の髪を無意識のうちにか撫で、微笑んだ。


 この夢が、何時までも続く事を祈って――――――――。




 例えばの話だ。

 少年は夢を見ている。

 もしかしたらそこで、伝えられなかった思いを伝えられるのかもしれない。


 もしもの話だ。

 此処は夢の世界だ。

 それは全て彼の望みだったのかもしれない――――――――――。


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