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Trick with Treat  作者: カオス学園文芸部
短編集『Trick with Treat』
20/46

ジャコランタンは幸せを呼ぶ@ren

作者:ren

ジャンル:恋愛

 午前6時ジャスト――。目覚ましの音と共に私の一日は始まる。隣でまだ寝ている雄也を起こさないように(目覚ましの音に反応していないから大丈夫だと思うけど)そっとベッドを抜け、寝間着から普段着に着替えて洗面所に向かう。


 洗顔と軽い化粧をしてキッチンに行く。丁度炊飯器からメロディーが流れ、ご飯が炊きあがったことを教えてくれる。まるでその音が始業ベルであるかのように、私はいつものように雄也のお弁当作りを開始する。


 昨日から下ごしらえしていたかぼちゃを取り出してまずは一品目、煮物に取り掛かる。お鍋でことこと煮ている間にささっと野菜を切ったり豚肉を炒めたりして、順調におかずが並んでいく。


 そうこうしている間にリビング兼ダイニングの壁時計が7時を告げる。――そろそろ雄也が起きてくるころだ。私はコーヒーメーカーにフィルターをセットし、フライパンを出してベーコンエッグを作り始めた。



 午前7時10分。スーツ姿の雄也がキッチンに現れる頃には、朝ご飯のプレートが出来上がっていた。


「おはよう」


「おはよう」


 私たちはキッチンとリビングを隔てるカウンター越しに今日初めてのキスを交わす。慌ただしい中での一瞬の幸せ。もしかしたらこの一時のために私は毎朝頑張ってるのかな、なんてね。


「今日も旨そうだな」


「でしょ?」


 私がカウンターに置いたプレートを、テーブルまで運ぶのは雄也の仕事だ。私も二人分のコーヒーを持って雄也の後に続き、朝食の席に着く。


「「いただきます」」


 二人だけの甘い生活が始まって約四か月。私たちの朝はこうして過ぎていく……。



◆◆◆



 朝は時間の流れがとても速い。朝食を食べ終わるとすぐに雄也は会社に行ってしまう。玄関にある鏡で全身のチェックをしている雄也に仕事鞄を手渡すと、いつも通り彼は私に尋ねてくる。


「俺、ちゃんと決まってるかな?」


「うん! 今日もカッコいいよ」


「ありがと」


 そして行ってらっしゃいのキスで雄也を見送ると、ここからは長い長い一人だけの時間……。


「よし、後片づけさっさと終わらすぞ~!」


 誰もいない家で一人気合を入れると、私はキッチンに向かった。



◆◆◆



 その日の夜――。私たち二人はリビングのテーブルで向かい合い、おでんをつついていた。話題は雄也の会社のこと、お隣さんの飼い犬のハッピーちゃんのこと、明日の天気など実に様々だ。その中でふと雄也がお弁当の話題を出した。


「そういえば今日のお弁当――あ、この大根旨い!」


「大根ならこっちにも沈んでるよ! ――お弁当がどうかした?」


「サンキュ! ええと――かぼちゃの煮つけ美味しかった。同僚の田中に朝から奥さん大変ですね、って言われたよ」


「ふふ、煮つけには自信あるからね」


「さすがは沙耶香。料理上手な嫁をもらって俺は幸せだ!!」


 大根を口に運びながら、雄也は笑顔でそう言ってくれた。もう雄也ったら~、と返しつつまんざらでもない私。雄也に料理を褒めてもらいたくて、結婚する前に頑張ったかいがあったというものだ。そういえば――。


「「かぼちゃと言えば」」


 言い出しが見事に雄也と被り、私は思わず笑ってしまった。雄也も笑いながら、目で確認して言いかけた言葉をつなげる。


「かぼちゃと言えば、今年のハロウィンどうする?」


 私は一旦お箸を持つ手を止めて雄也に応じる。


「私も今同じことを言おうとしてたの! ハロウィンどうしよっか?」


 三年前、私と雄也は共通の友達のハロウィンパーティーで初めて知り合い、それから二カ月後に交際を始めることになった。つまりハロウィンはある意味私たちの記念日なのだ。


 付き合ってから毎年、ハロウィンはそれなりに力をいれて楽しんでいた。いつもは二人でディナーに行ったり仮装パーティーに参加したりしていたのだけれど、今回は結婚して初めてのハロウィンということで……。


「「今年は家で……」」


 またしてもハモってしまう私たち。今度は声を出して笑う私に、雄也が身を乗り出してのキス。幸せに浸りながら、私は再びお箸を取ってご飯を口に運ぶ。


「雄也の好きなかぼちゃパイとか、一度焼いてみたかったんだよね」


「おお! それは楽しみ」


 私の皿に卵を入れながら、雄也はきらきらと目を輝かせる。うん、本当に分かりやすくて可愛い。


「家でだったらまったり出来るよね」


「そうだな。ワインでも飲みながら……」


「あ! でもパーティー風にデコレーションはちゃんとやりたいな!!」


「デコレーションか……。ジャコランタン、とか?」


「そうそう。 一度あれを作ってみたかったの!」


 ハロウィンの時期になると急に、どこかから湧いてくるオレンジ色のかぼちゃ。あれを家に連れて帰り自分で顔を彫るのが、私のささやかな夢だった。


「沙耶香ってああいうの本当に好きそうだよな」


「だって可愛いんだもん」


 そう言う私にもう一度キスして、雄也はロールキャベツを自分の皿に取る。


「かぼちゃだったら俺がヤホオクで見るよ。……重いだろ、自分で買いに行くの」


「……! ありがとう雄也!!」


 細かいところまで気づかいをしてくれる雄也の優しさが嬉しくて、今度は自分からキスをする。どういたしましと答える雄也に、手に乗るサイズのにしてねと言いながら、私の心はすでにハロウィンの準備に飛んでいた……。



◆◆◆



 それから数日後。私が家でお風呂の掃除をしていると、玄関のチャイムが鳴った。


「お届け物でーす!」


「はーい!!」


 手を拭き拭き印鑑を持って玄関に出ると、大きな箱を持った宅配便のお兄さんがいた。


「ここにサインを……はい! ありがとうございます。ではこれを……重いですけど大丈夫ですか?」


「わ、本当だ重い……。大丈夫です。なんとか持てます」


「そうですか。では僕はこれで。またのご利用をお待ちしております!」


 元気よく一礼して帰っていくお兄さんを見送り、伝票を確認する。


「なんだろこれ……かぼちゃ? あ! ハロウィンのやつか!!」


 待ちきれずにその場で開封すると……。


「お、おっきくない!?」


 ででーん! 見るからに大きいオレンジ色のかぼちゃが姿を現した。傷もなく色もきれいでまさに思い描いていたハロウィンかぼちゃそのままだが、とにかく大きい。絶対に手には乗らない……。


 私はその予想外のサイズに圧倒されてしばし固まっていたが気を取り直し、とりあえずこの衝撃を今すぐ雄也に伝えたいと思った。そこで携帯を取ってきて写真を撮り――参考に私の左手も添えて――メールを打つ。


『かぼちゃ届いたよ! 大きくてびっくり(;゜∀゜)』


 雄也からの返信は意外とすぐに来た。


『うお! でっかΣ(゜Д゜) 良いランタンが出来そうだな。期待してますm(__)m』


 ……期待してます、と言われれば頑張るしかない。ちょっと大変そうだなあと思いながらよっこらせとリビングまでかぼちゃを運び、早速ランタン作りが始まる。目指すは正統派のジャコランタン!


 先にマジックで顔を書き、かぼちゃの底をくり抜いて中身を取り出す。これは意外と時間がかかる……。最初はスプーンでほじっていたのだけれど、最終的に手で直接掻きだすことになった。――ワイルドだろ~!?


 綺麗に中身をくりぬき終わったらマジックに沿ってナイフを入れ、顔を切り抜いたら完成!! うん。ちょっと大変だったけど可愛いランタンが出来たから文句なし! 早く帰ってこないかな、雄也。


 そう思いながら私は、夕ご飯の仕度に取り掛かった。



◆◆◆



 その日仕事から帰ってきた雄也をいつも通り玄関先で出迎え、上着を預かりながらするのは勿論あのかぼちゃの話。


「……やっぱり大きいな、かぼちゃ」


「でしょ? 絶対手に乗らないよ~!」


「頑張れば乗せれるって!」


「――いやいや、重みで手が折れちゃうよ!! てかこれ高かったんじゃない!?」


「そうでもないよ。○○○○円ぐらい」


「――!!」


 雄也が言った値段は思っていたより高くて、私ならきっと買うのを諦めていただろうから雄也に頼んで良かったのかなと思いつつ、一夜のためだけに使うにはやっぱり高い気がした。


「……どうせなら今からここに飾っておこうかな」


「それが良いよ。せっかく可愛く作れてるんだし」


 本当はリビングを飾りたくてかぼちゃが欲しかったのでなんだか違う気がしたが、私は深く考えずにジャコランタンを玄関に飾った……。



◆◆◆



 そして迎えたハロウィン当日――。私はテーブルを色とりどりの料理で飾りながら雄也の帰りを待っていた。


 今日はいつも以上に気合を入れて、見た目にもハロウィンっぽいものを作ってみた。トマトをランタン風に顔をくり抜いてカップサラダにしたり、グリンピースの緑色のスープにクリームチーズと牛乳で作った白いソースでクモの巣を描いたり、手作りハンバーグの上にチーズでコウモリを張り付けてみたり、おにぎりを海苔でお化けに変身させてみたり……。勿論デザートにかぼちゃパイも忘れない。あとは雄也が買ってきてくれることになっているワインを合わせれば、今日の夕食は完璧だ。


 ジャコランタンが玄関に行ってしまったことから料理以外にデコレーションはほとんどないが、逆に照明をしぼり蝋燭の火によって料理を照らすことにより雰囲気を出すことにした。うん。良い感じ。


 時計を見ながらそろそろかなと思った時、私の携帯が鳴った。掛けてきたのは……雄也だ。


「――もしもし?」


「あ、もしもし沙耶香? 本当にごめん……残業が入って今日、帰るの遅くなる」


 ――えっ。


 思わず黙ってしまった私に、雄也は再度ごめんと繰り返して電話を切った。


「…………そんなのって……ないよ」


 携帯を握ったまま、しかもエプロンをつけたまま、私はリビングのソファに身を投げ出すようにした。……雄也はお仕事で遅くなるんだから仕方無いけど。私が文句言っちゃいけないと思うけど。でも今日は早く帰ってきて欲しかった。


 ……別に雄也が残業で遅くなるのは今日が初めてではない。いつもは帰りが遅くなる時はメールで連絡が入ったところをわざわざ電話してきたくらいだから、雄也も悪いと思ってくれているのだろう。でも……。


 行き場の無い思いが私を埋め尽くしていく。料理頑張ったのにな。普段通りに帰ってきてくれたら時間ぴったりになるように作ったのにな。お腹すいたよ雄也。料理冷めちゃうよ……。


 私はいつのまにかソファの上で寝ていたらしい。はっと気が付くと日が暮れて真っ暗になってしまった室内に、チャイムの音が響いていた。


 ――雄也が帰ってきたんだ! そう思った私は確認もせずに玄関に飛んでいき、ドアを開けるとそこには――。


「トリックオアトリート!」


 そこには可愛い魔女……の仮装をした女の子がいた。


「……トリックオアトリート!」


 雄也以外の人がいるとは思いもせず、上手く反応出来なかった私に焦れたように少女はもう一度、今度はさっきより大きな声で繰り返した。


「え……あ、お菓子ね! ちょっと待って」


 その少女は長い黒髪にとんがり帽子、黒いワンピースと黒靴という気合の入れようで、手にはちゃんと可愛らしい杖を持っている。……もしかして玄関先のジャコランタンを見てやって来たのかな、と思いつつ私はエプロンのポケットを探る。いつもはここに飴をいれているのだが、あいにくその時は切らしていた。


「ちょっと待ってね、すぐに取ってくるから」


 私はそう言ってキッチンに行こうとしたのだが――。


「お菓子をくれなきゃイタズラして良いんだよね!」


「えっ」


 可愛い魔女は無邪気にそう言って私に向かって杖を振った。


「……!!」


 するとたちまち私の目線の位置が急降下して――!


 気づけば私は床に倒れていた。いや、その表現はおかしい。私は――信じられないことに、ジャコランタンになって床に転がっていた。


 玄関にある鏡に向かい合うかたちで転がっているかぼちゃ、それはまぎれもなく私だった。丁度私が最初に想定していたのと同じぐらいの手乗りサイズのかぼちゃ。しっかりと顔が彫られている。……これが私?


『……なによこれ!?』


 状況をつかみきれない私を見て楽しむように、少女は私を拾い胸に抱いて言った。


「可愛いジャコランタンが出来たね!」


『……!!』


 彼女はそのまま家に侵入し、キッチンとリビングの間のカウンターに私を置くと去って行った。


『……え!? これってどういうこと!?』


 余りのことに思考停止状態に陥っていた私だが、徐々に考える力が戻ってきた。しかし当然といえば当然なのだが、私の胸の中の呟きに応えるものは誰もいない。そして――。


 ――ピーンポーン!


 チャイムが鳴る音がし、次いでドアが開く音がした。……雄也が帰ってきたんだ。


 今すぐお出迎えに行きたいのに、あいにくジャコランタンには足が生えていなかった。いや、この姿で迎えに行ってもびっくりされるだけか。それ以前に認識されるかどうか……。


 パニック寸前まで思考を巡らせていると雄也がリビングに入ってくる。カウンターの上でリビングの方に向いている私にはその様子が良く見える。


「ただいまー」


 パチンと音がし、雄也が照明を灯した。うう、眩しい……。暗闇に慣れていた私の目がやっと順応した頃には、雄也は上着を抜いで椅子にかけていた。


「さすがに沙耶香のやつ、寝ちまったか」


 そう言う雄也につられて時計を見ると、現在10時30分。いや、まだまだ寝る時間には早いと思うよ!? 私起きてるよ!? 起きてるんだけど……!?


 どかっと椅子に座った雄也は、目の前の料理に視線を向ける。


「……これは、相当楽しみにしてたんだろうな」


 そう言ってため息をつく雄也。ああ。今すぐ人の姿に戻って雄也に抱きつきたいのだけれど、このジャコランタン姿ではどうしようもない。私は……私たちは、これからどうなってしまうの?


 身動き取れない自分が歯がゆくて、私はただじっと雄也を見つめていた。それはもう、初めて雄也を意識し始めたあのハロウィンパーティーの時よりもずっと熱心に。すると雄也はその視線を感じとってくれたみたいで、ふと私の方を見た。


『雄也! 私はここよ!!』


 残念ながらその想いまでは伝わらなかったようだが……雄也は立ち上がって、私の側まで来た。


「……小さいジャコランタン、か。これも沙耶香が作ったのか?」


 そう言って私を手にとる雄也。――なんだか恥ずかしい……!


 しばらく私を眺めていた雄也だが、ふっと笑うと私を自分の目線に合うように持ち上げ、私に向かってしゃべりだした。


「ごめんな、沙耶香。せっかく料理して待っててくれたのにこんな時間に帰ってきて……。怒るのも当然だよな」


 ――……。


「もしかしたら俺、これからずっと帰るのが遅くなるかもしれない。今日部長に、新しいプロジェクトの参加するよう言われたんだ。出世だよ出世」


 ――すごいじゃない! おめでとう!


 そう言って喜びを分かち合いたいのに、口は変な形で笑ったまま動かない。


「……沙耶香は、俺が帰るの遅くなったらどう思う?」


 ――そりゃあ寂しいけど……。でも、雄也は――!


 私は自分の声が雄也に伝わらないことを忘れて、真剣に返事をしていた。それに対し雄也は……。


「――って、ジャコランタンに話しかけてどうするんだ俺。本人にちゃんと言わなくちゃな」


 ――ありゃ。ジャコランタンが私だと気づいてたわけじゃなかったんだ。


 そうだよね……と思いつつもがっかりしてしまう。どうしよう……このまま戻れないのかな、私。……改めてパニックを起こしそうな私だったが、雄也はそんな私を見て言った。


「ふっ。なんだがジャコランタンが沙耶香に見えてきた」


 そう言っていつもの優しげな表情で私を捕え、顔が近づいてきて――私にその唇が触れた瞬間。


 ――ポン!


 可愛らしい音とともに私の体――ジャコランタン――から白煙が漏れ出した!


「「うわわわわわ!?」」


 どうでもいいところで見事にハモる私たち。気づけば、驚いて腰を抜かした雄也の上に私が乗りかかっていた。


「――え!? え!? 沙耶香!? え!?」


 完全に混乱に陥っている雄也。


「も、戻った……!」


 私はそんな雄也を放って自分の手を顔の前でかざしたり、エプロンを手に取ってみたり、とにかく自分が自分であることを確認していた。


「え、戻ったって何が?」


 耳聡い雄也は私のつぶやきをしっかりキャッチしていたが、私はそれに答えずに立ち上がった。


「おかえり、雄也」


「ただいま……」


 頭から疑問符を大量放出させながら雄也もようやく立ち上がり、私たちはリビングで向き合った。


「出世おめでとう、雄也!」


「……!」


 私はゆっくり息を吸って、やっと伝えることの出来る自分の思いを声にだした。


「雄也は今の会社に、今の仕事がしたくて入ったんだよね。だったら出世して、いっぱいお仕事出来て何も心配することなんて無いじゃん。そりゃ早く帰って来れなくなるのなら寂しいけど……でも、雄也がお仕事頑張ってる間、私も家で頑張って待ってるから。お料理作って待ってるから。だから――!」


 続きは言えなかった。何故なら、急に雄也が私を強く抱きしめたからだ。


「雄――」


「ごめんな沙耶香……。でも俺、頑張るから。絶対頑張って出世して、沙耶香に楽させてあげるから。だから、ちょっとだけ待ってて」


「うん……」


 私がそっと雄也の背中をぽんぽんすると、雄也は私を抱いていた腕を少し緩め、どちらからともなくキスをした。これは……仲直りのキス。これからの未来を約束するキス。何度も重ねあってきた唇がまた重なり、二人の絆を強くしていくんだ――。


「あ、そうだ」


「……何?」


 ふいに雄也が私から離れた。なんだか物足りない私はちょっと不満げな顔をしてしまったらしいが、雄也は黙ってリビングのソファに置いていた鞄の中から細長い包みを取り出してきた。


「これ……デパート閉まってたから駅のスーパーで買ったんだけど」


「あ……」


 それは頼んでいたワインだった。そういえばお腹空いたな……。テーブルには冷めてしまったハロウィン料理がずらり。パーティーをするのは今からでも遅くない。


「温め直しておくから、雄也は着替えてきてよ」


「うん。ごめんな」


 私たちの夜は始まったばかり。この後雄也がワインを開栓するのに手こずったり、私が雄也にかぼちゃパイをあーんしたかどうかは、二人だけのひ・み・つ!


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