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②午後ティー

亀更新で申し訳ないです……。

しかもちょい短め。

あの人は!!

静流先輩じゃないですかぁーーー!!

きゃーお久し振りですーー!!

そう言って駆け寄ろうとしたけど、なんだか様子が変だ。

んん?あっ!

背中が丸まってるんだ!いつもは背筋が伸びてとても綺麗な姿勢なのに、今は俯いているのか、姿勢が悪くなっている。

なんか探してるのだろうか?とにかく、


「静流先輩!」


声を掛けて近寄ってみた。

先輩は振り向いてくれたけど、姿勢同様、顔色も良くなかった。

なんというか……赤い。頬が。目も潤んでて、息も荒い。風邪でも引いてしまったんだろうか?


「静流先輩?大丈夫ですか?熱があるんじゃ……」

「舞?いや大丈夫。なんか最近たまにこうなるんだよね…。よくわかんないんだけど。少し休めば治るから。」


そう言う先輩だけど、やっぱり尋常じゃない気がする。

弓道場はすぐだったから、先輩にちょっと待っててください!と言い置いて急いで弓道場に向かう。

弓道場の水道でハンドタオルを濡らして、静流先輩の元に戻る。9月はまだまだ暑いから、熱中症かも…。杏望先生に連絡しなきゃ。


「先輩、これ使ってください。のど乾いてませんか?口付けちゃいましたけど、イヤじゃなければ飲んでください。今、杏望先生に来てもらいますので。」


やっぱり暑かったのか、先輩は濡れたタオルを額に当てて気持ちよさそうにしてた。でも、わたしが携帯を取り出すと、


「もう大丈夫だから。舞のおかげで大分良くなったよ。ありがとう。少し座りたいから、弓道場に行かない?」

「でも……」

「もし本当に限界だったらちゃんと言うから。ね?」


なんか似たような会話をついさっきしたような……。

とりあえず、立ってるのも良くないと思ったから、弓道場に行くことにした。


弓道場の床は冷たい。

冬は憎いだろうけど、夏は天然の冷たさが体に心地いい。

わたしたちは着いた瞬間、床に寝そべってしまった。2人して顔を見合わせて笑い、先輩はそのあとため息を吐いた。


……やっべーー!ちょーいろっぺーーんですが!

さっきまでの名残で先輩の顔はまだほんのり色づいてる。ど、どうしよう。動悸が……。

いや!そっちのケはないよ!ほんとに!これは静流先輩の色気がけしからんだけだ!


そんなアホなことを考えてるとも知らない先輩は、わたしに『ごめんね』と謝ってきた。


「?なにがですか?」

「迷惑かけちゃって。私の方が年上なのに情けないね。」

「具合悪いときに年上も年下もありませんよ。それに、わたしも静流先輩に迷惑かけちゃいましたし。」

「そうだっけ?」

「夏休みの時に。せっかく先輩と出かけるの楽しみにしてたのに…。デート、台無しにしてすみませんでした。」


起き上がって頭を下げれば、静流先輩も慌てて起き上がって『そんなの全然!大丈夫だから!』と言ってくれた。

せっかくのデート、台無しにした感がすごいあったからどうしてもちゃんと謝りたかったんだよね。


「ありがとうございます。」

「舞はほんと、律儀だよね。年下とは思えないぐらい。」


まぁ、精神年齢あらふぉーですからな!


「そんなことないですよ?ただ、静流先輩にはぜっったいに嫌われたくないので!」


憧れの先輩に嫌われたら生きていけなくなる自信がある!


「それぐらいじゃ人を嫌いにはならないよ。それに、舞は大好きな後輩だからね。」


そう言って笑った先輩に、もれなくわたしはノックアウトされたのでした。身悶えていいですか!


しばらく先輩と他愛もない話をして、そろそろ帰ろうかというところで先輩の携帯が鳴った。


「ん?透流だ。ごめん、出てもいい?」


もちろん。


「ありがとう。…もしもし?どうしたの?……そう!よかった!…うん。私も大分。……ははっ、そうだねぇ。…今?弓道場にいるよ。…ううん。舞と一緒。もう帰るけど。…ダメ。今日は譲らないから。じゃーね。」


静流先輩は、ごめんね、じゃぁ帰ろっか!と言って立ち上がる。その表情はいつも通りで、安心した。


「副会長はいいんですか?」

「いいのいいの!……透流もさ、私と似たような症状があったんだけど、なんか良くなったんだって。同じ頃に治るって双子の神秘かな?一緒に帰りたがってたけど、今日は私が舞と帰りたいから断ったんだ。」


ダメだった?首を傾げた静流先輩に、ダメな訳ないじゃないですか!と思いっきり言ってしまった。

いや、副会長がイヤな訳じゃなくてね?久し振りだから静流先輩と2人で帰りたいなぁって思っただけだよ?

さぁ鍵を閉めて帰ろうというときになって気付いた。


「そういえば、鍵はわたしが持ってたから、先輩は弓道場に入れなかったんじゃ……」

「えっ?……ああ!そっか!そうだね!私ってば、ほんとに気が動転してたんだね。そんなことにも気付かなかったなんて。」


まぁわたしがいたから平気だったけどね!

もう1回、体調が悪くなったら無理せず病院へ行ってくださいね!と先輩に念押しして、帰り途中でお昼ご飯を食べて(だって静流先輩からのお誘いを断ることなんか出来ない!)、昨日からみょーになが~い1日を終えたのでした。

つ、つかれた……。

まさかの静流先輩(笑)。最初は普通に副会長の予定でしたが、いやいやいや、双子の神秘!ってことで静流先輩に白羽の矢が立ちました。無理矢理なことはわかってるので、いくらなんでも…って思わないでください(切)!

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