週7
夏休みとか言っといてまだです。次こそ本当の夏休みです。
宝探しゲームの翌日。
順位表が貼り出され、テストも一斉に返された。
教師陣はこの準備で忙しかったんですねぇ。
いくら転生者とは言え、元々勉強が出来る訳じゃないし、高校生の勉強って大人の思ってるほど簡単じゃない。だから土台はみんなと同じなんだよね。
それでも!がんばった甲斐があった!
だって30位内に入ってたんだから!
英語もリスニングも自己ベストを越えたし、マジでこれは杏望先生に感謝せねば。
ホクホク顔でいると、美晴は『私は7位だけどね。』と雰囲気ぶち壊しなことを言いやがった。
えぇい!あんたが頭良いのは知ってるからいいんじゃい!それに、なんだかんだ言ってたまにわからないとこ教えてくれてたし。
さてと、1位はどなたさんかね?
たどってみると、なんとびっくり!
うちのクラスの土浦樹子ちゃんではないの!あんれまぁー!真面目に勉強してるなーと思ってたけど、1位とは!すごいでないの!
そして他の友達の順位も一緒に見に行くと、わたしよりもちょーーっと下の方に森木さんの名前があった。そして彼女はそれを見ながら納得いかないような顔をしてた。まぁ、経過と結果が伴わないときもあるよね。
そしてその日の昼休み、静流先輩に呼び出された。
あと幾日もすれば夏休み。部の人達とも一緒に出かけたいなぁなんて浮かれた気持ちで行ったら、ちょっと困り気味の静流先輩が待っていた。
「あぁ、舞。ごめんね急に呼び出して。」
「いえそれは全然いいんですけど、どうかしたんですか?」
「うん…。その、昨日の話、透流から聞いたんだ。大変だったね?ごめんね、私そんなことになってるなんて気づかなくて…」
「静流先輩が気にすることじゃありません。この通り、ピンピンしてますから!」
「ならいいんだけど。実は、透流が落ち込んでて。怪我したことも知らなかったし、昨日も何も出来なかったって。私がこんなこと頼むのはおかしいと思うんだけど、透流と少し話してあげてくれない?あれはバカだから、舞と会わす顔がないって自分からは行かなそうだから。」
副会長が責任なんて感じることないのに。
とりあえず、今日の放課後時間を設ける約束をして(副会長に無許可だけどいいらしい)、静流先輩とはわかれた。
放課後。
約束通り弓道場へ行く途中の待ち合わせ場所に表れた副会長は、とにかく傍目にもわかるほど落ち込んでいた。
……面倒くさいと思ったのは内緒で。
下がっていた目線が合うといきなり謝ってきた。
「昨日はごめん!」
「許しませぬ」
「えっ…」
あっ、泣きそう。ちょっと楽しい。おかしいな。わたしにSっ気はなかったはずだが。
「冗談です。」
「じょうだん…?」
切れ長な目がウルウルしてて、大型犬みたい。
うーむ。かわゆいな。
「許すもなにも、副会長はあれでよかったんです。変に庇い立てされると、かえっておかしなことになります。」
主に女子の嫉妬で。
別に隠してる訳じゃないけど、わたしと副会長に交流があるのはあまり知られていない。
まぁ、たまに送ってもらっても、家の近くにはうちの生徒があまりいないし。
「でも、僕はなにも出来なかった。舞が大変な目にあってたのに、それも知らなかった。」
「言ってないですもん。ちなみに静流先輩や弓道部の人達にも心配かけたくなかったので言いませんでした。知っていたのはごく一部です。」
「じゃぁ杏望先生は?」
「杏望先生は保健医なんだから知ってて当然じゃないですか。というかですね、何をそんなに責任感じてるんですか?副会長には副会長の立場があるんです。あの時は口を挟まなくて正解なんです。」
「でも…」
あーめんどくせっ!
「男がウジウジ悩まないでください!なんも出来なかったんなら次はなんとかしてくださいね!わたしのピンチに駆けつけるヒーローでも目指してください!今度は頼りにしますから!」
勢い余ってキレてしまった。
でも本当にうざかったんだもん。しょうがない。ワタシワルクナイ。
呆気に取られた副会長も、段々と笑いが込み上げて来たらしい。最終的には声をあげて笑ってた。
「ヒーローって、舞のヒーローって…ぷぷっ」
うっさい!言った本人もちょっと恥ずかしいんですから蒸し返すな!
「…はぁ~笑った笑った。そうだね。次こそは舞を助けられるヒーローになるよ。」
「別にそこまでは…」
「舞が言ったんだよ?僕は舞公認のヒーローだね。」
ほんともうやめてください。
キッと睨むと、意味が通じないのかにへらって笑って、『早くピンチになってね?』とのたまった。
誰がなるか!
しっかしこの人は、
「本当に表情豊かですよね、副会長って。」
「そうかな?あんまり言われたことないけど。」
「それは副会長をよく見てないからですよ。今だって、めっちゃ落ち込んでたくせに、もう笑ってへらへらしてるじゃないですか。」
「へらへらって…。じゃぁ舞は僕のことよく見てるってこと?」
「まぁ、そうなりますかね。(別に見たい訳じゃないが)」
「初めて会ったときもさ、僕のことそう言ってくれたの、覚えてる?」
「覚えてません。」
ウソです。
副会長は不満気な顔をしたけど、あんな黒歴史忘れたいのだ!
迷ってたのを助けてもらって気が動転してそんなこと言ったんだと思う。常の自分なら絶対に言わない。それこそどっかのヒロインみたいじゃないか。
かゆい!かゆすぎる!
わたしはそんなキャラじゃないし、ヒロインじゃなくてピロシキが食べたいお年頃だ!
だから忘れたふりをしとく。それに限る!
そんなことより!
「副会長におねがいがあるんですが!」
「なに?今回のお詫びに何でもするよ!」
「じゃぁ、…〇ゃがりこの新しい味を探してほしいんです!」
「はっ?じゃ、えっ?」
そんなにびっくりすることかな?
うちの近くにもコンビニはあるし、学校の帰り道にもあるけど、どこ探してもないのだ。
そうなるとどーしても食べたくなるのが人ってもんでしょうが。
「副会長のお家の近くにもありましたよね?ちょっと見てきてほしいんですよね。」
「はぁ…そんなことならもちろんいいけど、舞は色気より食い気なんだね。」
そんなことはないと言いたいが、高カロリーのものは若いうちに食べとかないとね!年を重ねるごとに痩せにくくなるからさ!
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そんな経緯を経て、今度こそ来ました!
なーつーやーすーみーーーーー!!!
遊ぶぜぃ!
なぜこうなった…!やっぱり書けば書くほどへたれてく。。。もっとかっこいいヒーローが書きたいです!
変態保健医と残念副会長のイメージアップキャンペーンでもやろうかな…。




