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いっちばん

そんなわけで二度目ましての女子高生です!


入学式を無事終え、友達出来るかな?ソワソワワクワクしてる間にもオリエンテーションが進み、少しずつ高校の授業やら空気やらに慣れて、GW後の実力テストも終わり自分に余裕が出始めた5月も半ば。普通なら高校生活を満喫してるはずなんだけど、うちのクラスには少し悩みがある。


実力テストが終わった翌日にやってきた新しいクラスメイトだ。いや、正確に言うなら「やっと登校してきたクラスメイト」だ。


その生徒のことはオリエンテーションが終わって、担任教諭に各々のクラスに案内された後みんな気付いた。


1つ席が空いていることに。


先生は特に気にする様子もなく、その女子生徒は入学式前に気分を悪くして帰宅してったことを告げたので、明日には来るかな?どんな子なんだろーねと、新たに出来た友人たちと話し合っていたのだ。

しかしその生徒はそこから1ヶ月半もの間、姿を見せることはなかったため、みんなの意識も薄れていった。

そんな頃合いに突然登校してきたから初めはびっくりしたが、早く馴染めるようにみんなで校内案内とか勉強の進み具合とかを教えてクラスに溶け込めるようにしてたのだ。


しかし、彼女が登校して数日経つと、彼女の行動がおかしいことに気が付いた。

最初は些細なことだった。他学年の階をうろうろしているのだ。

この学校は1年生は4階、2年生は3階、3年生は2階と完全に学年別になっている。授業で使う美術室やら理科室は特別棟、生徒会室や職員室は役員棟と、建物自体が別棟になっている。しかも各学年の教室がある本舎と特別棟は各階で繋がってるので、わざわざ他学年の階に行く必要はない。(昔は2階にしかなかったみたいだが、生徒から移動教室の時に間に合わない!と苦情が来たそうだ。ナイス先輩方!)なので、他学年の階に行くのは、部活の関係とか委員会の関係とかぐらいなのだ。

でも彼女は部活には入らないって言ってたし、委員会も入学してすぐに決めたので入ってないはずだ。だからこそ、用もないのにウロウロしている彼女がわたしたちの目には変わってるように見えるのだ。

しかも担任の棗先生を下の名前で呼ぶのだ。これには先生の方が参ってる。毎回「棗先生と呼べ」と言っているにも関わらず、「辰也先生」と、話聞いてんのかこいつとつい思ってしまうようなことをするのだ。

まぁ棗先生とお近づきになりたいのはわかる。だってかっこいいもんね。パッと見た感じだとチャラそうな外見だけど、顔は整ってるし、眼鏡と白衣で理知的な印象を与える。(わたしに言わせれば、あんた数学が受け持ちなのに白衣必要なくね?だけど。)高校生というのは多かれ少なかれ年上が好きだ。というか憧れ?かな。多感なお年頃にこのイケメン先生はある意味毒だと思う。面倒見も良さそうだから、しょっちゅう告白とかされてそうだよね。そんな棗先生に、自分を特別扱いしてもらいたいっていう気持ちはわかるよ。うん。特に自分に自信があるなら尚更ね。


彼女――森木華鈴は絶世の美少女だ。

大きなパッチリ二重、透き通った白い肌、何も塗らなくてもぷっくりと艶のある唇、全体で見れば幼げな感じが残ってるのに、目の下の泣き黒子が妙に色気があって大人へと足を踏み入れそうな危うさがあるのだ。

そんなハイスペックな彼女だからこそ、棗先生に振り向いてほしいんだね。

でもね?言わせてもらうけど、もし本当に先生が森木さんに手を出しちゃったら、二人とも悲惨な目にあうんだよ?特に先生は良くて転勤、悪くてクビか懲戒免職。好きな人がそんな目にあうの嫌でしょ?だからわたしとしてはもーちょっと考えて行動をしてほしいんだよね。オバチャン心配だよ。(前世+今世だと精神年齢あらふぉーなんだよね)


そんなこんなで、彼女の言動がうちのクラス、ひいてはわたしに火の粉として飛ばないように気をつけなければと悩みながら始まる高校生活です。

棗先生は大体の女子生徒の憧れなので勝手に名前呼びしちゃってるあの子は不協和音なのです。

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