プロローぎゅ
初!連載です。完結だけはさせます。
世界観が前作に似てるのは仕様。なぜならこっちの方が先に頭にあったから。あまり期待はしないようお願いします!
わたし、こと咲倉 舞は前世の記憶を持った転生者です☆
あっ、待って!どこに電話しようとしてるんですか?頭大丈夫ですよっ!なんとか病じゃないです!だからとりあえず受話器を置いて話を聴いて!
……ふぅ。
さっきは☆なんかつけちゃったけど、ほんとに転生者です。とはいっても、覚えているのは前の『私』がどんな人生を歩んできたかっていうのを朧気にだ。友達の顔はおろか、両親の顔も自分の名前さえも覚えてない。
まぁその方がいいんだと思う。じゃなきゃ耐えらんないよね。いきなり別の人に成りすまして生きろって言われてるようなものだし。おかげで前世に想いを馳せずに、ただの『咲倉舞』として生きていける。
この記憶が甦ったのは物心が着いてしばらく経った頃だった。
徐々に頭にいろんな、見たこともない光景が浮かんでは消え、浮かんでは消えを繰り返され、最期の場面が終わりを迎えたとき、『私』は死んだんだと気付いた。
すごーく気分が悪くなって何日か寝込んだけど、もしや私この若い体乗っ取った!?と悩んだりもしたけど、わたしは私。と考えることを放棄しました!テヘッ!
というか正直面倒くさくなっただけだけど。こーゆー性格なんですよ。生まれ変わってもこればっかりは変わらない。
前世の私は今よりもっと面倒くさがりで、のらりくらりと生きていた。
高校を卒業して、いろんなバイトして、これでいっかなーと思ったとこに契約社員で入って、それまで男っ気がなかったもんだから、一念発起して合コンやら街コンやらに出まくって付き合うようになった初彼氏。優しそうだし安定した職業だしこのまま結婚もいいかもなーなんて思ってたのがいけないのか。
ぐっさり刺されました。元カレに。
私のじゃないよ?だって私はその彼が初めてだもん。ということは……
そう!彼の彼氏だねー。
いやーまさか初彼氏がゲイだかバイとはね。すごいぞ私。
私を刺しに走ってくる顔は鬼より怖かったし、「おまえさえいなければ」とか「おまえが俺たちのジャマをするんだ」とかわめいてたなー。
不幸中の幸いなのか、そのあとすぐにフェードアウトしたから刺された恐怖とか痛さは味あわずに済んだけど。
その最期を思い出したあとはちょっぴり男性恐怖症にもなりかけたけど、そこはわたし!図太すぎる神経で乗り越えた。えへっ!
そして決めたのだ!なんの因果かこうして生まれ変わったんだから今度はいろいろ青春しよう!のらりくらりじゃなくてしっかりとした人生を歩もうと!
あっ、でも前世の記憶を活用してチートとかは無理。だってわたしだし。小さい頃はいいけど、成長していくとボロ出るし。主に勉強とか。だから大人になったら出来ないことをがんばることにしたのだ!例えば部活とか。前世はバイト三昧でやらなかったし。あとは制服デートですよね!前は女子高で、それはそれで楽しかったけど、やっぱり制服デートは今しか出来ないことだから!勉強はもちろんだけど、恋もがんばっちゃうよーってことで。
来ました!私立植森学園!
今日から花の女子高生です!
生まれ変わったらパン屋になりたい。