表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

心友との別れ

作者: 璃紗

小1のトキのコト。

あの日は、入学式でとても緊張していた私に気軽に声をかけてくれた。

「名前は?私と友達になってくれる?」

その子は、美佳ちゃんと言うらしい。パッと見…じゃなくても、すごくカワイイ。自分から、クラスのみんなに声をかけていって、もうみんなと友達になったと嬉しそうに言っていた。つまり、最後の一人が私だと…。

「なんで、私が一番最後なの?」そう言ったら、笑いながら、でも照れくさそうに、

「だって、佳奈ちゃん、すごくカワイイし、特別な友達になりたかった。」

と言っていた。私はかわいくないし、見た目も地味。そんな私に声をかけてくれて、とても嬉しかった。もう一度、美佳ちゃんが、

「友達になってくれる?」

って、言ったトキ、すぐに、

「うん!美佳ちゃんのコト、ミカって、呼んでいい?」

「じゃあ、私はカナって、呼ぶね!」

そのあとは、ずっと一緒に行動した。お互いのコトも話合った。好きな人、家族。いっぱい話して、ミカが

「もう、心友だね。」って、言ったトキは、すごく嬉しかったよ。

ある日、その日は私の誕生日だった。どうせ、誰もプレゼントをくれないから、つまんない。そう思っていた。だけど、希望をくれたのは、ミカだったね。大きなクマのぬいぐるみを私に渡しながら、「誕生日おめでとう!」

って、言ってくれた。すごく嬉しかった。こんなコトをしてくれるのは、ミカだけ。やっぱ、心友だ。そう思えた。

2年生も同じクラス。やっぱり、ミカは人気者だったケド、私と心友のままでいてくれた。私は、ミカに誕生日プレゼントをあげるコトにした。クマのストラップ。おそろいにした。まだ、ミカの誕生日は、ずっと、先だったケド、売れちゃたら困るから。そんな、幸せの真っ最中、ミカから思いがけないコトを言われた。

「私、転校するの…(泣)」

「えっ…。嘘でしょう?」

嘘だよね?信じられない。ううん。信じたくない。

「ごめんね。ごめんね。」

ミカは泣きながら、謝っていた。わたしは思わず、その場から、逃げ出した。ミカは後ろで

「ごめんねー。ごめんねー。」

って、ずっと叫んでた。


そのあともずっと、気まずいままで、夏休みになった。すごくつまらなかった。去年の夏休みは、ミカと遊んでたのにな。って、思うと胸が痛んだ。そんなトキ、あることを思いついた。そうだ。

私は、ミカにクマの絵と〔8月30日の12時に駅で待ってる〕と文字を添えて、ポストに出した。8月30日は、ミカが出発する日でもあり、ミカの誕生日でも、あった。

そして、予定より10分早く着くと、もうミカがいた。

「ミカ…。」

「カナ…。」

「ミカ?ごめんね。いきなり行っちゃって。怒ってるよね?」

「ううん。怒ってないよ。私こそ、ごめんね。いきなり転校だなんて言って。」

「ううん。いいの。でも、早く言ってくれてよかった。(ガサゴソ…)はい。これ、誕生日プレゼント。」

「ありがとう。わっ。クマのストラップだ。カワイイ…。」

「ほら。おそろいだよ。」

「…ッ。ごめんね。私、カナと離れたくないよ。もっと一緒にいたかった…。」

「ウチももっと一緒にいたかったケド、ミカが決めたコトじゃないから…。しょうがないよ。…ッ。」


そのあと、2人で抱き合って泣いた。とても悲しかった。だけど、ミカも悲しいんだって、思うと、そんなに泣いちゃいけないって、思った。いっぱい泣いたあと、笑顔で別れた。


「ミカのコトは、ずっと、忘れない。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 拝見しました。 初めて書いた小説ですか。初々しくていいですね。 心友との別れの辛さがよく伝わってきました。 これからもがんばって、より腕に磨きをかけてください。
2010/06/30 21:14 退会済み
管理
[一言] 美味しいっ! 生クリームみたいな味がするの~ 焼きたてのカップケーキに生クリームをトロ~っと書けたみたいっ! また書いてね 晶子
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ