一章四話:「闘志が震える」
神さまの言うとおりに、ステータスを確認する。
Lv:10/50(1101/1475)
名前:
種族:魔素体
体力値:2/5
魔力値:4/10
攻撃力:5
防御力:5
俊敏性:5
ポイント:45
技能
【元】変形Lv3(3/5)
【派】分離/硬化/操作
【越】天界送り(6)
レベルが一つ上がって、ポイントが五つ増えて、派生技能が増えている。
それと、体も核も小さいし、かなり薄い。おそらく、体力値と魔力値に何か関係しているのだろう。ポイントは、ゲームで言うところのステ振り要素だろうか。
試しに、ポイントの部分を人差し指でタップしてみる。
Lv:10/50(1101/1475)
名前:
種族:魔素体
体力値:2/5 +
魔力値:4/10 +
攻撃力:5 +
防御力:5 +
俊敏性:5 +
ポイント:45
すると、各ステータスの値の隣に、プラスマークが表示された。
プラスの部分をタップすることで、おそらくはステータス割振りができるのだろう。
体力値の隣りのプラスを二度タップすると、2/5から、2/7となった。代わりに、ポイントは二つ減って43になっている。
よし、やり方はわかった。ポイントを全て割り振ってみよう。
よし、できた。
Lv:10/50(1101/1475)
名前:
種族:魔素体
体力値:3/10
魔力値:6/20
攻撃力:20
防御力:10
俊敏性:15
ポイント:0
バランス型の、ちょい火力振り。見た感じ、体内の魔素は魔力値か、体力値のどちらかで決まっていそうだから、変形の自由度を増やすために、一番関係しそうな魔力値を高めにした。
天界送りを、安全に確実に食らわせるには、俊敏で避けるか、防御で耐えるかのどちらかが確実だが、攻撃力を僕は選んだ。やっぱり、悪には罰が必要だからだ。僕からも、罰さないと。神さまだけに全てを押し付けたくはないから。
そういえば、体力値が一つ、魔力値が二つ、回復していた。おそらく、一定時間にいくつか回復するのだろう。回復に伴って、僕の体と核も少しだけ、濃く、大きくなっていた。
これから、どうしよう、何をしよう。神さまに喜んでもらえるように、派生技能を増やそうか。それとも、この洞窟を探索してみようか。
あ、そうだ。奴らが天界に行く前に、落としていったものを調べてみようかな。
あの大男が使っていた大剣に近づき、両手で柄の部分を握る。なんとか持ち上げるが、力が足りず、地面に落としてしまう。
そうだ、この重さを再現したら、派生技能が増えるのではないか。
指から魔素を伸ばし、丸い魔素の塊を作る。その塊に、さっきの重さを思い出しながら、イメージを込める。
塊と指を切り離すが、それは浮いたまま、ゆらゆらしている。
もう一度。次は頭から直接、魔素の塊を伸ばし、両手で大剣を持ち上げ、重さを頭に叩き込む。すると、頭が地面に引っ張られるような感覚がした。
"派生技能【重化】を獲得しました。"
大剣を置き、頭から塊を切り離すと、それは地面に一直線に落ちていき、音を立て地面を削った。
神さま、もっと見ていてください。
大剣の刃の部分に左手で触れる。鋭さを、右手で再現する。右手を、もっと鋭く、鋭利に。指と指の境が無くなり、刃のように鋭く伸びる。左手の指が切れても、刃に触れ覚え続ける。
右腕は鋭く、薄い刃となった。
"派生技能【鋭化】を獲得しました。"
"技能【変形】レベルアップ"
右腕に、柄を造形し、硬化、重化させ、切り離す。
右腕を生やすと、少し目眩がした。核がかなり小さく、少し薄い。体力値は1/10へと減少していた。おそらく体力値は核に対応している。核の魔素量にだ。核の魔素が完全に消滅した時、体力値が0になった時、僕は死ぬのだろう。
僕の体力値は、残り一。だが、不思議と怖くない、それどころか冷静だ。いや、不思議なんかじゃない。僕には神さまがついてるから。神さまにいただいた、技能があるのだ。死ぬことは無いのだ。
地面に転がった、魔素の剣を両手で拾い上げ、柄を握る。
あの大剣ほどの重さはない。自分が持てる、ちょうど良い重さにした。
僕は剣を振り下ろす。何回も、素振りを繰り返す。よく手に馴染む。もともと、自分の体の一部だったからだろうか。
大男の集団の所持品に目を向ける。
彼らの所持品は、剣を除くと大きなカバン一つ。そのカバンを漁る。中には、ガラス瓶に入った色つきの液体、地図、財布、あとは食料だ。
薬のようなもの、これはいわゆるポーションだろうか。赤い液体が入ったものが三つと、少し青い水色のものが三つ。ゲームで言うなら、赤が体力で、青が魔力を回復するポーションかな。
飲んでみよう。試しに赤から。
何も変化はないように思える。ステータスも変わっていない。
ならば、青はどうだろうか。
まるまる一本飲みきった。核がだんだんと膨張してゆくのを感じた。
ステータスを確認すると、体力が3/10に、魔力が8/20まで回復していた。
残り二本も飲みほした。体力が7/10に、魔力が16/20まで回復した。
体が、核が、この洞窟に来た時よりも、明らかに大きいし、明らかに濃い。
今ならなんでもできる気がする。気分が高揚してゆくのを感じる。初めて天界送りを使った時に少し近い。あの時までとはいかないが、気分が良い。
剣を手に取り、立ち上がる。視線がさっきよりも明らかに高い。
戦いたい、闘志が震える。
人間、人間を探そう。神さまのため、悪人どもに、天罰を。




