謎の偵察機の行方
前回までのあらすじ
タローたちは地球に到着するまで、カードゲームのデススパイラルで時間をつぶすことにした。
白熱したバトルの勝者は、ワトソンの神デッキの勝利に幕を閉じた。
AIがマサルに着陸地点を提示してきたので、マサルは、謎の信号元から数キロ程離れた所に着陸するように指示をし無事に着陸できた。
そして、マサルはタローに見張りを、フェイに周辺のマッピングを、ワトソンには自分に同行するように
指示を出し作戦は開始された。
(タロー)高い木や低い木も生えているな。しかし、なんかベトベトしていて歩きにくい...。
雨でも降ったのかな?
(フェイ)たしかにタローの言う通りベトベトでうまく木の根に器具が刺さらないべ。
こうなったら木の根に少し穴をあけるべ、ごめんね~木の根さん。少しの辛抱だべ。
よし!刺さったべ、これでお仕事が出来るべ。
ザザザッ...(無線通信の音)
(マサル)タローなにか変わったことはないか?
(タロー)マサルか、こっちは足元がベトベトなくらいで今のところは何もぉ?うん?
なぁ~んか僕が見ている方向から謎の飛行物が飛んできたなぁ~、偵察機かな?
(マサル)方角はどこだタロー!後、スキル光学迷彩を文言を唱えて周囲を気付かれなくさせてくれ!
(タロー)北西から来る!光を曲げ、我々を周囲に溶け込ませよ。よし!これで大丈夫!
フェイも機械の電源を一時的に停止してくれ。
(フェイ)もう停止させたべ。
(マサル)さすがだ、タロー。超能力はタローとワトソンしか使えないから助かった。
こういう時には役に立つな。
(タロー)こういう時とはなんだよ~、マサルく~ん?
(ワトソン)そんなことより静かにした方がいいわよ、例の偵察機の音がするわ。
ブーンッ...(謎の偵察機のホバリングの音)
(タローたち一同)...。
1分後
ブーンッ...(謎の偵察機が去っていく音)
(マサル)ふぅ...、あの偵察機を追尾してくれフェイ。
(フェイ)了解だべ、それ!
フェイのお手製の追尾システム搭載のAIを向かわせた。
(フェイ)エル、映像をくれだべ。
(AIエル)主、どうぞ。
(タロー)うお、良く見えるぜぇ!本当に森しかないな~。
(マサル)うん?森を抜けたぞ!
(ワトソン)森を抜けたら、荒野が果てしなく広がっていますね。
(フェイ)エル、引き続き謎の偵察機を追尾しておいてくれだべ。なんかあったら、信号を送るべ。
(AIエル)畏まりました、主。
(タロー)なぁ~んか、気が抜けたらお腹すいてきたなぁ~。食事にしないか、みんな?
(マサル)そうだな、タローの言う通り腹が減ったな。ワトソン、何か作り置きしてないか?
(ワトソン)もちろん、ありますよ。はぁ~い、みんなの分のお弁当~!
(フェイ)わぁ~、お弁当だべ。キラキラと宝石のように輝いて居るべ。
(ワトソン)食べられる鉱石を調理した物に振りかけているの、調味料としても重宝するの~。
(タロー)すっげぇ!うまそう、ではいただk...。
(ワトソン)ちょっと待って、タローくん。まずは、マサルさんが先よ!
(マサル)えぇ?俺が先か?
(ワトソン)そうなの...、じゃあ、あ~ん!
(マサル)はい...、あ~ん...。ぱくっ。
(ワトソン)きゃあ~、すきぃ!
(マサル)お、おう...。
(タロー)まぁ~た始まったぜ、やれやれだぜ。
(フェイ)お二人の結婚式はいつだべか?
(マサル)まだ、未成年だから結婚は早いって。後、俺は女が好きなんだ。男じゃないかワトソンは。
(ワトソン)私、女の子なのに...。うぅ...。
(タロー)ほぉらぁ~、女の子を泣かせたらいけないんだぞ!
(フェイ)な~かせた、マサルがな~かせたべ!
(マサル)嘘泣きだろ...、こんなの...、急になくとか情緒不安定な地雷系メンヘラしかいないだろ...。
(ワトソン)うぅ...、嘘泣きはもう、通用しないようね。次はどうしようかしら?
(マサル)みんな、俺で遊びすぎだって。止めてくれよ...。
(タロー)じゃあ、や~めた!お腹すいたからいただきまーす!パク、パク。
うまい、うますぎる。僕の嫁になれぇ~ワトソン!
(ワトソン)いやです、タローくんは我がままでバカなのでこちらからお断りします。
(タロー)うわあぁぁぁ!!!タローは、1000ダメージを食らった!
(マサル)まだ、デススパイラルを負けを引きずっていたのか。
(タロー)当たり前だろ?主人公は誰にも負けないだぁ!
(マサル)はぁ...、お前主人公だったのか。
(タロー)そうだ!僕が謎の信号を解き明かしてやるぅ!
(ワトソン)それは、心強いですねマサルさん?
(マサル)そ、そうだなって近いって...!ワトソン!
(ワトソン)だってぇ~。
(フェイ)家族ごっこの最中に失礼するべ、エルから信号が送られてきたべ。
見てくれみんな!
(タローたち)どれ、どれ?うわぁ!街?いや都市があるぅ!
(フェイ)あぁ、しかも結構な大きさだべ。これは、凄いべ。
(マサル)しかし、この太陽も差さないような環境でどうやって文明を築いたのか。
というか人っていたんだな、教科書には球体型宇宙船アトワールに乗り込んだ人々以外は
滅んだって書いてあったけど。
(タロー)これは、歴史を変える発見だぞ!みんな。しかも、街並みは僕の好きな
スチームパンクとサイバーパンクが合体した世界観じゃないかぁ!うおぉ!探検したい!
(マサル)まあ、待てタロー。あちらさんが偵察機なんてものこちらに寄こすくらいだから
友好的とは分からないだろ?ここは、慎重に行くべきだ。どうだ、フェイ?
(フェイ)これ以上は近づくのは危険かも知れないべ、ここまでが限界だべ。
(マサル)なるほど、ここの住人はみんな、ローブを着ているな。このローブは作れるか、フェイ?
(フェイ)材質は違えど、偽装程度のローブを作るのは朝飯前だが編み物は得意じゃないべ。
だからワトソンに手伝ってもらうべ。
(ワトソン)分かりましたわ。
(タロー)まさか徒歩とかじゃないよね?あの森を抜けて荒野も抜けていくのは、随分とかかると
思いますけども?マサルくん?
(マサル)もちろん、徒歩だ。そっちの方が怪しまれないからな。
(タロー)もう、トホトホ。ですよ~。
(マサル)全然、面白くないぞ。タロー、というか滑っているだろ。
(タロー)僕の新作ホヤホヤのギャグだったんだけどなぁ~。
(マサル)では、森を抜けた先にある荒野をも抜けた都市に向かうとする。
(タロー)待ってくれ、ここにある中型宇宙船ブラックバードを置いていく気かぁ?
これじゃ、僕が離れた瞬間にバレるぞ。
(マサル)そうだな、じゃあこうしよう。ワトソン、済まないがスキル収納を使って亜空間に
収納してくれ。
(ワトソン)はぁ~い、私の心の内に収まりなさい。出来ましたわ。
(マサル)しかし、超能力は便利だな。しかも、人によって千差万別の文言だからな。
(タロー)そうだろう?マサルく~ん?
(マサル)なんだよ?
(タロー)いや、なにもないぜぇ!
(マサル)まさか、俺にケンカを売っているのか?
(フェイ)二人ともケンカしている場合じゃないべ、さっさとここを離れるべ。
なんかこの森に嫌な予感がするべ...、何かがいる気がするべ。
(ワトソン)確かに嫌な気が漂っていますね、ここは。
(タロー)そう言われてみれば、そんな気がする。こんな、森から早く出ようぜ。みんな!
(マサル)そうだな、タローの言う通りだ。みんな、気を引き締めて森を抜けていくぞ!
(タロー、ワトソン、フェイ)お~!
(???)ジーッ(何かがこちらを見る様子)
何者かがこちらも見ている!?これはまさか仲間になりたそうな方か?