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この世界で真の仲間と出会えたからハッピーエンドを目指します!  作者: タカハシあん


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第70話 結界利用術

 持って帰ろうとしたけど、さすがに大きな狼だったから腿も大きかった。とても持って行けるものじゃないから食べることにしたわ。


「ルル。ちょっと手を貸して」


「にゃ?」


 手を? と自分の前足を見た。いや、比喩的表現だよ。


「結界でこの肉を包んで。下はちょっと空間を作ってね」


 水があれば血抜きが出来るんだけど、小川程度の水じゃ時間が掛かり過ぎる。ここは遠心力で血を抜くとしましょうか。


 木の枝に吊るしたモモ肉に結界を纏ってもらい、自動で回るように別の結界を纏わせてもらった。


 地面に円を描くように回してもらうと、血が空けた空間に溜まり出した。


「結構抜けてないものね」


 一回水で洗ったんだけどね。もうコップ一杯分の血が溜まったよ。


「……そんな血抜き法があったんだ……」


「あ、単なるわたしの思い付きです。本当に血が抜けるとは思いませんでした」


 ってことにしておきましょう。本当は重力結界とか作って欲しいけど、概念もない猫に教えるのが面倒だ。遠心力で血抜きを行いましょう。


 三十分くらい回すと、コップ四杯分は溜まった感じかな? まずはこんなもので焼いてみましょうかね。


 Yの字の枝を見つけて来て焚き火の端に刺し、モモ肉を木の串に刺して火に掛け、ウルカと塩を掛け、焼けてきたら油を塗ってさらに焼く。


 一時間くらい弱火で焼いていると、なかなかいい感じの匂いがしてきた。


「香草とか欲しくなるね」


 この世界にはどんな香草があるのかしら? あったらカレーとか作ってみたいわ。わたし、カレーって小さい頃に甘口のしか食べたことないのよね。味も微かにしか覚えてないわ。


「こんなものかな?」


 二時間くらいでいい焼け具合になった。


 表面を切って試食。どちらかと言えば鶏肉寄りかな? 悪くはないけど、そう好んで食べる肉じゃないわね。


「ティナ。切り分けてくれる? 中をもうちょと焼きたいから」


 サナリクスの面々も食べたいって顔をしている。狩ったのはそちらなんだから好きなだけ食べてください。


「なかなか美味いじゃないか!」


「狼の肉、結構臭かったのにね」


「やはり血抜きが大事なんだろうな」


 サナリクスの面々には好評のようだ。ルルもティナもモグモグ食べている。そんなに美味しいのかしら?


 わたしの舌も贅沢になったものよね。このくらいの味では満足できなくなっているんだからね。


 十五キロはあったモモ肉も六人+一匹の胃に消えてしまった。どんだけ食べるんだか。


「……もう動けない……」


 でしょうね。腹八分って言葉ないのかしら?


 もう狼もおらず、ルルが結界を張ってくれているので皆ダラケ切っている。


「お嬢ちゃんは何をしているんだ? 食べないのか?」


 奥の肉を剃り落として火で炙っていると、アルセクスさんが尋ねてきた。


「お酒のおつまみになるものを作っているんです。わたしはそんなに食べないので大丈夫なんです」


 普通にカツサンドを一つ食べたら充分だし、わたしは美味しいものを少しずつたくさん食べたい派なのです。


「酒のつまみか。さっさと仕事を終わらせて酒を飲みたいよ」


 どうやらアルセクスさんは飲兵衛さんのようだ。


「山葡萄のお酒って飲んだことあります?」


「ああ、よく飲むよ。その鞄はどのくらいの容量があるんだ?」


「いろいろ入れているのでどのくらいとは言えませんが、感覚で言うなら荷馬車二台から三台分ですかね? ただ、空間に余裕がないと奥に入れたものは出ないです。六割くらいで止めておくのが使いやすいですよ」


 必要なものを念じると上がってくる感じで、物が多いと出て来ない感じなのよね。次はそこも考えて付与しないとダメよね。


 剃り落とした肉を食べてみると、あまり味は感じない。味付けしないとダメな感じね。


 鞄から壺を出して剃り落とした肉を入れた。


「ルル。これに結界をお願い。空気が入らないくらいしっかりとね」


 あ、結界があれば真空にも出来るんじゃない? 今度試してみようっと。


「キャロルはおもしろいことを考えるんだな。どこで学ぶんだ、そういうの?」


「お城です。わたしたち、お嬢様のお友達係として働いてましたから。そこでいろんな人から教えてもらったり、本を読ませてもらいました。まあ、一季節だけだったので大した知識は学べませんでしたけどね」


 一年いられたら魔法のことも学べたのに残念だわ。


「キャロは元々頭がいい。ボクはまったく学べなかったし」


「ティナはお嬢様の運動係だったじゃない。わたしは勉強係よ」


 お嬢様も運動は必要で、走ったり縄跳びしたりに付き合うのはティナのほう。乗馬も少しやったみたいよ。


「お友達係って、貴族の子弟がやるものじゃないか?」


「お嬢様は賢い方だったので、見合う者がいなかったそうですよ」


「それでお嬢ちゃんか。凄く納得だな……」


 わたしは辛うじて前世の知識があり、漫画や小説、動画なんかを観ていたから付き合えただけ。何の知識や教養もなかったらローダルさんの目にも止まらなかったでしょうよ。


「やることは終わったので、わたしは先に休ませてもらいますね」


 この中でわたしがお荷物。明日のために体力回復しないとね。

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