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治療開始とお願いしてみた1

ありふれた人生を過ごすだけが・・・

副作用に、慣れるのか。

予想を超える副作用に、体が弱り始める。

服薬は、それほど難しいものではなかった。

一粒だけ口にいれる簡単な物だ。

夜の消灯の時間を過ぎると、異変が起きた。

急激に、気分が悪くなる。

吐き気に襲われ、ボタンを押して看護師さんを呼ぶ。

「どうしました?」「急に気分が悪くて・・・」「すぎ行きますから」と返事があった。

物凄い勢いで、吐き気が襲ってくる。そして、頭痛もしてきた。

先生から、言われた副作用だと思った。

やって来た看護師さんは、顔色の悪くなっている私を見て、他の症状は無いか確認してきた。

「頭も少し痛い、ハァハァハァと吐きそう」と伝えると、「ちょっと、待っててね。直ぐ持ってくるから。」と一旦でて行く。

『タッタッタッ ガラガラ』と戻ってきた看護師さんの手にガーグルベースン(寝てても嘔吐できる容器)があった。

少し起こしたベッドで横向きになると、胃の中が、吐き出されていく。背を撫で擦りながら、看護師さんが優しく声をかけてくれる。

「大丈夫。苦しいけど、出せるだけ吐き出した方がいいからね。」

別の看護師さんが、替えのガーグルベースンを持ってきた。

暫く経つと、落ち着いて来たので、涙と鼻水を拭き軽くうがいをしながら、「ありがとうございました。」と答えた。

「いいのよ、他に何かあったら教えてね。」と片付けて出ていく。


それからが長い夜になる。

ムカムカする胸に、ガーグルベースンに顔を近づけるが、何も出ない。

時間と共に、頭が痛くなる、そして眠れない中で朝が来た。


朝食前だというのに、ズキンズキンと頭が痛い。

もう吐き出すものも無いのに、ムカムカと吐き気も治まらない。


まだ、『我慢できる。』と朝食を三分の一程で、流し込み朝の薬を飲み込む。


食事の片付けで来た看護師さんは、申し送りで聞いていたのか、昨夜のことを確認して「今は、大丈夫?」と聞いてきた。

正直に、「無理そうです。でも、止める訳にはいけないから、暫くは様子を見させて下さい。」と伝えると「分かったわ。先生にも一応は伝えておくから、話したい時はボタンで呼んでね。」と戻っていく。


時間が立つに連れ、頭痛と吐き気は酷くなるだけだった。

ガーグルベースンではなく、トイレに行っては、胃液が少し吐き出していた。

お昼になる頃には、もうご飯を食べることは出来なかった。

看護師さんに「頭痛薬をください。」と言った。

看護師さんは「先生に、聞いてからになるから待っててね。」と言われた。

暫くすると、先生がやって来た。

「今の薬の副作用でしょう。量が多いなら半分にしてみようか?」と言われたが、「まだ、始めたばかりですから、せめて頭痛だけでも楽にしたい。」と答えた。

「でも、薬の量で解決するなら早く楽にした方が良い。半分なら、ここまで強い副作用も出ないと思うけど?」と再度、説明を受ける。

わたしは、先ほどと同じ「まだ、始めたばかりで慣れてないだけです。もう少し、様子を見させて下さい。」と答えた。

先生は、明日の状況を確認して判断しましょうと折れてくれた。


治まらない、副作用に、悶えながらベッドで丸くなる。

(諦めたくない)ただ、それだけの思いが、踏み留めてくれた。


いつも読んで頂きありがとうございます(*´∀`)


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