表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

ゲームの中

 光が晴れた。

周りにはレンガの建物と噴水そして地面は石畳、ここは


「文化保存センターで見た街並みだ!」


 ライクが住むコロニー27は、歴史的な街並みが保存されているコロニーだ。

そのため、学生の時には必ず見学に行っている。

だからライクはファンタジー作品の街並みではなく

こちらを思い出したのだ。


<チュートリアル>

・冒険者ギルドに行き登録しよう

・戦闘訓練を受けよう

・教会に行こう

・神父の話を受けよう

・生産者ギルドに行き登録しよう

・生産の仕方を習おう


報酬1000ゴールド


 急にチュートリアルが出てきた。


「チュートリアルか、助かるな。」


「それに1000ゴールドが貰えるのか。」


「まあタダで貰えるなら貰っておくかー」


「はいを選択っと」


この時、ライクはある違和感に気づかなかった。


 空中に矢印が出る。

矢印通りに進めば冒険者ギルドに辿り着けそうだ。


「それにしても、このゲームは初心者に優しいな。」


 ライクは歩いて数分経つ頃に冒険者ギルドに着いた。

建物の屋根には「ウッドベル冒険者ギルド」とデカデカと書かれていた。この街の名前はウッドベルというらしい。


「ここが冒険者ギルドか、やはり酒場併設型のギルドかな?それともこぢんまりしたギルドか、どちらにせよ楽しみなのには違いない。ということで、突撃〜!」


  バン、と音を立てて扉が開いた。

ギルドの中は酒場はないが、奥行きのある建物だった。

階段もあり、どうやらこのギルドは相当大きなギルドだろう。ライクが冒険者ギルドの中を見ていると登録所が目に入った。登録所のカウンターは1台しかなくライクは


(これじゃプレイヤーの行列ができるんじゃないか?)


 そう思い、そこで違和感に気付いた。そう、


「冒険者ギルドに来るまでに、他のプレイヤーを見かけていない!?」


 ライクの心の中で様々なことを考えた。


(まさか自分はゲームの中に閉じ込められたのか?

それとも、このゲームに不備があったのか?)


 だが、こんなことを考えても仕方がないと思い、

登録所に向かった。そこには受付の人がいて聞いてきた。


「冒険者ギルドに登録でしょうか?」


「はい。そうです」


「では、この魔道具の上に手をおいてください。」


言われるがまま、魔道具の上に手をおいた。


「これで登録は完了です。

では、冒険者ギルドの説明をさせていただきます。

まず冒険者のランクはG〜Sまであります。

ライク様は当然Gランクです。ランクの上げ方は

依頼の達成数か特殊な依頼をクリアすることによって上がります。依頼の受付は依頼ボードにて受けられます。

依頼を達成したら、依頼カウンターにて達成を報告してください。その他にも買取カウンターなどがあります。

これで冒険者ギルドの説明は終わりです。」


<冒険者ギルドに行き登録しよう達成!>


 急に達成と出てきた。


「次は訓練場に行ってください。この奥が訓練場です。」


「では、頑張ってください。」


 まだ説明が続くと思ったが、あっさり終わった。


「よし!説明が思ったより早く終わったな。次で2つ目、チュートリアルなんてすぐ終わらせて冒険に出てやる!」


 ライクは扉を開けた。建物の外、どうやら裏庭が訓練場のようだ。


 厳ついオッサンに話しかけられた。


「お前さんか、戦闘訓練を受けに来たのは。

俺の名前はザイルよろしくな!」


「はい、よろしくお願いします。」


「では訓練を始めていくが軽く訓練するか、ガチの訓練

をするかどちらがいい?」


(この選択肢、軽く訓練したら時間がかからずに済むが

訓練の成果はそこまでではなくなる。

ガチの訓練は、時間がかかるが訓練の成果がよく出るのだろう。だったら選択肢は1つ、)


「ガチの訓練、いや本気の訓練をお願いしますっ!」


( 俺は暇人、時間はいくらでもある。この訓練で他のプレイヤーと差をつけてやる!)


「ガハハハハっ、この俺に本気で訓練してくれなんて言う奴始めてだ!わかった本気の訓練をしよう。」


「お願いします!」


「では最初に魔法使いにとって大事なことをする。こっちに来い。」


「はい!」


(でもなぜ近づかないといけないんだ?異世界物によくある魔力を感じるという奴か?)


「じゃあするぞ!」


 そこにはザイルが拳を握り締め溜めるようにしていた。


「ちょまっ..........」


 バン、と音が鳴る。


「ん?気絶しちまったか。」


「まあほっといたら起きるだろ。」


..............

........

..



「ん....俺は?......そうだ!気絶したんだ!」


<気絶耐性のスキルがアンロックされました>

 

「始めてのスキルアンロックが気絶耐性だなんて嫌すぎる。」


 そう言った時横から声が聞こえた。


「おう、起きたか!」


「ザイルさん、なぜ殴ったんですか!」


「本気の訓練だろう、魔力を纏ってお前を殴ったことで

魔力が感じやすくなったろ。」


「確かに体の中に何かあります。これが魔力ですか?」


「ああ、それが魔力だ。どの生物にも魔力があってそれを通す魔力回路がある。俺がしたのは、拳に魔力を纏ってお前の魔力回路に魔力を流したんだ。」


「でも、殴ることはないでしょう!」


「そう怒るな、今からお前に魔力を流す。」


 そう言われ手を握られた。


<魔力効率アップのスキルがアンロックされました>


「分かったか、俺はお前の容量を超えた魔力を流した。

だからスキルがアンロックされたんだ。」


「このスキルは魔法を発動させるまでの時間が短くなる。消費MPが少ない魔法では意味がないが、いつか役に立つ。だからレベルアップしたらすぐに取れ。わかったか?」


「はい、ありがとうございます。」


(まあ殴ってきたのは許さないが。)


「強くなったらぜったい殴る!」


「なんか言ったか?まあいいか、では次の訓練だ。

この杖を持ってとにかく魔法を撃て。そしたらスキルレベルが上がるはずだ。では始め!」


 そう言われ、ライクは自分が使える魔法を確認する。

ライクが使える魔法は、水魔法の[ウォーターボール]と風魔法の[ウインドボール]だ。どちらも消費MPは5、ライクのMPは120なので合計24発撃てる。


「おい、何考えてんだ早くやれ!」


「はい![ウォーターボール][ウインドボール][ウォーターボール][ウインドボール]......................MP無くなりました!」


(思ったより簡単に終わったぞ、これで次に行けるっ!)


「どこにいくんだ?MPポーションはまだまだあるからガンガン行くぞ!」


 (まだやらないといけないのかよ。)


 ライクは早く終わらせるためにMPポーションを飲んだ。


「オエッ、苦すぎ!」


 苦い味が口の中に広がる。


「ザイルさん、苦くないのないですか!?」


「ない!」


「ほれ飲め!」


「無理やり突っ込むのはやめ......」


 ザイルに無理やりMPポーションを口に突っ込まれる。MPは回復した。だが、口の中は苦みでいっぱいになった。


「また魔法を撃て!」


(自分が飲まないからって気楽にいいやがって。あのクソ教官め!)


 同じことを繰り返すこと30分、魔法のレベルが上がった。


<水魔法がレベルアップ!Lv.1→2>


<風魔法がレベルアップ!Lv.1→2>


「よし!これでレベルアップしたな、訓練は終了だ!

これを持っていけ!」


 そう言って杖とナイフを渡された。




 初心者の杖

・初心者魔法使いが使う杖。

[増加ステータス]

・MP+5

・INT+2




 解体用ナイフ

・倒した敵に刺すことで、素材を得ることができる。




「これ貰っていいんですか?」


「ああ、戦闘訓練を終えた奴にはギルドから初心者用

武器と解説用ナイフを渡しているからな。」


「じゃあ貰いますね。」


「おう、では次に行っていいぞ。」


「ありがとうございました。」


 扉を開け、ギルドを出た。


<戦闘訓練を受けよう達成!>


「やったぜ!これであのクソ教官とはおさらばだ!早く次の所に行くぞ!」


 次の行き先は教会、矢印は噴水の方向に向かっている。どうやら噴水の近くにあるようだ。


「これなら先に教会に行っていた方が良かったんじゃなか?」


 そう言いながら歩いていると、教会に着いたようだ。


「これが教会、思ったより大きいな。まあ入るか。」


<教会に行こう達成!>


 扉を開け、中に入ると白い服の人に話しかけられた。


「ようこそお越しくださいました。」


「貴方は?」


「私はこの教会で神父をしているカチャルと申します。」


「貴方はここに来るまで、何か違和感がなかったですか?」


「!? そう言えば他のプレイヤーがいないように感じました。」


(あのクソ教官のせいで完全に忘れてた。)


「そうです。他のプレイヤーの皆様は創造神様の加護によって見えないようになっています。」


「何故そんなことを?」


「理由は、まだプレイヤーの皆様はこの世界に来たばかりなので、他の者に惑わされないようにという配慮だったのですが、不安にさせてしまっているということで、

神のお告げで私達はプレイヤーの皆様に、他のプレイヤーの皆様が見えないようになっているとお伝えしているのです。」


「そういうことですか。ならチュートリアルが終われば他のプレイヤーが見えるようになるんですね。」


「はい、その通りです。」


「では、お伝えしたので簡単にこの世界の説明をさせていただきます。まずは神についてです。この世界で一番位が高いのは創造神様です。創造神様はこの世界を創り他の神々も生み出しました。その次は元素神、平等神、魔法神、戦神、生命神様です。元素神様は4大元素を纏めた神で、その配下に炎の守護天使、水の守護天使、風の守護天使、土の守護天使様がいます。平等神様はその名の通り誰にでも平等に祝福してくれます。魔法神様は魔法の神であり魔法使いに良く信仰されています。戦神様は戦いを好み『強き者は強き者と戦いさらに強くなれ』が戦神様を信仰する者達のモットーです。生命神様は生命を司り治癒魔法は、生命神様が授けて下さいました。これで神々の説明は終わりです。」


「ありがとうございました。」


「次はこの国についてです。この国の名前はランドルア王国と言います。そしてこの街はウッドベルと言う名前です。他の街もありますが、それは自分で調べて下さい。

決して説明が面倒だった訳ではないですよ。」


(この神父、絶対面倒くさかったからだろ。)


「説明ありがとうございます。これで終わりですか?」


「はい、終わりです。もう行ってよろしいですよ。」


「では。」


 ライクは教会を出る。


<神父の話を受けよう達成!>


「よしっ!これであと2つ、すぐに終わらせてやるぞ!」


 また矢印が出ている。


「もう歩かねえ、走ってすぐについてやる!」


 ライクは全力で走った。

.........

......

...


「よし!着いた!」


<走り効率アップのスキルがアンロックされました>


「ラッキー、意図せずスキルがアンロックできた。」


「じゃ、入るか。」


 ライクは中に入って、登録をしに行った。


「生産者ギルドに登録ですか?」


「はい。」


「では、この魔道具の上に手をおいてください。」


 ライクは手をおいた。


<生産者ギルドに行き登録しよう達成!>


「これで登録は完了です。では生産者ギルドの説明をさせていただきます。生産者ギルドは生産者が作った物を売る、いわば仲介人です。では奥の扉に行ってください。」


「説明はこれで終わりですか?」


「はい。」


(思ったより早く終わったな。だが、またあのクソ教官

みたいな奴がいるんじゃないか?いや生産の仕方を教えてもらうだけだ。そんな怖がることはないだろう。)


「よし、入るか。」

...........

.......

...


<生産の仕方を習おう達成!>


「お婆さんめちゃくちゃ優しかったな。MPがなくなった時、ハチミツを混ぜたMPポーションを飲ませてくれて、さらに本を貰ったしな。」


 初心者用魔道具解説書

・基本の魔道具の仕組みが書かれた本


「ここまで優しくしてくれるなんて、あのクソ教官とは大違いだ。」


<チュートリアル達成!>

[達成報酬1000ゴールド獲得]


「やっと終わったぁ〜。もう疲れた、宿屋に行ってログアウトしよう。」


 ライクは100ゴールド払ってログアウトした。



__________________________

NEW!

アンロック

・気絶耐性のスキルアンロック

・走り効率アップのスキルアンロック

・魔力効率アップのスキルアンロック

Lv.UP

・風魔法Lv.1→2

・水魔法Lv.1→2

__________________________

ステータス


ライク


種族 ヒューマン


職業 魔法使いLV.1

サブ 魔道具師LV.1


HP80

MP120+(5) NEW!

STR8

VIT8+(2)

INT21+(2) NEW!

MND12

DEX10

AGI8

LUK10


スキル


[魔法系]

・水魔法Lv.2 NEW!

・風魔法Lv.2 NEW!

[生産系]

・魔道具作成Lv.1

[補助系]

消費MP軽減Lv.1


アンロック済みスキル


・気絶耐性 NEW!

・走り効率アップ NEW!

・魔力効率アップ NEW!

__________________________

装備品

・初心者の杖 NEW!

・旅人の服

・旅人のズボン

・旅人の靴


所持金900ゴールド

 プレイヤーが出現する街はランダムで決まっており、

ライクはウッドベルに出現しました。なので他のプレイヤーに会うことは中々ありません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ