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コノハの短編集

あと一歩の選択

作者: コノハ
掲載日:2009/10/14

 簡単だ。

 一歩、前に踏み出せばいい。

 それだけだ。

 一歩踏み出せば、全てが終わる。

 つらい世界も、嫌な自分も、怯えも、恐れも。

 この高い空に向かって飛び出そう。

 飛ぶための羽はないけど。

 羽ばたくための翼もないけど。

 それでもきっと、僕は飛べる。

 別れは済ませた。

 彼女は泣いていたけれど、それでもいい。

 飛んで、終わって、幸せになれる。

 そう、あと一歩。

 あと、一歩なんだ――――















 難しい。あと一歩が踏み出せない。

 あと一歩で全て変わるのに。

 あと一歩勇気を出せば、幸せになれるのに。

 それなのに、なんで、なんで踏み出せないの?

 この気持ちに嘘はない。

 想いを伝える準備もした。

 呼び出しの場所に彼は来た。

 それなのに、なんで私はあと一歩、彼の前に姿を見せれない?

 弱いから?

 臆病だから?

 ……勇気を振り絞ろう。

 失敗すれば泣けばいい。成功すれば泣けばいい。

 そう、何事もまず、一歩から。

 そう、たった一歩――――















 ――――一歩、踏み出した。

 達成感。

 僕は踏み出せた。何もない世界からこれで逃げれる。

 なにも考えなくてすむ。

 浮遊感。

 僕は今空を飛んでいる。

 羽ばたくことはできないけれど、浮き上がることはないけれど。

 この世界の誰よりも、僕は自由だ。

 かすかな恐怖。

 彼女は悲しむだろうか。怒るだろうか。

 何も感じてくれないのだろうか。

 でも。もういいや。

 もう、何も考えなくてすむ。

 それで、いいんだ。

 もう、怖がる必要はない。

 もう、怯える必要はない。

 僕は、自由だ。

 僕は、幸せになれる。

 幸せだ。

 幸せなはずなんだ。

 飛んだんだから。

 あと少し。あと少しで世界が。

 そう、あと  少しで    せ かい  

 が   お    わ



 








 る














 ――――一歩、踏み出した。

 彼は驚いていた。

 構わず、想いを告げる。

 怖くはなかった。怯えもなかった。あるのはただ、自由な、ありのままの私。

 ありのままの私を晒す。

 ありのままを好きになってもらおう。

 だめならありのままを嫌いになってもらおう。

 ありのままを、判断してもらう。

 今、私はきっと誰よりも行動的だろう。

 何よりも自由だろう。

 そして、誰よりも幸せだろう。

 なぜなら私たちは、同じ想いを共有していたのだから。

 いつかまた、同じようなことで悩むだろう。迷うだろう。

 そして、また一歩のところで踏みとどまるのだろう。

 そして、決断するのだろう。

 でも、きっとそれが私なんだ。

 それが人生なんだ。

 きっとそれが――――















 ―――――人間、なんだ。

 


 こんにちは、駄文散文読んでいただき誠にありがとうございます、作者です。

 この詩の解釈は人それぞれで、読んでいただいた人の数だけ、この詩の『意味』はあります。どれが正しくて、どれが間違っているというのはありません。

 絶対的な正しさなんて存在しませんし、同じく絶対的な間違いも存在しないのです。

 選択の場面、意味は違えど一歩は一歩。

 いったいどちらの方が良かったのか。それは読者の皆様の解釈次第、ということになります。

 読んでくださりありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白かったよ 特に、なんてものは無い 全体でうまく表現できてたと思う 正しい答えは、キミの中にあるよ それを伝えるのが 詩
[良い点] あと一歩を出すかどうか、っていうのは人間の究極的な迷いの場ですよね。僕もそんな場面に何度も立ち合いましたよ(笑)とてもよく考えていて素晴らしいですね。良い詩書きますね。 [気になる点] な…
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