4 元剣神の末路(剣神ガイア)
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明日も同じペースで投稿予定となっております。
4 元剣神の末路(元剣神ガイア)
剣神の名を陽炎に譲ったガイアは意気揚々と世界の中心である氷の居城に帰国した。
ここは聖なる地である。選ばれた存在でしか、居住は許されておらず、
また全ての民が、氷巫女に仕えている。ガイアもまた、その一人である。
ガイアは陽炎に剣神の座を明け渡したことに対する後悔など微塵も無かった。
自分より、陽炎の方がその資格がある。自分は後進の指導に当たり、平穏に隠遁生活に入るつもりだ。
ガイアは揚々と、氷の居城の超越者の間で、事の仔細を主である氷巫女に伝えた。
仰々しく平伏しながら、ガイアは報告する。氷巫女は相変わらず無表情であったが、
陽炎が剣神の座に就いたことを知ると、珍しく顔を綻ばせていた。
こんな楽しそうにする氷巫女は始めて見た。ガイアは事細かに事情を説明した。
「流石は陽炎様ですね。やはり、あの御方は偉大だった。私の見立て通りですね。
ガイア、報告感謝します。貴方のお蔭ですよ。でも……少々不快なことがあります」
氷巫女は喜々とした表情を変え、一転して不快な虫けらを見る目で、ガイアを見下した。
ガイアは突然の主の豹変ぶりに脱帽する。一体、氷巫女は何が気に入らないのだろう。
剣神であった頃のガイアには絶対に見せたことが無い顔であった。
「氷巫女様……何か、御不快なことでも?」
「愚鈍ですね。剣神の座を失った虫けらが、私の視界にいる事が不快なのです。
貴方はもう用済み……この氷の居城に存在する価値はない」
思わず我が目、そして耳を疑った。長年仕えた主のその言葉にガイアは衝撃を受けた。
あの聖女の如く高潔な氷巫女の言葉とは思えずに暫し呆然としていた。
そして静かな怒りが湧いてくるのを肌で感じた。自分は氷巫女に長年仕えてきた。
幾年にも及ぶ人生の全てを氷巫女に捧げてきたのだ。それなのにこの仕打ち……。
怒りに震えるガイアはすぐさま剣を抜き、神速の太刀を氷巫女に叩き込む。虚を突かれた一撃。
氷巫女の身体が縦に裂けかかる。しかし、氷巫女は全く微動しない。
氷巫女の身体は瞬時に再生を始め、元通りの美しい状態に完璧に再生を果たす。
圧倒的な修復機能に元剣神の最高の技ですら通じない有様だった。
「あらあら……私の肉体が、永久不滅の液体金属で出来ている事をお忘れですか?
高熱のエネルギーしか私に通じないのです。間抜けですね。一つ教えて差し上げます。
劣化した玩具は捨てられると言う事を教えましょう。さようなら……元剣神さん」
氷巫女がそう言いながら、右手をかざすと、淡い光と共にガイアはその存在を抹消された。
跡形もなくガイアは露と消える。剣神としてその名を轟かせていた者としては呆気ない最期であった。
剣神は氷巫女にとって捨て駒でした。