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3 剣神ガイア

 3 剣神ガイア



 あの惨劇から幾許かの月日が流れた。母と妹の葬儀は厳かに執り行われた。

 陽炎と父である陽光ようこうは二人して涙した。普段、厳格な父が、この時ばかりは感情を露わにしていた。

 陽炎とて、痛ましい惨劇に涙したが、それと同時に氷巫女の存在について調べた。

 書物を読み漁り、人づてに聞いた話しによると氷巫女はこのコールドアースの中心にて、

 祀られている神を超えし超越者らしい。誰もが、氷巫女を崇拝し、崇めていると言う。

 そんな存在に主人公は好意を持たれている。微かの優越感が心の内に芽生えるのを感じる。

 また氷巫女に会いたい……そんな欲求が、湧いて出るのを実感した。

 そんな折、屋敷にガイアと名乗る騎士が、訪ねてきた。何でも氷巫女の側近らしい。


「ガイアです」


 ガイアは多少神経質そうな男であったが、身なりは立派だ。

 白銀の甲冑に身を包み、マントを羽織っており、長剣を腰に差している。

 やはり、氷巫女の使いの者だったようだ。ガイアを屋敷の広間に案内する。


「貴方が、氷巫女が言っていた剣士ですか? 陽炎と申します」


「剣神ガイア様……!」


 陽炎は会釈をして、父と一緒に出迎える。驚いたことに父の陽光は跪いて礼をした。

 そして事もあろうに上座をガイアに譲るというのだ。あの尊大な父がここまで遜るのは初めて見た。

 父に倣って慌てて、頭を下げようとしたが、氷巫女と対等な関係でいたいと言う思いが、

 それを躊躇させる。陽光は目線で、早く頭を下げろと言う意思が伝わっている。

 だが、陽炎としての矜持がそれを許さない。誰であろうと対等な関係を築きたいのだ。


「ガイアと申します。貴方様が、氷巫女様が言っておられた陽炎様ですね?」


 ガイアは陽炎の無礼にも気にも留めず、逆にその場で平伏する。

 それを横目で見ていた父が唖然呆然としていた。陽炎は気分が良かった。

 自分は氷巫女と対等な立場なのを存外に示す事が出来たことが。

 その時だった。彼の纏わす空気が変化する。その機微を陽炎は鋭敏に感じ取る。

 ガイアの冴えわたる剣戟が容赦のなく陽炎に迫りくる。陽炎は無表情を崩さない。

 固唾を飲んで見守る周囲の者さえも圧倒させる恐るべき剣の冴え。

 しかし、陽炎はガイアの動きが眼で追えていた。陽炎の剣戟とガイアの剣戟の応酬。

 両者の鍔迫り合いが、広間で繰り広げられていた。陽炎は一旦、一歩引いてからの鋭い踏み込み。

 陽炎が書物を通じて学んだ、『神速の太刀』である。神の如き凄まじい速さの剣戟がガイアに迫る。

 しかし、ガイアも意に返さない。陽炎は知っていた。この男が伝説の剣豪であることが。


「剣神の剣戟『倍返しの太刀』!」


 陽炎の神速の太刀の威力を見事にガイアは受け止め、カウンターの如き太刀を陽炎に浴びせる。

 寸での所で、陽炎は一撃を回避。両者は一進一退の攻防を続ける。

『剣神ガイア』を相手に陽炎は見事に相手取っていた。両者の攻防は三分間にも及ぶ。


「ここまでにしましょう……やはり、貴方様は凄い御仁だ。

 齢十二の人間如き……いや、その若さで。私が一週間稽古を付ければ世界最強に成るでしょう。

 見た所、実戦は初めての御様子。しかし、生き急いでいるようにも見受けられる。

 何故、力を求める? その若さで何が目的です?」


 ガイアは剣を鞘に収めて、執拗に陽炎に問い詰めてくる。少々面倒だった。


「氷巫女……彼女と対等に成りたい。あの少女と肩を並べる存在であるために」


 陽炎は思いの丈を口にした。それは本心からの言葉だった。

 あの全てを見透かす全能なる少女……彼女と対等に肩を並べるようになりたいのだ。


「あの強大な我が主と対等に成りたい等……。

 これは逸材ですね。良いでしょう。強くなりなさい」


 こうして、陽炎は一週間にも及ぶ過酷な修業により、最強への第一歩を踏み出すのだった。

 そして一週間後……陽炎はいとも容易く剣神ガイアを超えた。剣神の名を継いだのだ。

遂に陽炎は最強の道へと踏み出します。

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