第六話 女の執念って怖いよね
学校の授業が終わり、重い足取りで部活の為校庭へ向かう生徒や、軽やかなステップで帰宅する生徒がみられる時間帯になっていた。
「じゃ、じゃあ今日は何のゲームを......」
「そんなことより先輩、授業中に考えてきたきつ......質問をまとめてきたので目通してもらえますか?」
小波 唯はそう言って背負っていたスクールバックから、夏休の宿題に出される様なプリントの山をボンッと笑顔で置いた。悪魔的だ......
「いやちょっと!? なにこの量ってか詰問って言いかけてるよね!?そもそもちゃんと授業受けて!? 」
理不尽な労働を課せられた琢磨に対してさらに追撃が襲い掛かる
「ちょっとうるさいよ鈴木君、探し物してるから静かにしてて」
「その探し物って今日言ってたやつだよね!? いつもの優しい先輩を返して!? 」
岡野 華の方はというと、今朝言っていた彼女の写真というのをSNSでマジになって探していた。
「二人共、本当に誤解だから、ただネット上で仲良かった人と会っただけだよ......二日間」
「初対面の人と二人きりで、しかも二日間連続で普通会いますか!? ぞっこんですよね!? 」
「鈴木君、私とはプライベートで会ってくれない癖に......」
「俺墓穴掘っちゃったかなぁ!? 」
となぜ二人が怒っているかわからない琢磨は、今度の土曜にプライベートで買い物に付き合う約束をしてなんとかその場を治めた。