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第一話 事の始まり

「こちらご注文のポテトです」


春の訪れを知らせる様に桜が開きだした春、鈴木 琢磨たくまはとある男の子と会う約束をしていた為、東京郊外のファミレスに来ていた。

そのとある男の子とは琢磨がまだ高校一年生の頃、当時SNSで流行っていた『Tmitter』で知り合った。

Tmitterには『ハッシュタグ』という同じ趣味の者や、同年代の人などと簡単に知り合える便利な機能があり、その男の子と琢磨は『#高校生同士集まれ〜』というハッシュタグで出会った。

ネット上の住民はハンドルネームを使う傾向があり、琢磨は『酢イカ』ネット上の男の子は『カイト』と現実とは異なる名前を使っていた。

カイトとは同い年でとても気が合い、この1年間毎日欠かさず彼女の様に連絡を取っていて、親友と呼んでも良いぐらいの仲になっていた。

つい先週カイトと住んでいる場所が近場だということが発覚し、初めて直接会うことになった。


「いくら仲がいいとは言えやっぱ緊張すんなぁ」


そんなことを呟きながら待ち合わせの10分前に来た琢磨は、さっき頼んだポテト(大盛り)を口にして、ガラス張りの壁越しに外を見ていた。

しばらくすると茶髪のポニーテールで白いワンピースの上に薄茶色のカーディガンを羽織ってる顔立ちの整っている女性が店に入ってきた。


「あー可愛い、あんな美少女彼女に欲しいなぁ」


と彼女がいた事の無い琢磨は叶うはずもない独り言を呟きながら、見つめている事が悟られない様に彼女を目だけで追った。

その美少女は誰かを探している様子で、店内をキョロキョロとしばらくしていたが、

琢磨の方を向いて「あっ」と呟くと琢磨の座っている席に駆け寄っていった。


「そうそうこうやって美少女が実は知り合いでなぜか最初から好感度高くて…」


と妄想に浸っている琢磨を


「あの…酢イカさんであってますか?」


と呼ぶ声が現実に引き戻した。


「ん?ああそうですけど…ってはああぁぁぁぁ!??」


あろうことか俺を()()()()()()()で呼んだ人物はさっきの美少女だった


「こんにちは!いつも仲良くしてもらってる()()()です!」


琢磨の口に運ばれるはずだった揚げたてのポテトは、いつの間にか床へ落ちていた。





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