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転生しても受難の日々  作者: 流星明
邪神と聖女との出会い
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第59話 何故か、箱の中にいる!

お待たせしました。

「あれえ、ここはどこだ? 確か、聖女に呼び出されたよな。それで、部屋に入ったら眠気が襲ってきて‥‥」


目を開けたら、目の前が真っ暗だったでござるの巻。いや、冗談はさておき。暗いし、狭いしで身動き取れないんだが? しかも、手首を縄で縛る徹底振り。これって、拉致監禁じゃね? よし、こうなったら通信魔法でアヤメに連絡だ。


『ああ、テス、テス。アヤメ聞こえるか?』


『ご主人様! 今、どちらにいらっしゃいます? マヤ様始め、皆様が鬼気迫る表情で探してますよ!』


よし、何とか繋がったか。うぅ、まずいな。聖国関係者にさらわれたのは分かるが、誰なのか分からん。下手をしたら聖騎士達が皆殺しにされそう。


『すまん、分からないんだ。聖女に呼ばれて部屋に行ったのは覚えているんだ。少し話がしたいと言われてな』


『それでしたら、せめて私を連れて行って下さい。心配したんですよ!? 発狂したリーザ姫のような目にあうんじゃないかと‥‥』


あのあと、リーザ姫はあまりの惨状に狂ってしまった。髪を振り乱し、暴れて意味不明な事を叫ぶ。なんとか鎮静魔法で眠らせていたが、あれはもう治らないだろうなあ。


色々ありすぎて疲れた俺達は王都の外で野営。マヤやライオネル卿やウィルゲム卿、師匠なんかは晩餐会を兼ねた交渉を神国側と行う。俺は気分不良で欠席したんだが、テントに帰る際に聖女お付きのシスターに捕まってしまった。最初は断ったが、涙目になったシスターを見て観念して付いていく事に。俺もまだまだ甘いよな。


『俺の失態だ、申し訳ない。場所は分からないな、箱か何かに入れられているんだ。揺れているから馬車か類する乗り物に乗せられていると思う』


『分かりました、聖国側の関係者に当たってみます。危険な事があったら、真っ先に連絡を‥‥』


アヤメとの通信が切れ、箱の蓋がいきなり開けられた。光がまぶしいが、開けた人物の顔は見える。まさかの聖女様だった。いったい何が目的なのか分からない。


「へえ、通信魔法を使えるなんて驚きだ。まっ、妨害させてもらったけどな。よう、元気か小魔王」


「聖女様、いったい何でこのような暴挙を! いや、その前に小魔王って何!?」


「ああ、ユウキ=ファルディスに付けられた異名だ。人でありながら、敵対者を容赦せず殺す。御しがたい女性を束ねる度量に、アヤメ=ルビナスを臣下に加えた恐るべき手腕。魔王と呼ぶには幼いから、小魔王と呼んでいるようだがな」


なんか、いつの間にやら三國志の孫策みたいな異名で呼ばれてる。待ってくれ、孫策も覇王と呼ばれた項羽も早死にしてるから!! なんか別の異名をプリーズ!


「今回、君を連れてきたのは直接話をしたいと思ったからさ。単刀直入に聞くが、今回のナルム王国滅亡。君にはどう見えた?」


俺を箱から出した聖女は、再び椅子に座る。うん? 馬車じゃないな。窓の外には川が流れている。この大きさを見るに、ナルム王国を東西に分断して流れているナウル大河だな。逃げるのは妨害魔法があるから難しい。ならば、聖女の心底を推し量るか。


「いきなり、それですか? 今回の1件、ナルム王国に全面的な非がありましょう。しかしながら、聖女様のやりようはやり過ぎと私は思いました。幼い子供まで死に至らしめる事は無かったのではないでしょうか?」


「はっ、小魔王も優しいな。まあ、端から見れば僕の癇癪でナルム王国が滅んだようなものだ。その見方が普通だよな。しかし、実情は異なる」


そう言って、聖女は俺に手紙を投げ渡してきた。あの性格で僕っ娘ですか!? おじさん、あまりの驚きにかなり混乱気味よ。‥‥こほん、落ち着こう。手紙を見ると更に驚く羽目になった。まさか、ナルム王国国王とボルガさんが繋がっていたなんて。


「これは本当の事でしょうか? 何者かによる捏造の可能性もありますが」


「堅苦しい言葉は無しにしようや、小魔王。約束自体は間違いはない。うちの異端審問官が宮廷司祭を審問してゲロらせた。それによれば、奴等は結託しバージニル帝国を共同で攻める予定だったようだぞ?」


‥‥異端審問って、拷問が怖くてエグい印象しかないんだが。まあ、可能性が無かった訳じゃない。ナルム王国とバージニル帝国は、ここ10年の間に3度の戦争を行った。ナルム王国南西部は、エアリアル公爵家の奮闘で領土を奪われなかったが、南東部は完全に帝国が優勢を維持。


2つの公爵家と1つの侯爵家が、度重なる戦争で歴史から姿を消えてしまった程の完勝だったからな。劣勢となったナルム王国が魔族に魂を売っても仕方ないのだろう。


「だが、正義の女神から神託があってな。『どうやら、ボルガは一方的に破棄したようです。理由は、邪神オードル更迭の要因となったユウキ=ファルディスに利用価値を見いだしたから。貴女はユウキ=ファルディスと速やかに接触なさい』と言われた。詳しい話を聞きたいなあ、僕」


そんな期待に満ちた目で見ないでくれ! しかし、正義の女神ラーナか。これで4人目の神様接触だぞ。神帝様以外、キャラが濃いい連中だがラーナ様はどうなんだろう。まあ、まずは事の顛末を話すか。


「ちっ、神様のチクりには困ったものだ。ああ、そうだよ。人が気持ちよく寝てるのに、夢の中で勧誘してきたからな。腹が立って、ボコボコにしたよ」


「傑作だな、そりゃあ! 女神の話じゃあ、気持ちの良い位の惨敗を期したらしいじゃないか、邪神とやらは。まあ、新しく邪神になったボルガの方は要警戒だって言ってたから注意はするがな」


あれも見られていたか。邪神オードル、防諜体制がザルすぎなかったか? それは置くとして、ラーナ神とやらは利用価値とか言ってたが、俺に何をさせる気だ。『聖国に味方しろ』とか言って来そうだ。


「それで、聖女‥‥」


「スィーリアと呼んでくれ。小魔王の疑問は分かる。何で君を僕がさらったかだよな? 答えは簡単だ、僕と結婚して欲しい」


‥‥今なんて言った、こやつ。俺と結婚、結婚だと! わずか10歳で人生の墓場に直行ですか。はっはっはっ!!


「って、アホかあ!! うちの超怖すぎる面子と戦争をご所望? 下手したら聖都が火の海になりかねんよ!?」


騎士2人、魔法使い2人、剣士1人とガチで対決なんて、いくら聖女たるスィーリアでも勝てそうじゃないが。ランクSが1人とそれに近いのが2人にAが2人だからなあ。しかし、俺はまた誘拐されてるな。なにこれ、俺ってまさかの〇ーチ姫ポジション!?


「ふん、なめてもらっちゃあ困るぜ。僕だって、勝算の無い戦いはしない主義さ。神眼スキルで見てみな」


お望み通り神眼スキルで見てやるよ。どれどれ‥‥おい、なんつうスキル持ってんの!?


『聖女の衣 あらゆる攻撃を消滅させる壁を体全体に常時発動する。神様コメント 卑怯過ぎるチートスキルだねえ。解除するにはひ〇りの玉が必要?』


「どこの大魔王〇ーマだ!! ねえ、こいつどうやって倒しゃ良いんだよ?」


「倒す必要なくね? 僕達は結婚するんだから。さあ、結婚式を聖都であげようぜ。早くしないと確実に邪魔入るしな」


ヤバい、ヤバいぞ。妨害魔法で連絡取れないし、テレポートも使えん。かと言って、攻撃をしても無効化だしな。このまま結婚なんてしたら、確実に殺されちまう。なにか、なにか脱出手段考えないと!













次回、探索する宵闇の騎士と師匠。

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