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転生しても受難の日々  作者: 流星明
邪神と聖女との出会い
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第53話 邪神敗北!

お待たせしました。

「目覚めよ、ユウキ=ファルディス目覚めよ!」


‥‥なんか、変なおっさんの声がする。俺は眠いんだよ。明日も早いし、寝かせてくれよ。まあ、マヤ達なら即起床だがな。ほっといたら何をされるか分からないし。


「今こそ、貴様を我の僕とする好機。さあ、目覚めるのだ」


「‥‥訪問販売と宗教勧誘、間に合ってますんで」


アパートいる時、良く新聞や宗教の勧誘とか来てたよなあ。断れなくて困ってた時は、ユイが割って入ってくれて助かった。後で、『とりつく島も無い位に断れ』って説教されたのも良い思い出だ。


「‥‥我が眷属たるアヤメを懐に加えたのだ。ならば、我が干渉しても構うまい。邪魔をするアルゼナも部屋に謹慎させられているからな。さあ、目覚めるのだ、ユウキよ!!」


アヤメが何だって? ‥‥あっ、駄目だ。眠いから、なんも考えられない。お‥‥やす‥‥み。


「ちょっとおお!! 邪神が夢に降臨したのに、緊張感無さすぎぃ! 頼むから人の話を聞いてくれ。いや、聞けええ!」


目をこすり、俺は起き上がると大声をあげる元凶を見る。暗闇の中に、角生やした気持ち悪い色の肌してる魔族のおっさんか。あれだ、ドラ〇エのラスボス系統の奴だな。画面ごしならまだしも、実際見ると気持ちの良いものじゃないね。


「勝手に夢の中に乱入しないで下さい。そういうのは駄女神で間に合ってますんで。どうぞ、お帰り下さい。ええと、インベントリに塩あったかな?」


「アルゼナと一緒にするな! 貴様のせいで、我の配下となるべき娘達がならなかったのだ。マヤにアイラ、ユイ、ミズキにリーザ。我の剣となり、妻にしようと考えていた娘達を横取りした貴様の罪は重い。よって‥‥」


あっ、思い出したわ。忌まわしい暗黒教団の親玉様だ。そうと決まれば、先手必勝! 奴が能書きたれてる間に攻撃する。俺の女に手を出しそうな馬鹿は、始末するに尽きるからな。まずは、ファイアーランス100連からだ。


「ぬう!? ふっ、はっはっはっ! なかなか活きの良い奴だ。だが、邪神たる我にそのような攻撃は効かぬ。人間にしては、なかなかやると言ったところか。その程度では、我に傷つける事も出来ん。残念だったな、ユウキ!」


やはり、これ位では倒せないよな。だが、人間舐めてもらっちゃあ困るぜ。対強敵及び大軍用に、インベントリに溜め込んだあれ。使う時が早速来たな。


「ふっ、‥‥それはどうかな?」


「何っ!」


「インベントリ解放! 時空魔法スピードアップを発動、速度を宇宙からの対象落下速度に設定。そして、攻撃対象をオードルに指定するぜ!!」


「はん、人間界のそこらの物質ごとき。速度を上げようが我には通じぬわ!!」


うん、普通の物質ならな。俺が今回使うのは、暇な時に師匠と共同で溜め込んだ代物だ。これまで読んでくれた賢明なる読者の方々は、もうお分かりのはず。師匠が覚えた唯一の攻撃魔法のあれだ。


「だったら、これを受けてみな邪神オードル! 食らえ、時空魔法における最強魔法『メテオ』‥‥もどき!!」


インベントリの穴から、隕石がオードル目掛けて襲いかかる。最初は、余裕の顔で、隕石を魔法障壁で防いでいたオードル。しかし、徐々に障壁にヒビが入ってくると顔が青ざめてきた。甘いな、オードルさんよ。隕石の玉は後100はあるぜ!!


「‥‥ふっ、や、やるではないか。貴様の実力はよく分かった。我は貴様の力を認めよう。だから、早くこの魔法を止めるがいい」


「あれ、なんか聞こえたな? 空耳か、気にせず攻撃続行だ」


「いや、早く止めんか! 止めて下さい、お願いします。おい、止めて‥‥どわあああ!!」


遂にオードルの魔法障壁が崩壊、隕石が次々とオードルに襲いかかる。うむ、気持ち良い位に奴の体力が削れていく。あれを素で受けて大丈夫そうなのは、神帝様位だろう。ふと神眼スキルで見れば、体力が赤く点滅してきたな。よし、このまま邪神消滅エンドだ。


「こうして、世界は邪神の魔の手から救われた。彼を倒した者の行方はようとして知れない。まっ、筋書きはこんな感じで、俺の痕跡を消してから‥‥」


「それは駄目よ、ユウキ君。こんな馬鹿で変態で、自分大好きうぬぼれ邪神でも世界には必要なの。アヤメ、貴女のご主人様を止めて」


威厳と冷静さを兼ね備えた言葉と共に現れたのは、黒い豪奢なドレスを着こなしたご婦人だった。その隣には‥‥えっ、なんでアヤメがいるの?


「はい、お母さん。ご主人様、止めて下さいませんか? 私の体を好きにして構いませんから」


そう言って、俺の目の前で夜着を脱ぐアヤメさん。おお、小ぶりだけど形が良いむ‥‥じゃない! 慌てて魔法を停止し、アヤメの手を止める。危ない、後少しで下まで見えるところだったよ。


「アヤメ、君が俺を好きなのは知っている。でも、こういう事を‥‥むぐっ!」


「あらあら、アヤメったら大胆ね。そんなにユウキ君が気に入ったの。背中のサキュバスの羽が急成長してるじゃない。今まで男に興味が無かった娘が、変われば変わるものね」


キスされた勢いで押し倒された俺は見た。アヤメの背中から、コウモリの羽が大きく広がっていくのを。彼女はサキュバスだったのか? でも、今まで魔族の気配はしなかったが。


「それは、私の血を打ち消す程の強さを彼の血が持っていたからよ。でも、今は私の血の影響が強く出てきたわね。安心なさい、普段は血の暴走を抑え込めるから。アヤメ、お楽しみは後で。まずは、この場を治めるわ」


「はい、お母さん。ご主人様、すいませんでした。でも、オードル様を殺させる訳にはいきません。そうなったら、魔族達がご主人様の命を狙いますから」


俺を離して、服を整えるアヤメ。うっ、ヤバい。サキュバスの色香のせいなのか、下半身がまずい事になってる。と、とりあえずマントで隠そう。しかし、魔族が俺の命を狙う? こんな駄目神なのに? 魔族の神と言うなら、大魔王〇ーン様クラスの威厳と信念を持ってくれないと。


「魔族の神がこんな駄目神で良いんですか? もっと強さと威光を持つ人物を想像していたんですが。いっそ、貴女が神になった方が良いんじゃ‥‥」


「それは駄目です。私のお父さんとお母さんは、あの魔族達も怖がっているから。あとお母さんは、今年子供を産んだばかり。私を含めた上3人は成人してるけど、下3人はまだ子供だから子育てが大変でして。とても神なんて無理ですよ」


アヤメって、6人姉弟だったのか。しかし、彼女が人妻で子持ちとは信じられないな。目を見張る程の美貌といい、メリハリのある曲線といい、若さが溢れ‥‥いだだだ!


「ご主人様、私の母に欲情しないで。後で私が忘れさせてあげますからね、覚悟してください」


「うふふ。まさか、あのアヤメが嫉妬するなんてね、まずは自己紹介するわ。ローゼリエ=シュタインよ。ちなみに、アヤメが名乗っているルビアス姓は私の旧姓なの。育児の片手間にサキュバスの女王をやってます、よろしくね!」


‥‥うわあ、アヤメさん。君の母さん、魔族5大将軍の1人ですやん。神眼スキルで見ても、邪神(笑)の上をいく能力値だし。アヤメがハイスペックな能力なのもうなずける。となると、父親は誰だ? あのダルザが怖がる相手で、ローゼリエさんを妻にする強者だ。ただの人間じゃないよな。


「‥‥お母さん、とりあえずオードル様を治さないと。早くしないと本当に死んじゃう」












次回、アヤメの父親による邪神私刑。

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