表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生しても受難の日々  作者: 流星明
暇をもて余した神々の遊び
46/152

幕間3 神帝、愛の説教部屋

お待たせしました。幕間追加です。アルゼナ視点の話。

先程までユウキ君と話をしていた場所から転移させられたのは、神帝様が作った神様専用お仕置き部屋だった。血のついた三角木馬とか、(とげ)付き鞭とか蝋燭(ろうそく)とか怖すぎなんですけど!!


「ぐぬぬっ、神帝様めえ! 早くここから出して欲しいんですけどおお!! つうか神様が椅子に座らされ、拘束具付けられて拘束って絵面はやばくない!? 」


私の声が聞こえたのか、霧が晴れて神帝様の姿が現れる。えっ、なんつう格好してるんですか!? なんでゴ〇ラの着ぐるみ着てるんだよ。そのまま神帝様は歌を歌いながら私に近付いてくる。


なに? 神帝様、疲れすぎて遂に壊れたか。あるいはヤバい薬でも使っちゃった?


「わしは神帝、偉い神~~。なのに、最近忙しい! なんでじゃろ~~? なんでじゃろ~~? 諸悪の根源の1人を発見! ええいやっ!!」


「おがっ!!」


鈍い音がして、私の頭から血が流れ出す。あのお、視界が真っ赤って結構やばくね? ドラ〇エとかの瀕死(ひんし)状態になってますやん。皆も画面が真っ赤になった時は回復を優先しようね。


あっ、なんか白いのも流れてきた。ヌルッとして、温かいんだから! ‥‥って、ギャグしてる場合じゃない! やべえよ、脳ミソが出てるやん。早く治さなきゃ、死ぬ、死ぬう!! 私は回復魔法をかけて、何とか傷を治すや神帝様に怒鳴り散らす。


「じじいいい、私を殺す気かあ!! なんだ、その鈍器は? 元ネタのお笑い怪獣が使用してたのは、ピコピコハンマーだろうがあ!」


いかん、あまりの痛さに神帝様を爺呼びしてしまった。頭に激痛をもたらしたハンマーを調べると『神滅殺懲罰?ハンマー』とあるな。ガチで殺しにきてんじゃん、私が何をやったああ!


「ピコピコハンマー程度では、貴様らに効かんでは無いか。わし、最近寝不足じゃし疲れ気味じゃからのう。アルゼナにオードル、ラーナが人物囲い込みに熱中し、他の神々から苦情が来ておる。それの苦情処理に困っとるんじゃが、言い訳あるか?」


神帝様が、いつの間にかクレーム対応係になってる件。私に向かって何で苦情を言わない? なにこれ、いじめ? いじめなの。よおし、あいつらがその気なら私にも考えがある。でも、その前に‥‥。


「ええ! 私よりオードルの馬鹿と生真面目ラーナを叱って下さい。奴等の青田買いの方がエグいですよ。勧誘方法が詐欺じみてますし、宗教で強引に誘うしで。お前ら、神様じゃなくて詐欺師じゃんって言いたくなりますが」


オードルは、邪神印の薬を飲めばランクが倍増になるとかやってたな。あと『邪神の壺を買えば幸運になる』って、言って冒険者に売ってた。でも、冒険者や魔族から苦情が殺到。結果、詐欺がばれて暗黒神に大目玉くらったけど。


ラーナの方もひどいな。ラーナじゃなくて、枢機卿が聖国に来れば全ての罪が許されるとか言ってランクA犯罪者を引き込みしてた。あとは免罪符とか言って、罪が許される紙を作って売ったりしたな。あまりに酷いんでラーナが直々に首を飛ばしたっけ?


私はそんな事はしてないんだけどなあ。まあ、時折からかったりはするけど常識の範疇(はんちゅう)内で済ませてるよ。人の人生を破壊するまではしない。


ユウキ君? 彼は大丈夫さ。ミズキちゃんとマヤちゃん達との対立とかも乗り越えるだろう。これから彼はもっと大変な事になるしね。ここでつまずいてたら駄目だよ!


「‥‥分からぬか。神の中でも最強の貴様を懲罰(ちょうばつ)する事で、奴等に牽制(けんせい)しているのだ。現に、ラーナからは『無闇な異世界人の引き込みは止めます』と慌てて連絡がきたぞ」


私は見せしめの道具じゃないい! しかし、ラーナのヘタレめ。教皇と2人で、裏でこそこそ動いてたくせにばれてやんの。とはいえ、罰を私しか受けないなんて腹立つわ。


「ちいぃぃ!! あの性悪女が。神帝様ににらまれたら、尻尾まいて降参かよ。しかし、オードルの方はどうなります。あの変態、私の信者に手をだしたんですが?」


「オードルか? 奴なら安心せよ。比喩(ひゆ)抜きで首が飛びそうじゃから。さすがの暗黒神も堪忍袋(かんにんぶくろ)の尾が切れる寸前らしい。あと1回ヘマをしたら命の危機じゃのう」


「そうなのですか? 私に負けっぱなしなのは、魔族的にまずかったみたいですね。まあ、私は勝ちを譲る気は全くありませんでしたが」


そうか、あのオードル君が死ぬのか。面白かったけどなあ、彼の計画ぶっ潰すの。おっさんのくせにすぐ涙目になるし。


「それはそうと、アルゼナ。しばらくは謹慎しておれ。説教したうえに、謹慎させられたと知れば他の神々も強引な信者集めはすまい」


「はあ、分かりましたよ。ところでオードルといい、ラーナといい、ユウキ君に女を近付ける。あるいは仲間に引き込もうとする件はどうなさいます? 奴等、あの手この手で彼を狙ってるんですが」


正直、ウザいから止めてもらいたいんだけど。奴等、飢えたハイエナ張りにしつこいんだから。神帝様にガツンと叱ってもらうかなあ。


「その事だが‥‥。未来視で観察したところ、アルゼナを謹慎している間に2人が動くと出た。貴様が歴史の特異点を独占するのが不満らしいからの」


「じゃあ、出してください! 折角の大口信者を彼らに盗られたくないので。彼らは私の力で異世界転生したんです。ならば、私に優先権はあるはず!」


「駄目じゃ! 最近の貴様が調子に乗っていたのは事実。近々、ユウキ達は戦争に巻き込まれる。それが済むまでは謹慎せよ。断るのなら‥‥」


えっ? いったい何するんですか、神帝様。なんかでかいハンマーを巨人が持って来たんですけど。巨人ですら持っただけでバテてますが。それは?


「ふむ、これを使うしかあるまいな。いくぞ! ゴ〇ディオ〇ハン〇ー!!」


「待てええい!! この爺、私を殺す気だよ! 私はまだ光になりたくないんですが!? 分かった、分かりましたよ。謹慎すればいいんでしょう」


危うく存在自体を消されるところだった。何気にキレると怖いんだよな、神帝様は。ぬう、となればユウキ君の信心にかけるしか無いか。もし、ラーナの奴に尻尾を振ったら許さないからね!


「まあ、心配は無いだろう。ユウキはなかなか芯が強い。そう簡単にはなびくまいて。さて、そろそろ行くか。アルゼナよ、拘束は外す故に謹慎をしっかりしておれ。ユウキと接触する事で、オードルとラーナがどうなるか。わしも少し楽しみじゃわい」


「彼が動くと歴史が活発に動くからね。まるでかつての傭兵王みたいに。これを言うと、本人は絶対に嫌がるだろうけどさ。まっ、こっからのんびり見ていようか。さあ、私を楽しませてみてユウキ君」









次回、ユイ対ミズキの対決。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ