表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生しても受難の日々  作者: 流星明
暗黒教団騒動
26/152

第20話 蛇神の萌芽

お待たせしました。

「‥‥ところで、ユウキさん。さっきから気になっている事があるんですが」


「はい? なんでしょう」


「あなた、真面目な話をしているのに私の胸をじろじろ見ていたでしょう。幼いながらも男なんですね」


冷たい表情を浮かべ、その場を凍らせるミューズさん。見れば胸を手で隠す動作をしてらっしゃる。ばれていたのか、何故だ! グラビアアイドル並の豊満な胸をチラ見程度ですませてたのに。こ、ここはごまかそう、うん。


「‥‥何をおっしゃっているのか、分かりかねますが。そもそも論と致しまして、顔を見て話すのが礼儀であります。故に、その豊満なる胸を見ざるをえません。私には下心無く、胸を‥‥あだっ!」


「正直に言いなさい。み・て・ま・し・た・ね!」


あっ、駄目だ。ごまかされないな、これは。にしても力強いね。頭が割れんばかりに痛いぞ。仕方ない、ならば思いの丈を訴えるのみ。


「はい! 不肖、ユウキ。ミューズさんの大きな胸をガン見しておりました。触りたい揉みたい、直に見てみたい。そんな男の感情を心の中で爆発させてたのであります」


「‥‥ううっ、開き直りすぎですぅ。なんで臆面も無く恥ずかしい台詞言えるんですか、このスケベ。私に出会う男性全員が胸を見るんですよ。槍を振るうのに邪魔だし、肩は凝るしで大変なのに」


顔を真っ赤にしてうつむくミューズさん。ふっ、賭けに勝ったな。下手すると往復ビンタ喰らう展開も想定していたが。彼女は真面目だし、ワイ談には弱いと踏んだんだよ。あとミューズさん、それは言っちゃいけない。マヤとかに聞かれたら、殺意の波動が顕現するから。ある者の悩みは、無い者にとって自慢にしか聞こえないから!


「あのう、ミューズさん。もしかして、男性とお付き合いとかした事が無いの?」


「ある訳無いじゃないですか! 誘う男性全員が私の胸しか見てないんですもの。私という人格を見てくれない殿方など、こちらから願い下げです。もっとも、胸以外に女として見られる要素がないでしょうね。私なんて、槍を振るうしか出来ない騎士ですから」


持ってる人も大変なんだなあ。しかし、ミューズさん本当に真面目だ。おそらく教会で育てられたのが原因だろうな。ただ、自己否定が強い気がする。ここはほめて持ち上げてみるか。


「ミューズさんと話をしてみて、俺は素晴らしい女性だと思いましたよ? しっかり、自分の考えを持って行動するところとか。優しくて知的なお姉さんなのは好ポイントですね」


「止めて下さい! 私、そんな立派な女じゃありません。ただ、ブレスク伯爵家に連座したくない一心で‥‥」


ミューズさんは嫌そうに顔をしかめて耳をふさぐ。保身とはいえ、止めようと行動するだけでも立派だと思うけどな。なんで、そんなに自己評価が低いのかね。


「だ・か・ら、もっと自分に自信を持ってください。ミューズさんが立派で魅力的な女性だという事は俺が保証しますから。偉い人に知り合いがいますし、ミューズさんの事を話して罪が及ばないようにします。安心してくださいね」


「な、なんで私を助けてくれるんですか。そこまでされたら私‥‥うっ、うぅ」


顔を真っ赤にしたと思ったら、急に座り込んだミューズさん。と、頭の中に声が響く。それは幼年期保険が切れた時に聞こえた機械的音声であった。


『運命転換。予定が変わり、蛇神の因子がただいま覚醒しました。ユウキ=ファルディスを主と認定。ミューズ=アルセは、これより貴方の僕となります。何をしても、無問題! なお、これにより妻枠の上限が解放。ユウキ様の妻が1人増えました。おめでとうございます』


「おい、駄目だろ! 蛇神の因子がどうして覚醒したんだ。しかも、妻って何だよ! ミューズさん、大丈夫か?」


「‥‥‥‥」


ミューズさんの体を揺さぶり、意識の有無を確かめる俺。すると彼女はゆっくりと顔をあげる。眼鏡の奥にある瞳、それが赤い蛇眼へと変化していた。驚く俺を尻目に、ミューズさんは俺を押し倒す。蛇の舌で唇を舐め、彼女は妖艶な表情を浮かべている。


「ユウキさん、あなたが悪いんですよ。私の中で眠っていた神を目覚めさせたんですから。ああ、もう我慢出来ない。さあ、私の力を受けとって!」


ミューズさんの瞳が怪しく光るや、俺の中で強烈な性衝動が高ぶってきた。まさか魅了の魔法か? ヤバい、このままだと師匠に次いで2人目の経験をしてしまう。こういう時は状態異常回復魔法を‥‥、唱えても効かない!?


「あははっ、そんなの効かないわ。さっ、諦めて私のご主人様になって。悪いのは貴方なんですからね」


「ほ、本当に効かない。駄目だ、もう我慢出来ない。ミューズさん、俺」


俺の言葉にミューズさんは満足し、ドレスと下着を脱いだ。健康かつ魅惑的な体を目の当たりにし、俺は生唾を飲み込む。笑みを浮かべた彼女は俺の唇を深く奪った。


「私が導いてあげるわ。ご主人様、これからよろしくお願いしますね」


こうして俺は、ミューズさんとの逢瀬を思い切り激しくしてしまった。最中に師匠、マヤとユイの怖い顔が浮かんだが止まらない。魅了って怖い、俺の理性弱いと情けなく思う。その一方で、ミューズさんを抱けた喜びにわく俺もいる訳で。‥‥さて、この後どうしよう。



次回、ユイさんによる救出と説教。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ