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転生しても受難の日々  作者: 流星明
騒動の末、ファルディス家を手に入れる!
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第81話 騒動の後始末 2

お待たせしました。

ログレス孤児院から戻った俺達は、アイラとユイに状況を報告。マルシアス様達への対応を任せると、グラスをファルディス家に預けてエルバンス城へと向かう。マヤと会い、ネリスと共に皇帝陛下に上奏すると皇帝がすぐに会ってくれた。


宰相や将軍始め、8騎士や有力貴族等が揃っており事態の深刻さを物語る。事前にマヤに根回しを頼んでいた成果が出て良かった。


「相変わらず、行く先々で問題を起こしてくるな。ユウキ、1度お祓いでも受けたらどうだ? しかし、ラクシュアが流通してくるとまずい。8騎士含め、帝国も全力で対応するとしようか」


皇帝が俺に対する呆れと皮肉を交えながらも、状況を理解してくれたのは助かった。‥‥いやね、別に問題起こそうと起こしてる訳じゃないからな? まずい、このままだと金〇一とかコ〇ンばりのナチュラルトラブルメーカーになりかねん。ガチでお祓い受けようかな。


「お父様。かくなる上は皇族、貴族関係なく調べるべきですわ。もし、見逃したらゴアキメラレベルの魔物が帝都にやって来てしまいます。大量殺戮犯になりたいと思う輩がいるならともかく、そのような不名誉を嫌う方々でしょうから協力して下さると思います。そうでしょう、皆様方?」


マヤさん、あえてのぶっ込みですね。マルシアス様とアイラに調べてもらったら、少年修道士君の実家の背後に現皇妃を支える商家がいたんだ。第2皇妃様も協力した結果、あぶり出しはほぼ完了している。しかし、まさかルパード様の実家も噛んでいたとは驚いた。


おそらく、ルパード様達の権勢失墜に慌ててすり寄ったんだろう。それでラクシュア密売に関わる事になるとは運の尽きだが。


「当然ですわ。ラクシュアの恐ろしさを知れば、協力は惜しむ訳が無いでしょうから。メアリー様もそれでよろしいでしょうか?」


穏やかな物言いでそう告げたのは、第2皇妃のアン様だ。ネリスの叔母にあたるらしいが、性格は最悪だとネリス本人から聞いている。現に顔をしかめているし、間違い無いんだろうな。ただ、今回は協力してもらわないといけない。俺は小声でネリスに声をかける。


「ネリス、顔に表情が出ている。分からないでも無いが隠せ」


「ご、ごめんなさい。でも、かなり嫌いなのよね。あの顔で何人の侍女を殺したと思う? 10人よ、中には親友のお姉さんもいたわ。嘆き悲しんだ親友に、どの面下げて会えると思うの」


「‥‥なかなか酷い人だな。とりあえず、出来るだけ近寄らないようにしよう。さて、皇妃様はどう出るかな?」


性悪な叔母さんの視線の先には、怒りを押し殺している第1皇妃メアリー様がいる。実家は皇帝家と繋がりが深いゴルティフ公爵家。かつてはマヤの母たるアルフィミア様と戦った女傑だが、今回はかなり困っているだろう。


なにせ、自分の支持基盤たる商家がラクシュア流通に関わったんだから。効能からみても、帝国を滅ぼしかねない重大犯罪だ。知らなかったではすまされない。


「‥‥も、もちろんですわ。皇帝陛下、この度の事は誠に申し訳ありません。言い訳ではありますが、私達は何も知りませんでした。かの商家とは手を切り、ありとあらゆる情報を渡すと約束致します。人員等も出しますので、何卒お許し下さいますよう」


「情報と人員はありがたく受け取ろう。ドーザ、すぐに帝都にいる商家連中を締め上げよ!! 抵抗するなら、たたっ斬って構わん! 今回の所業、帝国に対しての反逆に等しい。容赦をするな」


「ははっ! お任せを」


おお、ライオネル卿張り切ってるな。確か第2皇妃の派閥にいるから、第1皇妃派閥を落とすチャンスと見てるんだろう。見れば、第1皇妃達が焦っている。色々と余罪が出てきそうだな。


「さて、ユウキよ。今回も含め、色々と活躍してくれた。よって、余はその功績を認め、ユウキ=ファルディスを子爵に任じるものとする」


「は? ははあ!! ありがたき幸せに御座います」


「そして、子爵となったユウキに命じる。ラクシュアの取り締まりを陣頭指揮せよ! テレポートとインベントリを使える魔法使いの貴様なら、ラクシュア摘発の任務に相応しい。あれはそこらに保管出来ないからな。インベントリ内にあれば、魔物達も寄ってこんらしい。ガルドも太鼓判を押しておったぞ」


いきなり、子爵にして厄介事を丸投げかい! まあ、やりますけどね。アヤメを盗賊ギルドに送ったし、ミズキも謹慎を解除させてファルディス家に合流させた。後は、リーザとレイを呼び寄せて対策会議をするか。


問題はナージャ様達だが、マルシアス様に頼んで押さえてもらおう。しかし、ファルディス家内の問題から、いつの間にか帝国全体の問題になっているな。


「あとはログレス修道院の問題だが。ユウキ、意見はあるか?」


「はっ。今回の1件は私の姪であるレア=ファルディスも関わっております。私の目の前でゴアキメラに喰われましたが。また、責任をとり上級修道士たるグラス=マージクは追放と破門を言い渡されました。さらに中級修道士2人はエンシェントワイバーンに食べられる始末。もはや神罰は下りましたので、これ以上の罰はいらないかと」


「ふん、ここにいる者達にそれぞれ被害が出たな。グラスはリーキッド侯爵家遠縁の者だ。中級修道士2人はゴルティフ公爵家に連なる家の出身。そして、レア=ファルディスか。グラスはともかく、素行不良で名高い輩を処分出来たのは喜ぶべきか、悲しむべきか。まあ、ユウキの意見を採用しよう。それで、良いな皆の者!」


「「「「ははあ、皇帝陛下の仰せのままに!!」」」」


うわあ、彼等の誰も罪を問いたがらないのはそれが原因かよ! 何か言ったら、自分達にブーメランで返ってくるのは痛いよな。これで修道院長のノッシュさんも大丈夫だろう。となれば、俺がすべき事は‥‥。


「それでは陛下。私も取り締まりに参ります。つきましては、マヤ様とマヤ様の近衛騎士団及びネリス嬢、レイ嬢を加える事をお許し頂きたく」


「‥‥よくまあ、誰からも刺されずにすんでおるな。余の娘、エアリアル公爵令嬢、リーキッド侯爵令嬢、ブレスク元伯爵令嬢の上級貴族の娘達。マルシアスの娘、ビリナム男爵令嬢、傭兵王の娘に猫族族長の娘までいる。余から見ても豪気な男よな。娘も連れていって構わんぞ。国家の重大事だ、戦力の出し惜しみはせぬ」


自分でも何故こうなったのか分かりませんぞ! 前世の縁と神様の都合に振り回された結果、8人のハーレムが完成してしまった。よく考えたらとんでもない面子だよな。下手したら皇帝の地位を狙える程の‥‥って、いかんいかん。俺はあくまで地味にいくぞ。華やかな表舞台じゃなくて、裏方で十分なんだ。


「ありがとうございます。では、まずはファルディス家に向かいます。マルシアス様と共にルパード様達に尋問を行いますので」


「あまりやり過ぎるなよ。その面子だと死人が大量に出そうだ。恐怖だけでは人は付いていかぬ。まあ、貴様は分かっていそうではあるがな。女性陣の手綱、しかと握って事に挑むが良い。では、行けい! ユウキ=ファルディスよ!!」


次回、ファルディス家で恐怖の尋問。

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