由香ちゃんはドジだ。
ごちゃごちゃな内容で作者も何書いてんのかわからないまま勢いと気合いで投稿しました。なんか頑張って想像して読んでください
由香ちゃんはドジだ。
体育のある時は必ず体操服を忘れる。
教科書をよく失くす。
何も無いところでよく転ぶ。
移動教室の場所を間違える。
この前は池に落ちていた。
由香ちゃんはドジだ。
高校生までよく生きてこられたな。と思うほどにはドジだ。
よくぼーっとしているし、この前は空を見ながら今日も1日平和だったなぁーと笑っていた。(ちなみに彼女はその日、階段から落ちそうになっていた。)
でも由香ちゃんにはとびっきりの保護者がいる。
体操服を届けてくれて、教科書を毎回貸してくれて、転びそうになったら毎回手を貸してくれて、移動教室の場所を教えてくれて、池から助けてくれる。
そんな、王子様みたいな幼馴染み。
王子様みたいな彼は、容姿が良くて、頭が良くて、運動神経が良い。学園のリアル王子だったりする。彼はとても無愛想で女子に冷たい。まぁ、女子からはそこがかっこいいと言われているけど…。
そんな彼は由香ちゃんにだけはいつも優しい。由香ちゃんといる時はよく笑うしよく喋る。
あー由香ちゃんがとても大切なんだなぁと分かってしまう。そんな由香ちゃんはいつも幸せそうに笑っている子だった。
由香ちゃんの朝は早い。私も割と学校に着くのは早いがそれよりも先に学校にいる。私はいつも2番目だ。そんなに早く来て何をしてるのかなと思っていたら大体由香ちゃんは本を読んでいる。単行本だったり分厚い辞書のような本だったり、この前は大量の絵本を読んでいた。
ちなみに私は早く学校に着いたら、ひたすらノートをとる。授業中に書いたノートを移し替えている。その方がノートを丁寧に書けるし、字も綺麗に書ける。
始業の10分前ぐらいになると、クラスメイトが教室に入ってくる。ちなみに、私と由香ちゃんは去年から一緒のクラスだ。由香ちゃんの保護者さんはーー名前は斉藤壱と言います。ーー今年は違うクラスだ。しかも棟まで違ってあまり会う機会がない。
由香ちゃんは友達が少ない。私が見た所によると吉川さんと結城さんの2人だけ。でも、3人はとても仲がいい。なんでも彼女たちは第2の保護者らしい。ちなみに私の友達はネットに少々。それから休み時間は学校にある大きなごみ捨て場の近くにいる。ごみ捨て場はマイフレンド。
由香ちゃんはとても頭が良い。授業中当てられても何だって平然と答えてるし、テストなんかも順位がいい。でも運動は少し苦手みたいだ。この前はは50メートルを走るのにコケていた。由香ちゃんがドジなのは運動が苦手なのも理由の一つかもしれない。
由香ちゃんは美人だ。絶世の美女のような派手さはないが、よく見るととても綺麗な顔をしている。
そんな由香ちゃんの顔が一番綺麗になるのはやっぱり斉藤君の隣にいる時。私は2人がとっくに付き合っているものだと思っていたが噂では付き合っていないらしい。少しだけほっとする。
さて、ここで私の話をさせて欲しい。私の名前は遠藤綾と言う。平凡と平凡を愛し平凡に愛された女だ。そして私は地味に生きている。友達は今のところネットに数人といったところか…
そんな私だが、私は斉藤君のことが好きだ。急にすいません。おこがましいけれど。
きっかけは単純だった。斉藤君はいつも指輪のネックレスをしている。たまたま落としたそのネックレスをたまたま拾った私が渡したのだ。落ちていたよ。と。
すると、いつもは由香ちゃんにしか笑わない斉藤君が驚いた顔をした後少し笑ってありがとう。と言った。
その笑顔で好きになってしまった私をどうか誰か罵ってください。ごめんなさい。
しかも、その後話しかけて来てくれて、私は天にも昇る気持ちでした。
けれど、コミュ力が爆発して行方不明な私には告白とかアプローチとかそんなことは何もできなくてただ毎日見ていることしか出来なかった。ストーカーとか言わないで下さい心に刺さります。
見てたらやっぱり分かります。斉藤君は由香ちゃんが大切なんだなぁって。由香ちゃんも斉藤君のことが好きなんだろうなぁって。
見てるだけで幸せな私には行動を起こすことなくただただ見て、羨ましがっているだけのチキン野郎なのです。
だから、私は、こんなことできる器ではなかったのです。
私の手には今、斉藤君が大切にしていたネックレスがある。実は一昨日から私の手にある。
盗んでこい。そうある人たちに言われた私はなにぶんチキン野郎なので、断ることができなかった。そのくせ盗むことはできるなんて本当に最低なやつだと思う。
盗んでからどうするとか何も言われてなかったので黙って3日間過ごしていました。
この3日間で、斉藤君は随分落ち込んでいたらしいです。あまりの落ち込みぶりに周りの人が凄く心配していました。由香ちゃんもとても心配していました。
私はいつ、自分がやったと言われるかそして何よりなんてことをしてしまったんだろう。そう思いながらも誰にも言えず、ただただ体を震わせていました。
次の日に学校に行くと学校ではある噂が流れていました。なんと、斉藤君のネックレスを由香ちゃんが盗んだ。というものでした。
もちろん斉藤君はそんな噂を信じていなかったし、その噂をしている人たちに怒ってもいました。
私は目の前が真っ暗になりました。心臓がバクバクいって足元が崩れ落ちてしまうのではないかと思うほど足がガクガクしています。
もうダメだ。斉藤君に言おう。私がやったのだと。
そう思って顔をあげた時。
「遠藤さん。放課後少し話があるの。」
そう由香ちゃんに声をかけられました。
放課後にこの教室で。怒ってないから逃げないでね。そう言って席に着いた由香ちゃん。
いや、怒ってるよね!?怖いよ!?逃げたいです。
でも私が悪いのは事実だから。ちゃんと放課後このネックレスを返そう。そう、心に決めました。
放課後になって、急に緊張した私はお腹が痛くなってトイレに駆け込みました。面目ない。
気を取り直して教室に戻ったとき、教室にはもう由香ちゃんしかいませんでした。
「遠藤さん。ほんとに怒ってないからそんなに怯えないで!」
教室に入る時の私の顔はそんなにこわばっていたのでしょうか。由香ちゃんが私を安心させるように笑って来ます。
「あのごめんなさい。これ、ネックレスです。」
慌てて手に持っていたネックレスを由香ちゃんに渡すと、ありがとう。と言いながら由香ちゃんは笑いました。笑いかけてくれる由香ちゃんにいたたまれなくなって思わず私は頭を下げました。
「あの、ごめんなさい。私、こんなに大事になると思わなくて由香ちゃんにも不快な思いをさせて…本当にごめんなさい。」
「謝らないで!遠藤さん。むしろ私の方こそごめんね。不安だったよね。そんな思いさせちゃってごめんね。」
「え?」
下げた頭を上げさせるようにしながら由香ちゃんがそう言いました。
「だって、吉川ちゃんと結城ちゃんに命令されたんでしょう?」
由香ちゃんは困ったような顔をして笑いました。
「なっ?えっ?なんで?」
急に命令された2人の名前をドンピシャで当ててきた由香ちゃんに驚き、私は鳥のように顔をキョロキョロさせました。
「だって2人は私のこと嫌いだからね。大方、私が盗んだっていう噂流したのも2人だよ。だから遠藤さんは被害者だよ。」
そんなことない。私は被害者なんかじゃない。
そうやって悪く使われるってわかっててやったんだ。怖くて弱いから2人の言いなりに、なっちゃいけなかったのになってしまったんだ。
「違うよ。私は人のものを盗んで、由香ちゃんの噂の原因を作った、最低なやつなんだよ。」
「遠藤さんは最低なんかじゃないよ。」
由香ちゃんがまるで全て分かっているかのように微笑みました。
「遠藤さんは、私の味方だった。」
「私はね、色々あって幸せな子でいなきゃいけないの。幸せで、何も知らない子で。だから友達に嫌がらせされてるって死んでも言えなかったの誰にも。だけどね、遠藤さんは気づいてたでしょう?」
由香ちゃんがゆっくりと話し始めました。
そう。私はずっと斉藤君を見てたからだから隣にいる由香ちゃんもついついいつも見ていました。すると、仲がいいと言ていた2人といる時、由香ちゃんは笑っていませんでした。
そうしていたら見つけてしまいました。私がいつもいるごみ捨て場にボロボロになった由香ちゃんの体操服と、ノートそして教科書を。
「私、知ってるよ。遠藤さんが助けてくれたこと。朝早く来て書いてたノートいつも私の机の中にあったよね。洗濯されて綺麗になった体操服をロッカーに入れてくれたのも遠藤さんでしょう?あと、池に落ちた時に置いてあったタオル、今度返すね。」
確かに私ははたから見たらいい人に見えるかもしれない。だけど
「だけど、私はずっと見て見ぬ振りしてきた。止めれたのに。それに、斉藤君に何も相談しなかった。」
きっと斉藤君に相談していたら1発で解決していたことだろう。それなのに私は斉藤君に一言が言えなくて何もしなかった。
「そんなこと!」
私の言葉を遮ろうとした由香ちゃんの言葉を遮って私はまたつづけました。
「それにね、私由香ちゃんが羨ましかったの。可愛くて頭良くていつも斉藤君の隣にいて。そんな由香ちゃんが羨ましくて嫉妬してたの。」
私は汚い人間です。由香ちゃんが嫌がらせを受けて少しだけすっきりしてる奴が私の心にもいました。それがとても悔しかった。
「そっか。でもさ、好きな人が嘘つきでくそみたいな子に優しくしてたら誰だって意地悪になっちゃうと思うよ。」
待って、嘘つきでくそみたいな子って誰ですか?え?由香ちゃんの事ですか?なんのことでしょう?
「だーかーらー壱は私のこと構いすぎだよねぇ。だから私も勘違いしちゃうのにねぇ。あー何を言ってんだろ。とにかく!私は遠藤さんが思ってるほどいい人じゃないから私が傷つくとか考えなくていいよ!それに、好きな人のことで嫉妬するのが何かいけないことなの?そんなことないじゃん。私だって嫉妬するもんね。」
由香ちゃんも嫉妬することがあるんだ。へぇーとおもいながらうんうんとしていると何かわからないけど頭がフラフラしてきたなぁ〜と思ってたら
「とりあえず、遠藤さんをこんな目に合わせた2人には責任とってもらわないとね。てかそろそろ嫌がらせもうざくなってきたしね!」
と美しい笑顔で由香ちゃんが急にぶっ込んできてなんかもうよく分からなくなって多分、うんとかそんなこと言った気がするけどとりあえずそこからの記憶がありません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あの時、頭をたくさん使って前日までビクビクしてて本当に疲れていたんだと思う。それで私は熱を出した。どうやって家に帰ったかは覚えてないから恐らく由香ちゃんが何とかしてくれたのだろう。
そしてぶっ倒れてから2日が立ってから私が学校に行ったら斉藤君に話しかけられた。
「由香が迷惑かけた。ごめん。」
「全然かかってないよ!」
いきなり声をかけられてビビりすぎて変な声が出たかもしれない。そうか。私を運んでくれたのは斉藤君かもしれない。
他に変わったことと言えば由香ちゃんがなんかしっかりしてた。
何があったかはよく分からないけど由香ちゃんは吉川さんと結城さんと決着をつけたみたいだ。2人が怯えた顔で由香ちゃんを見ていた。何したの由香ちゃん。
そして、体操服と教科書を忘れなくなってなくさなくなった。移動教室の場所も間違えなくなった。
あぁ由香ちゃんはやっぱりドジじゃなかったんだなと感心していたら
由香ちゃんがカバンを探ってなにかを探していました。探し物がなかったのか席から立ち上がってこっちにやって来ます。どうしたのでしょうか。
「遠藤さんごめん。鉛筆貸してくれない?」
訂正。由香ちゃんはやっぱりドジでした。だから斉藤君は由香ちゃんがいじめられてるって気づかなかったんだね。
「ふふ。これ、さっき斉藤君に渡されたの」
そう言って手渡したのはさっき斉藤君に話しかけられた時に渡された筆箱でした。
うん。やっぱり由香ちゃん、斉藤君は由香ちゃんのことをきっと大好きだよ。
最後まで読んでいただき涙がちょちょぎれそうです。ありがとうございました。