表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男子高生の妄想。  作者: 相江岬
2/3

前髪。

「あーー、前髪が鬱陶しいーーー!」

もう一度言う、「前髪が鬱陶しすぎる。」

常々、前髪が消えてしまえば良いと思う。


それなら「坊主にしてしまえ!」と思うのだが、やはり17年間変化のなかった髪型を剃るのは少し躊躇してしまう。

なにより、自分は小心者なので坊主にした時の暗に嘲笑するような周りの視線が耐えられないのである。

脳内で囁かれる「自意識過剰だ。」「誰もそんなにお前に注目してないぞ!」ということは重々理解してるのだが、どうしてもこの性分は変えられない。


ならいっそ、前髪という厄介者をピン留で拘束してしまえばいい。

そして、帽子を被ってしまえば問題は何一つなくなる。

このような、案がふと浮かんできた。

なるほど、我ながら名案だ。

逆になぜこの様な至極簡単な答えにたどり着かなかったのだろうか?

知能がよろしくないというのが大部分を占めると思うが、ピン留は女性がする物という固定観念が少なからずあったのだろう。


それにしてもピン留と帽子のコンビは中々に素晴らしいと思う。

まず、寝癖や髪型に対して消費する朝の貴重な時間を削ることができる。

睡眠が何よりも好きな僕にとって朝の3度寝の時間がこれによって可能となるだろう。

そして、自分でも何故だか分からないが時折友達に訊ねる

「前髪、変になってない?」という類の不安もなくなるだろう。



その様な取り留めのない妄想をピン留で拘束したまま考えていると、いつまのにか寝てしまっていた。


その時はまだ考えてもいなかったのだ。

翌日、前髪が触覚へと進化したまま学校へ行かなければいけない事を。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ