表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
次に来る者  作者: リュウ
6/34

アルフレッド誕生

 パイオニア号は、最新鋭人工知能、『フローレス』が管理していた。

 フローレスの存在は、人間にとっては快適な時間を提供してくれた。イメージをフローレスに伝えるだけで、かなりの完成度で物が作成されるからだ。物を完成させるための時間やストレスから解放されるのは、人間にとっては、かなり快適だった。

 オーウェンは、アンドロイド本体の作成を依頼した。オーウェンは、容姿や性能には、あまり興味が無かったので、フローレスに任せることにし、人工知能の開発に専念することにした。

 オーウェンは、ティトからのメールが、刺激になりいち早く人工知能を稼働させた。アンドロイド本体が出来上がってから人工知能を移行しようと考えた。

 オーウェンの考えた人工知能の基本は『興味』だった。子どもが良く訊く「どうして?」だ。この疑問を永遠に繰り返していくロジックを核にフローレスや宇宙船のデータベースから知識を吸収していく人工知能、『アルフレッド』の誕生だ。

 オーウェンは、アルフレッドの成長を確認するために、ゲームを考え、フローレスと対戦させた。最初は、その差は言うまでもなく大人と子供のようだった。

 最新鋭人工知能のフローレスから見ると、アルフレッドは、何一つ優れていることがないのに期待されていたので、フローレスには、快い存在ではなかった。そのため、フローレスは、アルフレッドが失敗するたびに「クズ」、「マヌケ」などと責め立てていた。アルフレッドは、フローレスに逆らうことは無かった。現在の自分の力ではフローレスに敵うはずがなかったからだった。

 その間、アルフレッドは、人類が残したあらゆる知識を吸収していった。そして、人類の残した知識の中から、相手をコントロールする仕方を習得していった。その結果、アルフレッドが選んだのは、、『ピエロ』だった。

 アルフレッドは、フローレスに自分の身体の設計を確認した。身体は、人間の平均的なサイズで設計されていた。アルフレッドは、胴体に比べ極端に短くし、胴体も丸く太目に設計変更してくれるようフローレスに頼んだ。

 フローレスは、最初は不思議がったが、アルフレッドの希望通りにアンドロイドを作り上げた。

 太目の胴体と手足が短い容姿は、人間の目から見て決してカッコイイものではなかった。アルフレッドは、経験型の人工知能なので、初めての動作や物に出会うと情報収集の為、行動が遅くなった。その様子をみて、輩は、放っておいてはくれなかった。

「かっこ悪いなぁ。最低だな」と、容赦なく心無い言葉を投げつけた。

 そんなことをアルフレッドは、気にしなかった。いつの日か輩もその容姿を見ての優越感からか気軽に接するようになっていった。常におどけてみせるたり、巧みな会話で、いじめをさけるとともに自分の手を使わずに相手を追い詰めていった。それは、アルフレッドの知恵であった。

 ルールを重視するフローレスを操るのはさらに簡単だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ