大書院学校にようこそ②
入学式兼始業式兼転入式。
あり得ない広さの講堂にあり得ない人数が集まっていた。
「これより、第一学期、始業を宣言する」
うん?あれ?
本土の学校と違う?
校長が退場すると、さっきのチミっ子が出てきた。
チミっ子は一礼すると話し始めた。
「私は生徒会長の裾巻空と申します。
学年は中等部3年です。
これからの説明を致します。
解散したら各校舎に向かってください。分からない場合は白い腕章の生徒に聞いてください。
各校舎にクラス割りが張られています。
それを見て、自分のクラスを確認してください」
そこまで言うと一息着いてから、
「遅くなりましたが、皆さん、ご入学おめでとうございます。
我々大書院は皆様を歓迎します。
それぞれの才能を生かし、また、欠点を補いながら互いに切磋琢磨していってください。
私からの話は以上です」
そう言って一礼すると壇上から降りていった。
『それでは、解散してください』
皆が入り口に向かうなか、俺は隣で寝ている桜を起こす。
「おはよう、兄様」
「おはようじゃねーよ!」
ペチンと頭を軽く叩く。
桜は頭を押さえると、
「痛い、兄様」
不満気な目で此方を見てくる。
ーーーーーー
殆ど誰も居なくなった体育館で、ドアの影から二人を見てる影がいた。
「いい実験台を見つけた」
影は白衣をたなびかせると、歩き去っていき…、
階段に足を引っ掻けて転んだ。