ようこそ大書院学校へ①
三人称は辛かったので、一人称にします。
飛行機に乗って20分ほど。
大書院学校のある島へついた。
つーか何で学校の敷地に飛行場が有るんだよ‼
因みに港もあるらしい。
4月、目の前で春風に髪をたなびかせて歩く少女は桜。俺の妹だ。
菅原桜。
成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗と三拍子揃った完璧超人のような少女で、俺、菅原幸太の双子の妹。
正真正銘血が繋がっている。義妹と言うわけではない。念のため。
艶やかな黒髪を後ろでゆったりと編み(俺が編んだ)赤い紐で結んでいる(俺が結んだ)。
妹、菅原桜は完璧超人と言ったが、ひとつ間違いがある。
こいつ、家事全般、それどころか最低限の生活さえまともに出来ない。
生魚を渡すとそのまま頭から食べ、洗濯物を渡すと畳まずに何故か着替え始める。
卵を焼かせると暗黒物質になる。
掃除をさせると更に汚くなる。
しかもそれでいて平然としている。
天は一人に二物を与えずと言うが、与えられたぶんだけ引かれていると思う。
「兄様、兄様!遅いですよ‼」
桜が桜並木を歩いていく。
分かりにくい。
ドンッと人にぶつかる。
「あ…す、すみません…け、怪我はありませんか…?」
薄い茶色の髪のチミっこい少女がペコペコ謝ってくる。
「え、えっと、菅原幸太さん、ですよね…?ご、ごめんなさい!急いでいるので‼」
風と共に去りぬ。
そう言えば、名乗ってないよね?あれ?
「兄様‼遅刻しますよ‼全く、私がいないとなにも出来ないんだから」
こっちの台詞だ‼
まあ、急ごう。