プロローグ
はじめての三人称です。
気になったことはコメントで聞いてください。
国立総合大書院学校は名門校だ。
千葉県の東側の太平洋に浮かぶ人工島、書院島。
そこに建てられた建物、全てが大書院学校の所有物だ。
150にも及ぶ運動部の部室のある部室棟が3つ。
4つの幼年学校棟、6棟の小学校棟。
7の中学校棟、6の高校棟。
11もの大学棟に38の研究室棟。
そして蔵書数50,000,000冊以上の大書院。
その学年の三割はこの学校に通っていると言われるほどの超巨大校。
その、入学案内を見ながら、幸太は目を白黒させていた。
余談だが、杉田玄白は名前が白黒している。
話を戻そう。
幸太は目の前の入学案内を見ながら、目を白黒させていた。
それもその筈。
幸太は勉強が出来る方ではない。
得意なものと言えば家事全般。
事情もあるし、高卒したら働き、勉強が出来る妹が大学に入れるようにしてやろうと考えている。
そんな幸太が、いきなり春休みに校長室に呼び出されて超エリート校のパンフと共に入学案内を渡されたのである。
目が玄白さんしない方がおかしい。
「あのー、これはどう言うことでしょうか?」
幸太はもっともなことを質問する。
春休みに校長室に呼び出されて入学案内を渡される。
意味が分からない。
校長は、幸太に一枚の紙を渡した。
「え~っと、菅原幸太の入学許可理由は今年から家庭科の講師として勤務するレストランのシェフ、山田善次郎の推薦が有ったため。
って、こんなんで入学できて良いんですか?」
幸太の疑問に校長が答える。
「山田善次郎シェフは高級フランス料理レストラン、シャルルマーニュの総責任者だ。
彼からの推薦が有ったらどんな学校でも君を入学させるよ」
(マジですか。この前のオッサン、そんな偉かったんだ)
「まあ、この学校に残ることも出来る。どちらを選んでも構わないよ」
(そうだな…)
「じゃあ、桜が入るなら俺も入ります」