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異なる空の下で  作者: ネムノキ
激変の二週目

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初めて感想もらいまして、一日中ニヤニヤが止まりませんでした。

これだけ書けているのも読んでくださる皆さんのおかげです。

ありがとうございます。

 十二回目のログイン。

「ふんふんふふーん」

 鼻歌を歌いながら北の大通りを進む。昨日の成果をルフに聞いてもらうつもりだ。どんな反応をするのか、今から楽しみだ。

「おはよーございまーす!」

 魔術師ギルドのドアを勢い良く開ける。

「あまりうるさくするな」

 すると、カウンターの向こうで目の下に隈を作ったルフに怒られた。

「あ、すみません」

 寝不足のところ大声はまずかっただろう。素直にあやまる。

「いや、良いんじゃ。本来魔術師は自由で自己中心的な者なのだから……。そのはずじゃ……」

 ルフはうわごとのようにつぶやいた。その様子があまりにもおかしいので、心配になる。

「あのー、どうしたんですか?」

「ん? いや、昨日南の平原で夕方大きな音が多発しておったのを知っておるか?」

「……はい」

 私はドキッとした。心当たりがありすぎる。

「それでの、魔王発生の兆候もあるし、すわ魔王かと街の有力者がパニックを起こしかけたので、この街の黒の塔のメンバー全員とワシ自ら調査に行ったのだがの、まるで誰かが戦ったかのように地面がえぐれておったのに、それらしい敵の魔力は残留しておらぬし、破壊の跡に見合った魔術の使用痕も無かった。それでどう報告したものかと悩んでおったら、急に薬師ギルドから薬作りの応援を要請されての。ちょうどタイミング悪くワシ以外のメンバーは南の平原に調査に行っておったこともあってワシだけで作る羽目になっての。……お陰で徹夜じゃ。自由なはずの魔術師がなぜこんなことをせねばならんのだ」

 ルフの愚痴が心に突き刺さる。

「……そのー、多分、その原因は私です」

「……どういうことじゃ?」

 私は、昨日の実験と魔弾について説明する。

「……はあ。なるほどのう」

 ルフは呆れたように言った。

「はい、ご迷惑をおかけしました」

 私は頭を下げる。

「いやいや、さっきも言ったが、魔術師は自由な存在じゃ。じゃから、おぬしの行動を誰も咎めたりはせん。むしろ歓迎すべきじゃろう。じゃが、今度からそういったことは鍛錬場でやるよう……いや、あの威力からすれば、それも駄目じゃな」

 ルフはそう言って頭を抱えた。

「それで、どうですか?」

 そう私は尋ねる。

「どう、とは?」

「いえ、こんな簡単なことなら、他の魔術師も使えるでしょうから、私の実力はどれくらいのものか分かるかな、と思いまして」

 そう言うと、ルフは 「それは無理じゃ」 と言った。

「……どういうことですか?」

「そもそも、付与術は先天的な才能が無ければ後天的に使えるようになる人物はまれじゃ」

「そうなのですか?」

 意外な事実に驚く。

「そうじゃ。おそらく、異邦人でもそうじゃろう。そして、付与術を使えても、シュートに付与術をかけられる人物はさらに少ない。それを六属性全て乗せるとなると、おそらくおぬししか出来んじゃろう」

「私、だけ……」

 その言葉は、想像以上に甘美だった。

「そうじゃ。もはや、新しい魔術。いや魔法と言っても過言ではないじゃろう」

「そう、ですか……」

 魔術と魔法の違いが分からないけれどうなずいておく。

「一応街の連中には適当に答えておくが、黒の塔本部にも報告する必要があるな」

「本部に、ですか?」

 本部、と言うと偉いところなのだろう。そこに報告するようなことなのだろうか?

「新しく出来た魔術は本部に報告する必要がある。そこで新しい魔術と認定されれば、『魔法使い』 と呼ばれるようになるんじゃ」

「魔法使い、ですか?」

 それがどれだけすごいのか分からない。

「……おぬし、やはり分かっておらんようじゃが、魔法使い、というのは魔術師にとって最高の称号じゃ。まあ、師匠から継承する例が主流じゃから、おぬしのように正道に魔法使いになった者は注目される。それに、何か研究する時には研究費も出るようになるし、もしかしたら弟子入り希望のものが出てくるかもしれんの」

「弟子、とか言われても困るんですけど……」

 まだまだ私の魔術の腕は未熟だ。それなのに弟子が出来てもちゃんと教えられる自信がない。そういうことを話すと、ルフは笑った。

「クハハ、弟子は断れるが、まあ、一応伝えておこう」

「お願いします」

 でも、魔法使い、というのは良い響きだ。子供の頃憧れていた覚えがある。

「では、ワシは薬作りに戻るかの」

 ルフはそう言って立ち上がった。若干ふらついていて心配だ。

「……何か手伝えることはありますか?」

 心配になってそう言う。

「……では、アオミドリを摘んで来てくれるかの? とりあえず、昼頃に持ってきてくれ」

 多分こき使われるのだろう。まあ、原因を作ったのは私だから良いけれど。

「分かりました」

「おお、頼んだぞ。出来るだけ沢山摘んで来てくれ」

「では、行ってきます」

 そう言って私は魔術師ギルドを後にした。


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