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異なる空の下で  作者: ネムノキ
激変の二週目

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累計PV6000件、累計ユニーク1000件突破しました。

地味かもしれないけど、嬉しいです。

読んでいただきありがとうございます!


・・・それで、昨日PV急増してたんですけど、何かあったのでしょうか?

 七回目のログイン。

「ふんふんふーん」

 今日も、澄み渡った青空で気分が良い。

 私は、軽い足取りで東の大通りを進む。今日こそは、前回買えなかったスカートを買うのだ。

「あのスカートにはどんな服が似合うかなー?」

 おしゃれをしたことが無いので余計に妄想が膨らむ。シンプルに白のブラウスが良いか、同じ色の系統のシャツが良いか。それともあえて全然違う赤は……流石に無いか。

「失礼しまーす」

 ウキウキ気分でガーデルマン服飾店のドアをくぐる。すると、前回スカートを進めてくれた犬耳の店員が出迎えてくれた。

「いらっしゃいませ」

「あの、前進めてくださったスカートはまだありますか?」

「はい、ございますよ」

 その返事に私は思わずガッツポーズをする。

「こちらの、フレアスカートでございますね」

「はい!」

 私は、店員からスカートを抱きしめるように受け取る。

「うふふ」

 嬉しい。最近幸せすぎて死んでしまいそうなくらいだ。

「……あ、すすみません」

 急にはしゃぎすぎていたことに気がついて恥ずかしくなる。

「いえ、それだけ喜んでもらえるとこちらとしても冥利に尽きます」

 そう店員は微笑んだ。その言葉に顔を赤く染める。

「あ、あのー。これに合う服、ってありますか」

 続いてそう尋ねる。結局自分で考えてもどんな服が似合うのか分からなかったのだ。だから、プロに任せることにした。

「はい、ございますよ。こちらの……」

 店員は、張り切っているのか次々と服を取り出してきた。私は、それを真剣に見ながらも次々に目移りしてしまい、なかなか選べない。

「……じゃあ、これにします」

 結局選んだのは、シンプルな半袖の白のブラウスだった。私のへたれめ。

「では、お足元はどうなさいますか?」

「あっ……」

 そう言われてから靴や靴下のことを考えていなかったことに気がついた。靴下はプレイヤーのアバターに標準装備されているインナーのださい薄茶色のものだし、この服装に無骨な今の靴は合わない気がする。

「では……」

 これはあっさりと白の短めの靴下と茶色に黒い紐の脛まである編みブーツに決まった。靴下は隠れてしまって見えないけれど、気分の問題だ。ブーツのほうは少し底があるけれど、そのうち慣れるだろう。ハイヒールも進められたけれど、履いてすぐこけたしつま先が痛かったのでやめた。

「一度、試着なさってみてはどうですか?」

 そう店員に進められるがまま、試着室に入り試着する。

 試着、とは言っても実際に脱いで着るのではなく、『装備』 から変更すれば一瞬で変えることが出来るのだ。装備で表示されるスカートにカッコで 『試着』 と書いてあるのを見てくすりと笑ってから、装備して試着室を出る。

「ど、どうですか?」

「……お見事です」

 店員さんにそう言われて、思わず微笑する。着てみて分かったのだけれど、膝くらいまであるスカートは思いのほか足がスースーして心もとない。けれど、もっと気に入った。

 服装を元に戻してから、他に黒のストッキングと淡い緑のワンピースを選び、会計に行く。

「合わせて二千二百ゴールドになります」

 前回の稼ぎが半分になったけれど、全然構わない。むしろ、もっと払っても良い。それくらい嬉しい。

「着ていかれることも出来ますが、どうなさいますか?」

 紙袋を受け取ると、店員にそう言われたけれど、それには躊躇した。

「それは……やめときます」

「かしこまりました」

 正直、恥ずかしかったのだ。それに、おしゃれしている所をたくさんの人に見られるのは、怖い。

「では、またのお越しをお待ちしております」

 その店員の声に手を振りながら、店を後にして、南の平原に向かう。途中でいつの間にか視界の端に増えていた満腹度と渇水度がそこそこ減っていることに気付き、南の大通りに面しているパン屋さんでサンドイッチとコーヒーを買う。六十ゴールドと、何気に高かった。

 そして、南の平原に着くと、いつも通りシュートでスライムを駆逐していく。

「今日も元気だねえ」

 途中で初めてウサギを見つけたけれど、内心微笑みながらも無視してスライムを駆除し、お昼頃になるとMPバーがだいぶ減ったので座って休憩する。

「ついでだから、お昼にするか」

 せっかくのサンドイッチが虫にたかられるのは嫌なので、虫除けの結界を発動して、リュックからサンドイッチとコーヒーを取り出す。サンドイッチを一口噛むと、レタスのシャキシャキ感とトマトのみずみずしさ、そしてマヨネーズのねっとりとした旨味が口の中に広がった。

「ああ……」

 やはり、食事は良い。現実で食べられない分余計にそう思う。何度も噛んで楽しんでから飲み込み、コーヒーで喉を潤す。すると広がる、苦味と僅かな酸味に、独特の香り。

「なんでもっと早く気がつかなかったのかなあ」

 そう自分に呆れる。せっかく食事が出来るというのに、今日まで私は宿屋のパンとスープで満足していた。でも、この世界においしいものはまだまだ溢れているのだ。

「よし、もっとおいしいものを色々食べよう」

 ここにひとつの目標が決まった。

「よし、稼ごう」

 MPバーがなくなって虫除けの結界がなくなった後も長々と食事を楽しんでから、つぶやく。すぐさま立ち上がってスライムを倒していくけれど、すぐにMPがなくなった。

「はりきりすぎだね」

 苦笑しながら黙想していると、ある事実が思い浮かんだ。

「あ、黙想中も結界術使えば、結界術のレベル上げしながらMPの回復できるんじゃ……」

 思い立ったが吉日とばかりに、虫除けの結界を発動して、目を閉じても視界に残るMPバーを確認すると、じりじりと減っていた。

「これじゃ、無理か」

 すぐに結界をとくと、また疑問が生まれる。

「そういえば、黙想って、どの動作でやってると判断されているんだろ?」

 疑問を解決すべく、色々と試してみる。立ち上がってみたり、歌ってみたり、横になってみたり。色々と試した結果、すぐに仮説が浮かんだ。

「黙ってじっとして、目を閉じて腹式呼吸をすれば黙想、と判断されるのかな? でも、腹式呼吸を意識しただけでもMPの回復量が少しだけ増えていたし、なんだか良く分からないなあ」

 まあ、普段から腹式呼吸を意識していれば良い、ということだろう。

 その後は駆除を続け、夕方狩猟ギルドで素材を適当に売った後、いつもの宿屋からログアウトした。


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