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異世界召喚。バナナが世界を救う!?  作者: みか
1章 五人の勇者
3/3

第二話 勇者達



「………んん」



目を覚ますと最初に見えたのは高い天井。フカフカのベッドから上半身を起こしてみる。と、俺の部屋三個分ぐらいの部屋にいた。床には高級そうな絨毯が。いや、部屋の装飾品全部が豪華だ。



そういやさっき、自称神様と話しをして……って事はここが異世界なのか?



「まぁ、目を覚ましていたのですね」



突然聞こえた声にマジでビビった。声がした方を見るとドアから顔を覗かせる人物が。その人物は俺と目が合うとクスクスと笑いながら近付いて来た。彼女を見た瞬間、可愛いと思った。少しだけ甘い匂いがする彼女は金髪の碧目を持った可愛らしいお姫様だった。



「驚かせてしまってすいません。(わたくし)、ロゼ・リィエスタと申します。貴方は?」

「へ? あ、お、俺は篠塚 遥です…」



喋り方といい、格好といいお姫様か?

ロゼと名乗る少女は少し幼い。15歳ぐらいだろうか? あどけなさがある。ロゼが身に着けているドレスも装飾品もロゼの為にあるかのように似合っている。



「ふふっ、遥様ですね。他の勇者様方がお待ちです、こちらへ」

「他の勇者か……そういや俺、五人目の勇者なんだろ?」

「まぁ、ご存じでしたか。はい、遥様は五人目(イレギュラー)の勇者(メサイア)なのです。さぞかし、強い力をお持ちなのでしょうね」



まさか通り名になってるのか? なんだよ五人目(イレギュラー)の勇者(メサイア)って。意味分からん。



心の中で愚痴りながら俺はロゼに付いて行く。部屋を出てしばらく真っ赤な絨毯の上を歩く事、数分後。巨大な扉の部屋に着いた。



「……ロゼ、ここは?」

「謁見の間です。この部屋に勇者様方が集まっています」

「……そういや他の勇者はいつ来たんだ?」

「遥様が一番最後ですよ。さぁ、いよいよ五人の勇者が揃う時です」



ギィィと音をたてて扉が開いた。部屋の中には確かに四人の人物がいる。しかも全員が若い。全員の視線を受けながら俺とロゼは中に入る。



「皆さん、お待たせしました。五人目(イレギュラー)の勇者(メサイア)、遥様です」

「えっと……どうも。篠塚 遥です」

「…………」



あれ? 反応が悪い。そりゃ、あんな通り名で紹介されたらなぁ。



「お前がな〜。初めまして、俺は不知火(シラヌイ) 愁生(シュウセイ)だ。よろしくな」

「あ、あぁ」



不知火 愁生、奴はイケメン系だな。少し焼けた肌がイケメンを際立たせている。爽やかなイケメンだ。



「あ、あの……初めまして。わ、私は碓氷(ウスイ) 小毬(コマリ)といいます。その、よろしくお願いします」

「あぁ、よろしく」



碓氷 小毬は気が弱い女子だ。茶髪でおさげ髪…若干甘い匂いがする。イチゴのヘアピンがよく似合っているな。胸は異様にデカイぞ……スタイルが良さそうだ。



「…私は蓮城(レンジョウ) 明日奈(アスナ)だよ。よろしくね」

「よ、よろしく」



蓮城 明日奈は委員長系か? 茶髪の髪を後ろでリボンで結いている。碓氷もだが蓮城もスタイルが良い。



「俺は…雪ノ城(ユキノジョウ) 龍紀(リュウキ)だ。よろしくな。ガハハハハ」

「あ、ハイ」



雪ノ城 龍紀…さんはゴツイ。筋肉マンだ。全員高校生の中、大人が居てくれて良かった。



「しばらくしたらお父様の所へ御案内します。それまで勇者様方で交流を深めて下さい。では、また」



え、嘘だろ! こんな個性的なメンバーの中に俺一人置いてこうとするのかよ!? 俺の心の声も虚しく、扉は閉じてしまった。



「なぁなぁ、遥! 」



いきなり呼び捨てなんて。馴れ馴れしい奴だ。



「…なんだよ不知火」

「愁生でいいぜ。それより遥はどんな力を持ってるんだ?」



力…か。そういや、貰ったな……あの自称神様から。でもどんな力かは分からない。



「…さっき目覚めたばっかだからな。分からん」

「へぇ〜。お前って寝ぼすけなんだな」

「なっ! ち、ちげーよ」



俺の声が届いてないのか、不知火は笑いながら雪ノ城さんの所へ行ってしまった。



「…ったく、あとで修整しないとな」

「ふふ。災難だったね、篠塚君」



びっくりした!!

クスクスと微笑みながら近づいて来たのは蓮城さんと碓氷さんだった。碓氷さんは蓮城さんの後ろに隠れながらも、チラッと顔だけはこっちを見ている。



「不知火って人の話し聞かないのな」

「まぁ、そういう所もあるよね。でもそれが不知火君の個性だから」



個性、か。こんな個性豊かなメンバーの中で蓮城さんはまともな人みたいだ。良かった。



「小毬ちゃん、何か話したいんじゃなかった?」

「…ッ! あ、うん」



蓮城さんに話しかけられた碓氷さんはビクッとなりながらゆっくりと俺の前に出てくる。



「あああ、あの。ふ、不甲斐ない私ですが、ここ、これからよよよ、よろしくお願いします!」

「おぅ、よろしくな碓氷さん」

「……」



ん? 顔を赤くさせながらも俺の前から動こうとしない。まだ何かあるのか?



「…あ、あの。私、名字で呼ばれるのが好きじゃなくて……だ、だからな、名前で呼んで下さい!」

「えぇ!? そ、そんな事言われてもな…」



こう見えても女子と喋った事はあまりない。明日香は除いてだが。ハードルが高すぎる!



「……こ、小毬ちゃん」

「…ダメです! 」

「へ?」

「男の人は呼び捨てって決まってるんです!」



ど、どういう事だ!? 俺は蓮城さんに助けを求めるが苦笑いだ。つまり、どうしようもないのだろう。



「おーい、小毬。あんまり遥を困らせんなよ〜」

「…そうだぞ小毬。俺達はこれから仲間なんだからな」

「…うぅ…は、はい」



不知火と雪ノ城さんは普通に呼び捨てで呼べるのか…。クソ……なら、俺だって呼べる筈だ。明日香を呼ぶ時みたいに…。



「…こ、こ、こま、こ、こま、り」

「あ、ありがとうございます」



満面の笑。俺はやったのか!

心の中でガッツポーズをしていると、扉の開く音が聞こえた。



「皆様、お待たせしました。こちらです」



俺達はロゼの後ろを歩く。歩く事、数分。大きな扉(玄関)に左右に分かれる階段、その真ん中に一つだけ扉があった。赤い絨毯を歩くのは初めてじゃない。明日香はお金持ちで家はこの城までとはいかないがデカイ。金持ちの家はほとんどが赤い絨毯だと思う。



そして今、俺達はその扉の前にいる。

謎の緊張もあるが何よりロゼの顔が強ばっている事が気になってしまう。



「…お父様。勇者様方を連れて参りました」

「ご苦労。中へ入りなさい」



扉の中から低い声が聞こえる。と、一気に扉が開いた。ロゼは気にせず中へ進んでいく。俺達も若干、緊張しながらも進む。




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