プロローグ
どうも、薔薇乙女です。
今回は学園ハーレムラブコメというジャンルで書いていきます。
評価・感想、ダメ出しでもなんでも構いません。待ってます!
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────万物には魂が在り、心が在る。
よく耳にしないだろうか。
植物には意識があって、音楽を聴かせると成長が早くなる、といったような話を。
それと同じように、人間が作った物、すなわち人工物にも魂が在り、心が在る…
そんな風には考えられないだろうか。
これは、物の心の声を聞くことができる主人公と、自分の持つ不思議な力に悩み、成長していく少女らの学園生活を描いた物語である。
※ ※ ※
「おい…深月……」
「…な、なぁに?お兄ちゃん」
「なんで…」
「うん…?」
「なんでこんなに早く起こすんだよぉぉぉぉぉ!!!」
俺の叫び声が家中に響き渡り、こだまする。
時刻は6時。カーテンの隙間から外を覗くと、まだまだ辺りは薄暗い。
今日、俺は普段の朝よりも1時間も早く妹に起こされていた。
「し、仕方ないじゃん間違えちゃったんだから! 早起きは三文の徳ってよく言うし! それに、こんな可愛い妹に起こされる兄なんてなかなかいないよ!」
「自分で言うなよ…はぁ、後1時間は確実に寝れたのに…」
そう愚痴をこぼす俺の名前は九条悠真。
東京都の私立高校である、九十九学園に通う高校2年生だ。
家族は俺と両親と妹の深月で合わせて4人。 両親はともに健在だが、2人とも外資系の会社に勤めているので、基本的に家には俺と妹しかいない。
もちろん、毎月一定額の仕送りをもらっているので、金銭面での心配は無く、妹と日々を楽しく過ごしている。
…そんな俺はある特殊な力を持っている。その力とは『物の心の声を聞くことができる』こと。
もちろん、なにもしなくても声が聞こえるわけではない。もしそんなことになったら、とてもじゃないけど一般的な日常生活を送ることはできないだろう。というか絶対にできない。
俺は物に体を触れさせ、その声を聞きたいと強く思ったときのみ、物の心の声を聞くことができる。
しかし、中には体を触れさせずとも積極的に話しかけてくるやつもいる。そういうやつらは大体がフレンドリーで個性豊かだからこっちも話してて退屈しない。
…まぁ、その物と会話をしているところをクラスメイトに見られたことによって、俺は学園で〈残念系イケメン〉という変なあだ名を付けられたり、〈物と会話をする危ない人〉のレッテルを貼られたりしているわけなんだが。
そんな俺でも、皆に頼りにされている一面もある。それは壊れた物を直すことだ。
これは俺が数年前にとある物との会話によって知ったことなんだが、物は人が意図して壊さない限り、基本的に壊れることはないらしい。だけど現実には物が原因不明で壊れることはよくある。つまり、それは物が持ち主に何かしらの不満を持っていることを表しているということなんだ。そんな風にそいつは言っていた。だから俺の言う、物を直すというのは、端的に言うと、不満を持った物と会話をしてその原因を突き止め、その問題を解決してもう一度動くように促すことだ。
原因不明で物が壊れる。ひとつ例を挙げるとすれば、腕時計とかがイメージしやすいだろう。特になにもしていないのに時計が止まってしまった、とか、ソーラー時計なのにいくら日光に当てても針が動く気配がないとか。君たちもそんな経験をしたことはないだろうか。
『万物には魂が在り、心が在る』
まだ推測の域を出ない言葉だが、俺はこの言葉を意識して生活している。
※ ※ ※
6月20日。九十九学園高等学校の2年1組には、出席確認までに、あと40分はあるというのにも関わらず1人の男子生徒がいた。
そしてその生徒とは……俺のことである。
普段は遅刻ギリギリで駆け込む俺だが、今日は深月が俺を起こす時間を間違えてしまい、こんなにも早く登校することとなった。だからまだ人は来ないだろうと思って俺は椅子を並べて寝そべっていたのだが…
「おはよう悠真君。今日は学校来るの早いね。なにか用事でもあったの?」
あっさり俺の予想は打ち砕かれ、すぐそばで女の子の声がした。
俺はまさか人が話しかけてくるなんて思ってもいなくて。
「うわっ?!わっっ?!」
──ドスンッッ!
カッコ悪いことに、驚いて椅子から転げ落ちてしまう。
「痛たた…いきなり話しかけるなよ桃香。びっくりするだろうが」
「ご、ごめん。びっくりさせるつもりはなかったんだけど…それよりも、悠真君はどうしてこんなに早く?」
「いや、別に用は無いんだが。ちょっと深月に今朝は早めに起こされてな」
「なるほどね~だから来るのは早いのにいつもより眠そうなんだ。それにしても深月ちゃんは偉いね、毎日毎日お兄ちゃんを起こしてあげるなんて。私もそんな妹が欲しかったなぁ~」
「まぁ昔から深月に起こしてもらってるしなぁ~、もちろん感謝はしてるけどさ」
「いいな~。私もそんな台詞言ってみたいなぁ~。」
このスタイルも良く、顔も可愛い茶髪の女の子(本人いわく地毛)は、京桃香。俺のクラスメイトだ。
しかも桃香は見た目が良いだけじゃない。成績も学年2位の強者で、大企業の社長の父親を持つ、本物のお嬢様なのだ。
…しかし、桃香は俺と同様、不思議な力を持っている。
それは『人の心を読むことができる』力だ。
簡単に説明すると、近くにいる人の考えていることがはっきりとわかってしまうのだ。そのせいで桃香には友達と呼べる人が全然いない。
俺と桃香は同じように不思議な力を持っていることから、お互いに苦労話をするようになり、自然と一緒にいる時間が長くなった。だから高1のとき同じクラスだったのが、高2のクラスも一緒だとわかったときにはお互いに喜んだものだ。
俺は桃香と話をしているうちに時間を忘れ、気が付くといつの間にか出席確認の時間になっていた。
「あ、そろそろ席戻るね」
「おう」
そして先生が教室に来て、出席確認とホームルームが始まる。
──そして昼休み。
俺は早く起きたせいで1時限目から4時限目まで爆睡し、目が覚めたときには昼休みとなっていた。
「あ~今日はずっと寝ちまったかぁ…………ん?」
ヒソ…ヒソ…ザワ…ザワ…
なにやら微かに声が聞こえる。
ってこの無駄にチンピラっぽい声は……
『おうおう!兄ちゃん!今日はもしかして一回も使ってくれないのかい?』
…俺のシャーペンの声だった。
「んだよ、次の授業から使うから心配すんなよ」
『おうおう!なら良いんだけどよぅ!最近俺のペン友が持ち主に使ってもらえないって嘆いててよ!心配になっちまったぜハハッ!』
「ペン友ってなんだよ……」
「…………あんた、また物と会話してるわけ?」
「え、あっ、千春?!」
振り向くと、そこには俺の幼なじみが立っていた。名前は千春・ミストルティン。髪は金髪ツインテールで、本人の前では言えないけど相当な美少女だと思う。名前と容姿からわかるように、千春はカナダ人の母と日本人の父との間に産まれたハーフだ。そしてこれまた容姿の通りなのだが、千春はツンデレ系少女でもある。もちろん、本人は否定してるけど。ついでに言うと、千春の家は俺のお隣だったりする。
うっかり普通の声でシャーペンと話をしていた俺は、どうやら千春にさっきの会話をバッチリ聞かれてしまったらしい。
「あんた、そのキモキャラでいつまでいくつもりなの? シャーペンとおしゃべりしてる高校生とか、わりとヤバいわよ?」
「いや!今のはこいつから話しかけてきたんだよ!!」
「…………そーゆーのがキモいって言ってるの、わからない?」
「うぐっっ……」
確かに傍から見れば、さっきの俺の姿は不気味に思うかもしれない。俺以外の人は物の声が聞こえないのだから、千春から見ると、俺はペンに向かって話しかけている単なる痛いやつなのだ。だけど、そんな俺に対しても千春は普通に接してくれる。同じ学年でも、俺のことを気味悪がって近づかない人も少なくないのにも関わらず、だ。そして俺は千春のそういう優しいところが、一番の魅力なんじゃないのかなぁ、なんて思ってたりもする。
「ま、まぁ…今度からは気を付けるよ」
「あんたってホント馬鹿よね。それさえやめれば絶対モテるのに。このクラスにも、あんたのそれが治ったら付き合ってもいいって言ってる女の子も少なくないんだから」
「じゃあ俺が普通にしたら千春は俺の彼女になってくれるのか?」
「は、はぁっ?! な、なな、なんでそうなるのよ!!」
「だって今の口振りだと、お前も俺の容姿だけは認めてくれてることに…」
「そ、そんなわけないでしょ!」
「へぇ~~?本当にぃ~~?」
「~~~!!調子に乗るな変態!!!」
「──グゥァッッ!!!」
俺は次の瞬間、バヂィィンという凄まじい音が鳴るほど千春に勢いよくビンタされ、たまらず床を転がった。
「イッテェェェ! ち、千春お前!力考えろよ!!」
「あ、あんたが変なこと言うのが悪いんでしょ! ……ふんっ!!」
千春は床に転がる俺を一瞥し、そのまま教室を出ていってしまう。千春のビンタはとてつもない威力があり、俺は床を転がるだけで一向に立ち上がれない。
仕方ないので、とりあえず俺は千春をからかいすぎたなぁと反省しつつ、寝そべったままで回復を待つ。
「…悠真君、大丈夫? もうすぐ5時限目のチャイム鳴るよ?」
そしてそんな俺を、事の一部始終を見ていた桃香が心配してくる。
「ミストルティンさんのビンタ、そんなに痛いの?」
「一瞬車に轢かれたんじゃないかって勘違いするくらいには痛いな」
「それは…すごいね……」
──キーンコーンカーンコーン…
「あ、チャイムなった。私席戻るね?」
「え、あ、ちょっ、せめて立つの手伝ってくれ!」
桃香は俺の懇願虚しく、さっさと自分の席に向かってしまう。
「あ、」
そして俺は今になって気が付く。
「俺、飯食ってねぇじゃん……」
あっという間に5時限目、6時限目と授業は終わり、放課後となる。ちなみに俺はあの後、授業に来た先生の協力のもと、自分の席につくことができた。…そのときの俺がクラスメイトたちの怪奇の目に晒されたことは、言うまでもない。
「はぁ、先生から掃除しろって頼まれるし…今日は災難だった……」
「悠真君、そんなこと言わずに早く終わらせようよ。深月ちゃんも待ってるんだから」
「あ、私のことは気にしなくても大丈夫です!好きで待ってるだけですから」
「健気で可愛い……私も妹欲しかったなぁ~。悠真君、深月ちゃん大切にしないとダメだよ?」
「へいへーい」
俺は適当に返事をしつつ、サクサクと掃除を終わらせていく。
「よし、終わった!」
「じゃあ帰ろっか。途中まで私も一緒だけど、いい?深月ちゃん」
「あ、はい……全然大丈夫です!」
「深月どした?なんか言いたげだけど」
「お兄ちゃんの馬鹿…………」
「ええーー…いきなり?」
いくらなんでも兄に対していきなり馬鹿なんて酷すぎないだろうか。これが反抗期なのか?…そんなわけないか。
俺と桃香と深月はそれぞれバッグを持ち、教室を出ようとする。すると俺ら3人はそれを拒むかのように誰かが扉の前に立っているのに気が付いた。黒髪美人でスラッとした体型、なによりもその佇まいはどこか大人びていて、いかにもご令嬢といった雰囲気を醸し出している。
「あなたたちが九条悠真と京桃花ね?」
「はい、そうですけど。あなたは?」
「ちょ、ちょ、ちょっとお兄ちゃん! この人……!!」
「ん? 深月の知り合いか?」
「違うよ!この人、九十九学園の女神って言われてる西園寺詩織先輩だよ! お兄ちゃん知らないの?!」
「あ、ああ。あんまりそっち方面は興味がなくてな」
この人がそんなに有名人だったなんて知らなかった…。んん?でもそうなるとなぜ俺と桃香を…?なおさらわけがわからないじゃないか。
「とある人に聞いたのだけど、九条君、あなた物と会話することができるそうね?」
「は、はぁ、できますけども」
「そして京さんは人の心を読むことができる…と」
「はい……というかええ!あ、あの、え?なんで…」
急に桃香が狼狽えだす。どうやら西園寺先輩の心が読めたらしい。
「その様子だと、本当のようね。では本題に入るけど……」
ゴクリ…俺と深月は思わず息を飲む。桃香はずっと落ち着きがない。きっとなにかとんでもない話を──
「あなたたち、私と一緒に部活作らない?」
………………。
…………。
……。
「「えええええーーーー?!?!」」
深月は驚きのあまり叫び、俺も本日二回目の叫び声をあげたのだった。
「…で、入ってくれるの? 九条君、京さん?」
「え、あの~西園寺先輩。何をする部活なんですか? まずはそれがわからないと答えようがないといいますか」
「それもそうね。実は私はあなたたち同様、能力持ちなのよ」
「え?! 先輩も力を?! 一体どんな能力ですか?!」
俺は思わず西園寺先輩に詰め寄る。
「能力は、『動物の心の声を聞くことができる』ことよ。ちなみに私はこの力のことを、通常の人間とは異なる能力持つ、という意味を込めて【異能】と呼んでいるわ」
「異能……」
「それで部活の活動内容だけど、それは異能を使って人助けをすることよ。あなたたちもこの異能に散々振り回されてきたはず。この異能を人助けに活用できたら素晴らしいって思わない?」
「異能で人助け、ですか…。この力を使って人を幸せにできるなら入っても…」
「絶対ダメーーーーーー!!!」
俺が決断に迷っていると、深月が急に大きな声でそう言った。
「あら、私は九条君に聞いているのであって妹さんには聞いてないのだけれど?」
「関係無いっ!お兄ちゃんのことはなんでも、私がダメっていったらダメ!」
「お、おい、深月落ち着けって」
深月は西園寺先輩に敵意を剥き出しにしている。というかさっきの発言、どこぞのジャイアンだよ……。深月は頭脳明晰で黒髪、目鼻立ちがハッキリしていて妹じゃなければ彼女にしたいくらい可愛いが、たまに狂暴な一面も見せる。主に俺関係のことで…っていうのは気のせいかもしれないが。
「深月、なにをそんなに興奮してるんだよ」
「だって…もしお兄ちゃんが部活に入ったら……一緒にいる時間が少なくなっちゃうもん……」
深月は頬を赤らめ、小声でなにやらボソボソと言っているが、声が小さすぎて聞こえない。
「ん?なんて言った?」
「なっ、なんでもにゃい!!」
深月はどういうわけか焦って返事をしたため、盛大に噛んだ。そしてそれによって余計に深月は赤くなり、もはや茹でダコ状態だ。
「あぅ……」
「深月……?」
「ふぅん。まぁいいわ。返事は明日までにお願い。それじゃあ私は失礼するわ」
「あ、はい。さようなら…」
──そして帰り道
桃香とは途中で別れ、俺は深月と2人きりになる。
「お兄ちゃん……」
「なんだ?」
「部活…入っちゃうの?」
「ん~まだわからないかなぁ。深月は俺に部活に入って欲しくないのか?」
「うん…だって私! お兄ちゃんとできるだけ長く一緒にいたい! お兄ちゃんが部活に入ったら、一緒に帰ることもできなくなっちゃう!」
「深月……」
「だから…お兄ちゃんが部活に入るなんて…イヤだよ……」
※ ※ ※
「はぁ、どうするかなぁ……」
俺は帰宅後、すぐに夕飯と風呂を済ませて布団に滑り込んだ。
深月のことも大事だけど…この異能で人助けをすることができるっていうのも魅力的だ。今まで異能で気味悪がられていたのが、もしかしたら異能で改善されるかもしれないのだ。
「桃香がどうするのかも気になるなぁ、でも今日は色々あったから眠いし、とりあえず寝るか…」
そして俺は睡魔に身を委ね、眠りについた。
──翌日
「んふぅ、んん……んむぅ、んっ、んむちゅ、んっ、んんっ」
早朝、九条悠真の部屋は淫らな音で満たされていた。
「昨日は長くしすぎて、お兄ちゃん起きそうになっちゃったから、今日はこのくらいにしとくね。また後で起こしにくるよ、お兄ちゃん」
実は昨日悠真が早く起こされたのは、深月が激しく口付けしたことによって悠真が起きそうになり、それを誤魔化すためだったのだ。
「お兄ちゃん…お兄ちゃんとこれ以上一緒の時間が少なくなったら、私このくらいじゃ我慢できなくなっちゃうよ……?」
※ ※ ※
「ん~ーー!よく寝た!おはよ、深月」
「うん、おはよ」
俺は今日もいつも通りに深月に起こしてもらっていた。
しかしなにやら最近唇が濡れているような…ヨダレでも垂らしてるのか?俺。
──そして学園へ
俺が深月と別れ、2年1組の教室に入ると何やら皆が騒がしい。
「一体なんだ?……って」
そこには西園寺先輩が腰掛けていた。というか俺の机の上である。よく見ると、西園寺先輩の隣には桃香もいた。どうやら2人して俺を待っていたらしい。
「返事は決まった?九条君と京さん」
「あーーー……、桃香はどうするんだ?」
俺はまず桃香に聞いてみた。
「私は…入ろうと思う。一晩考えて、やっぱり私このままじゃダメだって、そう感じたから」
「えっ、桃香入るのか?!」
俺は驚いて咄嗟に聞き返してしまう。本来桃香はそんな積極的に何かをしようとする性格ではなかったはずだ。
「そう。じゃあ京さんは決まりね。で、九条君は?」
「俺は──」
どうする……? 家は基本俺と深月しかいないから、深月が心配ってのもあるし、異能を誰かの役に立てるってのも挑戦してみたい。
「九条君、私たちみたいな異能持ちが誰かと仲良くするのはね、積極的に動かないと不可能よ?そのことも考えてみて頂戴」
「俺は……」
そうだ、俺はこの力のせいで不気味がられてきた。その力で皆を喜ばせてあげれたら…皆の見方も変わるかもしれない……。深月は俺の異能についてや、それで俺が今までどんな苦労をしたかを詳しく知っている。もし俺が誰かに頼られる存在になったら深月も嬉しいはずだ。
「西園寺先輩、俺、俺も入ります!!」
「ふふっ、わかったわ。ようこそ!奉仕探偵部へ!」
「…奉仕探偵部?」
「そう。奉仕探偵部。自分の異能を使って依頼を受ける。私たちは全員心を読む力だから、まるで探偵みたいだと思って、奉仕探偵部にしたのだけれど、変かしら?」
「いや、ピッタリだと思います!これからよろしくお願いします!」
「私もよろしくお願いしますっ!」
「ええ、よろしく。じゃあまた放課後に。部室は2号館4階の少人数教室が使えるから、そこに集合ということでお願いね」
「「はい!」」
───こうして俺と桃香と西園寺先輩の、異能を使って人の依頼を解決していく、奉仕探偵部が結成されたのであった。
わりといいスタートを切れたんじゃないかなぁ、と思っております。
今回は伏線をちょこちょこ入れていくつもりです。
後々、あっ!ここはこう繋がってたのね!とかそういうのを発見してもらえたら、嬉しいです。
もしかしたら既にこのプロローグで後に繋がる伏線が……あるかもしれませんよ?(笑)
それでは次話にて!




