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えっちな男の子更生委員会爆誕物語!

最近困ってる質問があるんです。


『ねぇねぇ!美里ちゃんは、好きな男の子いる?』


何気ないよくあるクラスの友達との会話なんだけど、私の場合どうなんだろう・・・?そもそも男の子を好きになるって何??うーむ。良くわからないなぁ・・・でも、好きになるんだったら、同じクラスの男子は嫌だな。やっぱり頼りがいがあって、一緒にいて安心できる人がいいよねー。そうなると、年上の人かな・・・?。私は勉強苦手だし、勉強できる人がいいなー。


そんなことを考えならお昼休みの廊下を歩いていました。天気も良いし外で遊ぶのもいいけど、まだ寒いから図書室で過ごそうとしていたのです。


『うわ・・・最悪』


図書室に着いて早々思わず独り言ー・・・。男子たちが図書室で騒いでてちっとも静かじゃないの。はは・・・やっぱり男子を好きになるなんて私には無理だな。さっさと読みたい本借りて、クラスに戻るかー。


・・・


うぅ・・・読みたい本が見つからない・・・。んー、外で遊んでくればよかったなー。そもそも勉強苦手なこの私が読書なんて似合わないよねー。お昼休みも終わりそうだし、クラスに戻ろう。


そう思って、クラスに向けて歩き始めた時だった。その男の子と軽くぶつかったの。両手で本を数冊持ち、メガネをかけていた。いかにも勉強できそうな雰囲気な男の子だった。見た感じ5年生か6年生かもね。


『いてて・・・ごめんね。大丈夫?・・・』

『あ、大丈夫です!こちらこそすみません。・・・えっと』

『あの・・・』

『・・・』


突然の出来事で、お互い次の言葉が見当たらなくて数秒目を合してたの。


キーん!コーン!カーン!コーン!・・・


予冷がなった。周りにいた騒がしい男子達も早々とクラスに戻っていった。


『じゃぁ、僕クラスに戻るから。』

『え?あ、うん・・・』

『?・・・君もクラスに戻ったほうがいいよ?』

『そ、そうです・・・ね・・・』


私はその場から早歩きしながら去った。何このなんとも言えない恥ずかしい気持ち。両手を頬にやってみるとほんのり温かいし、胸がドキドキしている。




これが恋の始まりなのかな?




その日の放課後、まだ寒い空の下近くの公園のベンチに座ってクールダウンしていました。でも、まだ体がぽかぽかしてる。


『はぁー・・・』


気がついたら、ため息ばかりついていました・・・。そんな時、気が付くと図書室であったその男の子がいつの間にか隣のベンチに座っていたんですよ。もうびっくり!こんな私にも・・・れ、れれ、恋愛の機会が?!落ち着け美里!私はまだ3年生だよ!でも、その男の子が気になっちゃうなぁ。「やぁ、また会ったね。僕達こういう運命なのかな」「え?!そ、そそそんなことないもん」「そうやって恥ずかしがる美里、可愛いよ。好きだよ。」きゃーーー!どうしよう・・・こんな展開になったら・・・って、何こんなに暴走してるんだ落ち着け私!


そう妄想に近い想像しながら向こうが気づいてくれるのを待っていました。でも、なかなかこっちに気づいてくれないなぁ・・・あれ?夢中になって真剣に何か見てるな?ちょっと真剣な顔も良いような・・・あう、また体がぽかぽかになりそう。でも何を真剣に見てるのかなー?あ、今ちょっとニヤってしていた。


・・・っと、その男の子が見ているものって・・・え・・・え・・・?



ま、まさか・・・?!?!



それに気づいた私はガッカリを通り越していました。ぽかぽかだった体は冷えきり、風邪でも引きそうな勢い。もちろん夕方で寒いけど、私の心は吹雪だよ。翌日もそのショックが拭いきれず、朝から肩を落として学校の廊下をトボトボ歩いていました。


『おはよ!林!どうした?!元気ない顔して??』


保健室の田中先生だ。いつも元気いっぱいで、私も田中先生みたいになりたいと思って・・・


『うぅ・・・田中先生〜・・・しくしく』

『ど、どうした?!何かあったのか?』


『しくしく・・・好きな男の子が・・・ヒク・・・ヘンタイさんだった・・・うわーん』


『え?』


田中先生の顔見た瞬間思わず泣いてしまいました。先生と一緒に保健室へ。保健室って独特の雰囲気と匂いがあるけど落ち着くよね。渡らせたタオルで涙を拭き、ふーっと溜息を付く。


『どうだ?落ち着いたか?』

『はぃ・・・何とか・・・』

『何かあったのか詳しく教えてくれるかい?』


昨日の出来事を話しました。


『ん〜、そうか・・・それは辛い経験したな・・・』

『もう私、男子みんな嫌い・・・!男子ってみんなそうなの?先生』

『・・・んー・・・何か良い方法ないのか?』

『・・・?先生?』

『林の初恋、この私が何とかしてあげられないものか・・・ん〜む』

『せ、先生??』


田中先生、思考が暴走中みたいです・・・。


『おお!そうだ!こうしようか、林!我ながら名案が生まれたぞ!』


目を輝かせて私にそう発言。一体どんな名案なのだろうか・・・?


『今日からお前を保健室公認!えっちな男の子更生委員に任命する!大丈夫だ!私が最高責任者・更生委員長だ!ハッハッハ・・・そうだ!取りあえず、その男子をここに連れて来い!放課後ならいつでもいいぞ!!大丈夫だ!名刺も作ってあげるから!な!もちろん、校長には内緒だぞ』


圧倒的な暴走思考と大胆な発言に、ぽかーんな私でした・・・先生・・・それ、名案じゃなくて迷案です・・・。こうして私はえっちな男の子更生委員に任命されちゃいました。


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