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僕の楽しみは突然・・・

待っていた!この暖かい陽気な日を待っていた!

くぅー。良いね〜。寒い冬よサラバ!待ちわびた春が来た!ありがとう、お日様。ありがとう、爽やかで心地よい風さん。ありがとう、公園の遊具たちよ!!


公園の遊具・・・?


そう、僕は放課後の今、学校近くの公園のベンチで座ってるのさ。いや、ただ座って春の暖かさだけを満喫しているわけではないぞ。それに、公園の遊具を見てるだけでもないぞ。うん。一番の楽しみは、公園の遊具を使ってるおんなの・・・あ!テメー!女の子が遊んでる遊具を横取りしようとするな!警察だ!警察に突き出してやる!男子禁制にしてやるぞ、この公園。


『いつまで使ってるんだよ俺にも使わせろよ!』

『ダメ!私が使ってるの!先生に言いつけてやる』

『ちぇ!何だよ!フン』


ふふ。どうやら、僕の想いが通じたようだ。やっぱり公園の遊具使うのは可愛い女の子に限りますな〜。いやー、先ほどの男の子から自分の使っている遊具を必死に守りきる姿、いいねー。もう少し激しく抵抗していたら、短パンの隙間から見えたのに・・・お!女の子がブランコで遊んでるな、どれどれ。んー、ズボンかー。できれば、短パンかスカートが良いんだが・・・まだ春先だしねー、あーもっと暖かくなって欲しいなぁーーー。このまま露出が多い季節になれば・・・


タタタタタ!ザザー!!


横から猛ダッシュで走って来て、僕の目の前に止まった。見知らぬ女の子がいきなり現れた。まるで野球で盗塁を決めるかのような勢いで。年下だろうか。鬼の形相で僕を睨みつけ、人差し指で僕を指しながら言い放った。


『ちょっと!どこ見てるの?!』


これが第一声だった。見た目はちょっとお転婆な女の子。声が大きい。


んーっと・・・え?誰だろうか?

『だ、だれ?』

いや、誰だって名前ぐらいは気になるよな。いきなり「どこ見てるの?!」なんてことを見知らぬ女の子から言われたらさー。


『質問を質問で返さないで!!私の質問に答えなさい!どこ見てたの?!』


い、いやどこって・・・いいじゃないかどこ見てたって、そのぐらいの自由はあるはずだろ。


その女の子は、ムムム!と僕の顔に怒った顔近づけてきた。こわいよー。

『ぼ、僕がどこを見てたら、そんなに怖い顔するんだよ。普通に春先のキレイな公園内を眺めてただけだろ』

『嘘を付くな!!』


一蹴された。年下であろう知らない女の子に。


『公園で遊んでる女子をイヤラシイ目で見てたでしょ!こんの変態予備軍!許しません!!』


な!バカな・・・極力普通にくつろいでいる風に努力してたのに、ばれてたのか?いやいやなんだ、なんだ。どう言うことだよ。


『ちょ、ちょっと待て!間違ってる!違うよ』

『黙・り・な・さ・い!』


一蹴再び。そして、その女の子はポケットからラミネートで加工された名刺サイズのカードを得意げに僕に見せてきて


『保健室公認!えっちな男の子更生委員のミサトです。今日からあなたの更生を担当することになりました!!』


この超急展開。どうなってるんだ?今まで平和に女の子の無邪気で姿を見て和んでたのに、とんだ季節外れの台風に遭遇した気分だぜ。あー、確かにカードには「保健室公認 えっちな男の子更生委員 3年1組 林 美里」と書かれている。その下には、げ!保健の田中先生名前と印鑑が押してある。


『今から、あなたを保健室に連行します!来なさいー。』


そういうと、美里は僕の腕を思いっきり掴んで学校へと向かい出した。おーい、強引過ぎるぞー!


『ちょっと、ちょっと!学校ならもう終わってるし、明日にしないか?』

『ダメ!今すぐ行くの!!』


小さな抵抗的提案も却下された。グイグイ引っ張られてよろけながら僕は学校の保健室へと連行された。もう夕方で西日が眩しい。昼間の暖かさはだんだん冷えて来たよ。僕のほっこりした心は、既にキンキンに冷えてるけどね。


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