善と悪Ⅱ
亜門が哄笑する。
この場に居る全員を嘲笑うように、衝撃を撒き散らす。
空間が歪み、狂い、全てを破壊し尽くす。
「あははははははははは!! やっぱり大した事ねえじゃねえか!」
今の衝撃を喰らい、立ち上がれる者などいる筈がない。
空間がゆらりと揺れる。
海田が立ち上がった。
膝を付き、腕の力でもってゾンビのように立ち上がる彼に亜門が狂い叫ぶ。
「ふざけるなああああああああ!! 何で立ち上がれる!? お得意の偽善的な理由のためか!? なら――」
「偽善? ふざけるな」
海田はぼろぼろの身体のまま言う。
「偽善でも善でもねえよ。テメエの悪は――俺の極悪で殺してやる」
亜門は中傷する。
「極悪? 仲間だなんだ言うテメエらに俺の悪が負ける筈がねえんだ!! ガキみたいな理由で俺の組織が潰されて、俺の場所を」
「はっ、遊び場所でも潰されて泣くガキにしか見えねえな」
「うるせえっ!!」
亜門は海田に突貫する。
「俺は、善でも悪でもねえよ。けどな――俺は悪を選ぶ」
海田は右手に魔力を集約させる。
敵を殲滅させる魔力。
「テメエを潰して俺は上へ登る!!」
衝撃を右手へと纏わせ、殲滅させる最上級魔術――烈火紅。
亜門は全てをかけて海田へと挑む。
「テメエにどんな過去があったかなんざ知らねえ!! ただ――潰すだけだ!!」
お互いの技が交差する。
右手と右手が交錯する。
衝撃が――掻き消えた。
「無効化、能力……ッ!!?」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」
待っていたのは――海田の勝利。




