復讐
「おいおい、壱だけじゃなくて遊星も、凛も居ねえ!? テメエ、ここまでの力を持ってたか?」
フロイトは薄く笑う。
「アナタへの復讐心が私をここまで強くしたんですよ。テメエのせいで犯罪シンジケートは壊滅だ。私たちはお前を殺して、もう一度あそこへ戻る」
海田はその台詞を鼻で笑う。
「はっ、過去の栄光よもう一度ってか? テメエら如き、一瞬で殺してやるよ」
フロイトは首を横に振り、言う。
「あなたと戦うのはいつだって私たちのリーダーですよ。私はまあ、遊星さんでも惨殺しに行きますかね」
「オラァ!」
海田の横を無謀にも、無防備にも歩き出したフロイトへと海田は裏拳を放つ。
速度は上々。
頭が吹き飛ぶレベルだ。
「お前の相手は俺だと言っただろう?」
扉の奥から、声。
海田の拳を衝撃で吹き飛ばした。
「ぁ……っ!?」
続いて腕、腹、頭。
まるで、空気で押し固めた拳で殴られているような感覚。
「私が奥の人間を叩き潰します!」
そう言って飛び出して行くレガシー。
更に展開は進む。
「なっ!? 二人が消えた!?」
フロイトへと殴りかかった二人が消えた。
一瞬にしてチームを分けたハーレム軍団であったが、予想外の出来事に一人――夜見が、戸惑う。
「では、私は行ってくるとしましょう」
魔弾をフロイトへと打つが、フロイトは相手にもせず、この廊下から煙のように消え去った。
魔弾は壁を壊し、外へと飛んでいく。
そして、事態は目まぐるしく動き出す。
ここから起こる出来事はおよそ五秒間の出来事。
まず、京が迫る衝撃を衝撃のシールドに跳ね返す。
真後ろ――死角へと居た夜見が吹き飛んだ。
おそらくは――山辺亜門の衝撃魔術。
更に夜見は吹き飛ばされ、天井へとギャグマンガのように身体ごとのめり込む。
京は、声も出せずに固まっていた。
なぜなら、レガシーが死体のように力なく亜門に子猫のごとく首根っこを掴まれて登場したからだ。
「て、めえ……ッ!!」
京が飛び出した。
「さあ。復讐の時間だぜクソガキィ!!」




