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悪魔化

 綾瀬の最も得意とする魔術は空間把握魔術――半径二十メートルの空間に存在している分子を全て脳内でトレースし、視ることの出来る魔術。

 Sクラスに勝るとも劣らない魔術だ。

 この得意魔術――空間把握魔術のお陰でこの戦線を生きていれることは自覚している。


 そう、この究極の観察眼――ラプラス――を使えば、文字通り、過去も未来も現在も全ての状況が手に取るように分かる。


 但し、脳内への負荷がえげつないほど高い。

 今の空間把握魔術の設定は〇秒後から〇・二秒後までの未来を五百コマで脳内トレースすること。

「う……!?」

 時雨の行動の一つ一つが脳内の負荷を強くする。

 速すぎて、トレースするのに魔力がガンガン削られていく。

 脳細胞も死んでいっているかもしれない。

 だけど。

 それでも、やめる訳にはいかなかった。

 倉敷壱の言い訳のために。

 そう、ココで生きてさえいれば壱が必ず助けに来てくれる。

 あの少女のように助けなんて要らないとは言わない。

 全力で泣き叫び、助けを欲する。

 壱の心のままに――『クレア』と呼んだあの声のままに行動して欲しい。

 鉤爪のようなドス黒い何かが、心をズタズタに切り裂こうとする。

 ギリギリと嫌な音が脳内を苛む。

 ドス黒い感情を心に押さえ込もうとするが、壱の包帯姿を思い出してしまう。

 壱はクレアの為にどれだけ傷つけられても後悔はしないだろう。

 それが、自分と同じ――いや、それ以上の関係に見えて心の底が煮え滾ってしまう。

 綾瀬はクレアのために無償で行動できる聖人ではない。

 ただ、命が散るのが嫌だから、ただ、壱が死ぬほど後悔する姿を見たくないから――力を欲する。

 そして、黒く、汚れきった感情。

 その全てが天使を犯していく。

 両手に闇色に染まった炎を宿す。

「うああああああああああああああっ!!」

 炎を飛ばす。

 更に両手に槍を生成。

 それも、どす黒く染まりきっていた。

「悪魔化……?」

 木村早瀬が驚きの声を上げる。

 それに連鎖するように、海田がどくん、と震えた。

「や、ば……っ!?」

 早瀬が何か思い出したくない事実に声を上げる。

「オイオイ。面倒くせえな……」

 時雨は後頭部を適当に掻く。

 ちょっと強くなった子犬を捻じ伏せるのは面倒くさい。

 海田の身体から悪魔の力が吹き出て、辺りを暗黒に染め上げる。

「三下と言えど流石主人公って所か?」

 綾瀬は周りの天使を一気に堕天させていく。

「うわあああああああああああああああああああああああ!!!」

 早瀬は何も出来ず、天使を犯されないように防御しているので精一杯だ。

 その時――室内が純白のヒカリで満たされた。

 後半です。


 七草幼女 二千(十六になれば五千二百の超逸材)

 クリス 三百

 遊星 七百七〇

 フレア 八百


 海田(悪魔化状態) 一万五千(通常の約五倍)

 綾瀬 同上 八千七百(約一八倍)

 クレア 一般人程度但し、反射神経及び動体視力は人間離れしている。

 時雨 一〇七〇〇〇〇〇〇〇

 倉敷 壱 十億

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