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加勢

 カーテンから手がぬっと突き出た。

 いや、違う。

 男はカーテンを斬って壱の首をねに来たのだ。

「助けに来ました!!」

 手と壱の間に突如現れた女性は手を拳で打ち上げた。

「あ?」

 男は驚きに声を上げる。

 カーテンがハラリ、と落ちた。

「何だ? ……ああ、愛利か」

 そうです、と女性は言う。

「お前誰だよ!?」

 壱の言葉に女性改め愛利は短く答える。

「七大魔術師です。因みに通報を受けて来た警察官ですから」

 通報……? 海田か? 神風さんか? と壱は一瞬考えるが答えはわからない。

 ともかく、ラッキーだ。

「全く。自分を分解してケイトスに運ばせる瞬間移動……だったっけ?」

「雨宮時雨、あなたに答える必要はありません」

「愛想ねえなあ……」

 壱は授業でようやく学んだことを思い出す。

 瞬間移動は自分を一度素粒子単位で分解してから自分の天使――ケイトス――に運ばせて瞬時に移動する瞬間移動法。

 世界で沙耶とこの雲川愛利しかできない。

 魔術を極めているがゆえの荒業だ。

 並みの魔術師なら分解する時点で身体が崩壊して死ぬか、分解自体できない。

「お前ごときに俺が止めれるとか思ってんの?」

 時雨は薄く笑って愛利の真横に移動する。

 地面を滑るかのような移動法だった。

「水魔術……!!」

 愛利は空間からバトンを生成し、時雨の頬に狙いをつけて振ったが時雨はそれを見ることもせずにを裏拳放つ。

 後出しの攻撃はバトンよりも速く、愛利の頬を打つ。

「……あッ!?」

 更に追い討ちをかけようと拳を繰り出すが、愛利は既に消えていた。

「そういや、お前のケイトスってやけに存在感なかったけな……ん~ここら一帯を吹き飛ばして身体を再構築させないようにも出来るんだけど……」

 クレアのように天使を媒介に愛利に声を伝える。

「やってみたらどうですか!!」

 真後ろに陣取っていた愛利は手に氷のハンマーを持って、振った。

 ゴッ!! と、衝撃波が放たれた。

 因みにこの衝撃波は今、放たれたモノではない。

 時雨の移動と裏拳の衝撃波だ。

 壱は仕方ねえなあ、とばかりに室内を粒子で覆う。

 室内のモノは全部破壊され、粉々に解体されたが外への影響は〇だ。

(ったく。これじゃあクレアの何か話してる暇ねえな。俺、天使操れねえし……さて、クレアはまず安全な場所に置いてくか……)

 壱とクレアは保健室から掻き消えた。

「あとで、加勢するからさ。それまでは待っててくれよ」

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