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壱の逃走

「ああもう! お前らうぜえうぜえ! 超うぜえええええええええええ!!!」

 倉敷壱は海田、木村早瀬、神風麗那、キセヤ、七草幼女、妹キャラ、戦闘狂、不良などなどに追いかけられていた。

「お前らもう俺の友達だろ!?」

「俺の新しく作った技でテメエをぶったおす!」

 と鼻息を荒げるのが海田京。

 ついこの間までその才能で格下相手に無双していた『チート主人公』である。

 おそらく『某携帯小説サイト』で量産されている量産型主人公だ。

 しかし、ソイツらは基本的に負けないので負けたらこうなるのかどうかは壱の知るところではない。

 可哀想な末路である。

 そして壱の台詞は完全スルー。

「京! お前は今日は見ていろ! アイツは私が倒す!」

 そんな物騒なことを言うのは木村早瀬である。

 なぜか最近、海田を押し退けて壱を倒そうとしてくる武士道系ヒロインだ。壱はヒロインなどとは絶対に認めないが。

「待ちやがれ! ゴラぁ! 壱おにいちゃん! 私のオモチャになりやがれ! ていうか一緒に遊べえ!」

 可愛いのか物騒なのかよくわからない台詞を吐きつつ凄まじい速度で走ってくるのは幼女――七草様だ。

 壱が皆を振り切って逃げれない理由はこの我侭っ子にあったりする。

 壱が姿をくらますと泣くのだ。

 単純だが効果的なやり方である。汚い。

「私はお弁当を作ってきたの! 食べて!」

 と、神風会長は重箱片手に言う。

 絶対にお弁当は崩れている。賭けてもいい。

 適度に皆が追える速度で走り続ける。

 因みに七草よりも足の速い海田や麗那は壱の粒子を纏わせて遅くしてある。

 あくまで七草様のご機嫌を損ねないための方法なのだ。

 お陰で七草よりも足の遅い不良たちは脱落し始めている。

「壱! あとで一緒にUNOやってもらうからな!」

「い・や・だ! だってお前ら金かけるもん!」

 と、不良たちのカモにされている壱が叫び返す。

 一回誘われたので『友好関係を保つためにもやるか』と思いやったのだが、金はかけるわ、罰ゲームし始めるわで壱は全敗。アイツら強すぎ。

 つーか、カモにしてる節があるのでもう友好関係とか無理っぽい。

「私の買い物に付き合ってはくれませんの!?」

 と、何故かキセヤは言ってくる。

 キセヤはスッカリ壱のハーレム要員気取りだ。

 誤解を上塗りするような態度ばっかりとってくる。

 そりゃあ確かに押して駄目なら引いてみろ、という名言はあるが好意はしっかり好きな人に伝えるのが一番だと思う。

「海田に付き合ってもらえよ!」

 キセヤは壱の言葉に凄く傷ついたっぽい顔をして、涙目になりながら廊下でこけた。

 壱はしっかり粒子でフォロー。

 百パーセント無傷な筈だ。

 何で俺がこんな目に遭わなくちゃいけないんだ、と思いつつ学園の中を逃走する。

「壱を傷つけるならお兄様は引っ込んでいてください!」

「おま……! まさか壱のことが……!!?」

「テメエら何勝手に壱呼ばわりしてんだよ! ぶっ飛ばすぞ!」

「そうよ! 名前呼びは私と壱の愛の証なんだから」

「……一方的な愛の証ってこと? はは! これは笑えるわ」

 と、名も知らぬ戦闘狂(女子)が笑う。

「私と壱の方がお似合いよ♪」

「コイツら人の話きけよ……つーか何で全員名前呼び定着?」

 壱の悲痛な呟きが集団の横を横切った遊星、クリス、綾瀬とその友達達、そして沙耶(理事長)を涙させた。

『苦労してるね』

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