表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/116

SクラスVS壱

『は!!?』

 会場全体が全てこの言葉に集約された。

 え? 意味わかんない。

 ギブアップ?

『どうなってんだ? 倉敷って奴……』

「あはははははははは!! 俺好きだわ! 敷!」

 と遊星がベンチで爆笑する。

「あーあ……壱のアホな性格が……全然変わってない」

 と、綾瀬は将来の壱が凄く心配になってくる。

 あんな性格で将来やっていけるのか? と。

 しかし、そんな事を思いながらも綾瀬は誰が見ても笑っていた。

 昔と変わらないことが無性に嬉しかったのだ。

「ふふ」

 とクレアは少し笑う。

 クリスは唖然として壱を見ていた。

「何、を考えてますの? あの方」

 キセヤは唖然とした表情でそう言う。

「京とは違うベクトルで変人だね。私には全くわかんない」

 と、文。

「倉敷壱……ッ! 相手が全力で勝負をしてきてるというのにあしらうだけとは許せんッ!!」

 と、怒り心頭な早瀬。

「まあまあ。私はああいう子、嫌いじゃないわよ?」

 と、生徒会長、麗那さん。

『えー、と。倉敷さん? ギブアップ、ですか?』

 なぜか敬語でマイクを壱の唇近くまで持ってきて沙耶が言う。

『はい。ギブアップでお願いします』

「ふざ、けんなああああああああ!!」

 京が凄い勢いで叫び散らすので思わず壱は耳を覆ってしまう。

「何だようっせーなあ」

「テメエ、何逃げてんだよ! ふざけんな! 俺と戦え!」

「やだ」

「何でだよ!」

「俺の目的ってお前のプライドズッタズタにすることだったし。もういいや」

 もっと力の差を見せ付けることもできたがそれをやると流石に可哀想だ。

 あの男子生徒と同じ気持ちになっただろうし、壱の自己満足の復讐はもう終わりだ。

「もう帰っていいっすよね?」

『ふむ。このギブアップは認められません』

『何で!!?』マイクを近づけられて声が巨大化する。

『ホラ。面白くないし』

『理由超適当じゃねえ!!?』

『まあ、過酷な条件をクリアできたらギブアップありにしてもいいわよ?』

『過酷な条件?』

『例えば……あー思いつかないから壱が決めちゃって』

『俺が? んじゃあ――』

『あ、頭を撫でたら、とかなしね?』

『なぜそれを!!?』

『いや、過酷じゃないし』

『あーそれじゃあ』

『Sクラス全員相手取るとかは?』

『は?』

『SクラスVS謎の転校生』

『おおい!!? ふざけんじゃねえぞクソババア!!』

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』

 会場内が狂ったように湧き上がった。

『来た来た来た来たああああああああああ!!』

『海田相手で圧勝だぜ!? あのムカつくSクラス全員木っ端微塵にできるんじゃね!?』

『粉微塵だよ粉微塵』

『いーち! いーち!』

 会場内の凄まじいまでの壱コールを受ける。

 それに対して、

『海田さあああああああああああああん!! 負けないでええええええええええええ!!』

『京! 京!』

『Sクラス! Sクラス!』

 京コール及びSクラスコールも湧き出る。

 沙耶はニヤニヤしながら、小声で壱に耳打ちする。

「どうする? こんな雰囲気でも我を押し通す?」

「テメエ……いいぜ。やってやる」

 沙耶は壱の台詞を聞くと、マイクを使い大声で会場に伝える。

『ただいま倉敷壱の了承を得ました! 参加したいSクラスの皆さんは北口の地下通路からお出でください』

『壱いいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!』(野太い声大半)

『京おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!』(黄色い声援多数存在)

「ま、現実ってこうだよね」

 と悟ってしまった壱はつぶやく。

 それから沙耶からマイクを奪って言う。

『俺のギブアップ条件はSクラス全員押し倒すこと! これが達成できたら俺はギブアップする!』

「あああ!!? 勝手にマイクを……」

「へっへーんだ。もう宣言しちゃったもんねー」

 沙耶は壱からマイクを奪い返すと、

『壱はSクラスなんてクソクラス指先一つで十分だ! これも条件に入れろと申しているのでこれも条件入りしました!』

『言ってねえよ!!!!!?』

『ギブアップ条件は指先一つで押し倒す奇跡のレイプ方ほ……』

『黙れ! 痴女!』

 ぱん! と思いっきり頭を叩く。

『いった!?』

 壱。

 過酷過ぎる条件でSクラス全員とバトル決定。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ