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トランプ

「さあ! 今大会最高のカード! 魔術を使えない異端児転校生――倉敷壱!」

 その呼び名には悪意を感じるんだけど……と沙耶を横目で睨むが華麗にスルー。

「アイツ魔術使えねえのか!!?」

「そんなんで海田の相手になるのかよ!?」

 様々な声が会場内の空気を揺らす。

「そして! この学園一の天才にして天災! 海田京!」

 きゃーー!! という黄色い声援が辺りを響かせる。

「きゃー! 海田さーんその不細工やっちゃってーー!!」

「ぶ、不細工……?」

「負けんな倉敷ぃいいいいい!!! 俺達のソウルを受け取ってくれええええええ!!」

「ありがとう男諸君!! 嬉しいよ!」

「八つ裂きにしろ! 寧ろ殺せ! 自爆特攻だあああああああ!!」

「あ、あれ? 俺の心配……」

 ぐす、と涙が出そうになる。

 でも! 俺の心の友はサポート席で応援してくれている!

「がんばー」と鞍馬遊星。

「あ! クリス! 一〇捨てはローカルルール!」と綾瀬。

「えー? 私達の所ではこれが普通だったけど?」とクリス。

「私のところでは……うっ……私、が皆でトランプが出来るなんて……」と感動中のフレア。

「テメエら何大富豪楽しんでんだあああああああああああああああ!!? あとおめでとうフレアさん!!」

 今なら悲しさで死ねるレベルである。

 しかしまあ、壱はわかっている。クレアなら応援してくれると……。

「頑張ってください壱さああ――」

 ほら、精一杯応援してくれて……。

「――わあ! 革命の時が来ました! 十一の革命!!!」

「「「「な、何だって!!?」」」」

「うん。現実って非情だよね……」


 海田側、同時期。

「頑張れ! 頑張れ! きょーお!」と文。

「私、応援旗作って来ましたから!!」と、キセヤはキンキラ金の旗をベンチの下から抜き出し、言う。

「くっ!? 家庭的で献身的な女の子を演出しようって言うの!? それはお姉さんキャラである私の分野なのに……!?」と麗那。

「演出、何て言わないで下さいません? あくまで京のことを思って行動しただけのこと……そんな浅ましい考えはありませんわ」

「私はお弁当を作ってきたがな」と木村。

「「言っとくけど私も作ってき(ましたわ)たからね」」とキセヤ&麗那。

 海田はコイツら演出だとか、弁当だとか何言ってるんだ? くれるのか? とか思いつつ、倉敷の方へ哀れみの目を向ける。

「……俺って恵まれてるのかもな……」

 何はともあれ勝負である。

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