表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/116

歳の差。種族の差会話

「悪魔の件ですが……」

 クレアは米粒を頬に引っ付かせてシリアス口調でそう言った。

「何?」

 さっきまで「今日、クラス中に追い掛け回されて、更に見知らぬ女の子が……」と愚痴っていた壱が聞き返す。

「明日探しに行きませんか? その謎女の子も気になりますし」

「い――」

「――というか行きます! 決定しました!」

「まあいいけど。暴れられる可能性もあるし。でもさあ、二日前探しに行ったのに見つからなかったじゃん。何か天司の術で何とかなんねえの?」

「無理です。私、まだ歳も若いし……そんな高等天術は……」

「歳? 何歳なのよ?」

「……」

「何歳でしょうか?」

「……千」

「は? 千歳?」

「千二百八十歳です!」

「ば、ババアどころじゃねえよ! 化けモンじゃねえか!」

 天司がそこまで長生きなんて教科書にも載ってなかったぞ! と壱は心の中で三順堂に文句をぶつける。

「で、でも天司でこの年齢はまだピチピチの十代というか……」

 ぶつぶつと、俯きながら小声で反論するクレア。

 壱は話題を修正してやることにする。

「で。悪魔を探すんだな?」

「……え? 何か言いました?」

「悪魔を探すのかっつったの」

「あーはいはいそうですね」

「お前、さっきまでのやる気はどこ行った?」

「やる気はありますよー。一杯です。それより壱さんは大会に出場するとか?」

「ん? まあな。因みに三日後」

「じゃあ応援旗を作らないと!」

「お前は子供に迷惑がられるお母さんになりそうだな」

「すあうあどあ!?」

「何?」

「壱さん、私との結婚を考えてたんですか!?」

「お前……自意識過剰な女だな」

「天司の間では女性と子供の話をするのがプロポーズの遠回りな言い方なんです!!」

「ああ……お前の味噌汁を毎日飲みたい的な?」

「そうですよ。別に私だって壱さんに好かれてるなんて思ってませんでしたから」

「まあ、一緒に暮らしてる時点で結婚と大差ないような気もするけどなー」

「……」

「あれ? 顔を真っ赤にしてどうしたの?」

「いえ。別に……どうぞ会話を続けてください」

「いやーそんなことで顔を赤くすんなよなー全くよ」

「べ、別にしてませんけど!? 私は告白とかされたことあるんですから! こんなことでは……」

「へーどんな奴に?」

 まあ、告白されたのは本当なのだろう。顔はいい訳だし。

「……」

「どんな奴? 付き合ったりしたの?」

(付き合ったこともあんだろうなー何たって千年生きてる訳だし……)

 壱は意味もなく物悲しくなった。

「いえ、十歳の子供から……結婚しよーって……もう百歳で奥さん貰ってるんですけどね」

「あれ? 矛盾が発生してるんだけど追及しないほうがいいのか?」

 もしかしてクレアは完全に行き遅れているのでは……? と少々心配になる。

 というか、凄い鈍感なのか? それとも本当にモテていないのか?

「違いますよ! ほら、人間でいう青年期が天司は凄く長いってことで……それまでは人間の五分の一の速度で成長するのが一般的なんです。ホントですよ」

「まあいいんだけどね別に」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ