カテーテルとクレア
ボロっちい柱と柔らかな極上雲で建てられた建築物があった。
パルテノン神殿に雲の屋根を取り付けたものを想像してもらえれば大体合ってるだろう。
その建築物にクレアと最上級天司であるカテーテルが居た。
柔らかな極上雲で作られたテーブル。
テーブルには色とりどりの果物が皿に盛られている。
クレアとカテーテルは極上雲で作られた椅子に身体を預けていた。
クレアの拳がきゅっと強く握り締められる。
視線は上空に出現しているホログラム映像に向けられていた。
高さ百メートルの上級天司が壱をぶん殴るが、壱はそれを避けもせずに粒子でガードし続けていた。
「ふん。奴は何も変わっていないようだ」
「何も?」
「ああ。クレア――君を助け出す最速の方法はこの世界をぶっ壊すことだよ。そうすれば僕達だって出ずにはいられないからね」
カテーテルの言葉にクレアはほんの少しだけ笑った。
「やっぱり天司と人間は違いますね」
「何?」
「人間は相手を思いやる気持ちがあるんです」
「敵を思いやると?」
「いえ……私のことを思いやってくれてるんですよ壱さんは……」
クレアはそれだけ言うと、ホログラムを懸命に見続ける。
ぽつりと言葉を漏らした。
「けど……私は助けられることを望んでるわけじゃ……ないんです」
壱のこの先の安否を祈る。
どうか、不可能なことに気づいて人間界に帰ってくれますように、と。
タイトル変えるだけでアクセス数が飛躍的に伸びたwww
書いてる人はタイトルを変えてみては?