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ゲートの中へと
とは言え壱は天界なるものがどこにあるのか全く知らない。
というわけで理事長室に赴き、居場所を聞き出した。
曰く「天界っていうものはこの世界とか別空間にあるのよ。ゲートっていうのかな……。学園の地下室にあるから行ってみれば?」
なぜ、学園の地下室にゲートとやらがあるのか理解不能過ぎるが、コチラの問に答えてくれるとも思わなかった。
それより今重要なことはクレアに真意を聞き出すために天界へと乗り込むことである。
「うっし、行くか」
学園の地下室に着た壱は目の前にある月光がたゆたうような空間を見て呟く。
月光に手を突っ込むと、腕の感覚が無くなった。
ぞくり、と。
精神的な拒絶反応が出る。
けれど、壱は立ち止まらない。
そのままゲートの中へと飛び込んだ。




