終わりの見えない地獄
「スー、ハー」
「どうした?、緊張しているのか?」
「ああ」
「大丈夫さ、クリスマスまでには終わる。」
「確かに、、、そうだな。」
「タバコいるか?」
そう言いながらライターを点ける
ジッ、、、ジッ、、、ボッ、、、
「一本くれ」
そう言ってタバコを1本取りライターの火に近づけて一服、
スー、、、フゥ〜、、、
「良いねぇ、何故か上層部の犬はこの草を好きになれないらしい」
そう言ってマッチに火をつけて手で覆い消えないようにタバコに火をつけた
そしてこちらにもマッチを渡して来た
「美味いな、君、名前は?」
「エドワード、君は?」
「ウォーレンだ、よろしく。」
「一緒に頑張ろう」
「もちろん、俺には恋人との約束もあるからな」
確かにこの時は私はクリスマスまでには終わると思っていた
だが始まったのはいつ終わるとも分からない地獄だった
「やぁ新兵ども、私が小隊長だ。」
その時の言葉は今でも覚えている
「地獄へようこそ。」
それから色々教わった
「笛が鳴ったら突撃の合図だ」
小隊長がそう言い僕らは全員
「「「「了解!!!!」」」」
と返した
ピーと笛が鳴った、突撃の合図だ
「「「突撃ィィ!!!!!」」」
「止まるな!!!、動け!!!。」
「進め!!!」
怒号が飛び交う
そして敵が見えた
そして上には
ヒュゥゥゥ
敵の砲撃だ
「総員‼︎退避ィ!!!!」
ドゴォォン!!!!!!!!!
耳をつん裂く砲撃
地面を抉り
人が吹き飛び
部隊はバラバラになった
そして聞こえて来たのは悲鳴だった
「助けてくれぇぇぇ!!!!」
そう言いながら泥濘に沈んで行く
「誰か、、誰か、、俺の腕を拾ってくれぇぇぇ!!!!」
銃声と共に声が消える
「嫌だ、嫌だ、、、い‘‘や‘‘だぁ’’ぁ’’ぁ’‘ぁ‘‘ぁ‘’ぁ’‘」
砲撃の中に悲鳴が消えていく
誰かが叫ぶ
「持ち場を守れ!!!」
隣を見ればウォーレンが倒れている
肺に砲弾の破片が刺さっていた
「ウワァァァァ!!!」
友の死それを私に恐怖を植え付けた
そこから先は無我夢中だった
敵を撃ち、スコップで殴り、敵も味方も分からなかった
私は今でも覚えている
一つだけ覚えておいて欲しい
戦場にいる私たち一人一人が生きている事を
一人一人が違う心を持った人である事を
ちなみにこの頃塹壕は有りません
第一次世界大戦初期には塹壕はなく砲撃に対抗するため塹壕は生まれたので