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〜少女、日常☆劇〜(改正)  作者: シュケンゾー
6/7

バレー その2(続き)

―――彼らは分かっていた



―――分かっているつもりだったが



B「これは……予想以上ですぞ……!」


二人はボールの着弾点の擦り後と高くバウンドして二階席へといったボールを見て絶句する


A「(二階席まで行くほどのパワー……これを受け止めると思うと若干……いや正直チビッた)」



ピッ!と笛の音


三波「じゃぁ、もう一点行きますか!」



クラスの女共のそ~れっという掛け声と共に放たれる



ドゴッーン!っと大砲でも打ったかのような音の共にボールがこちらに向けて飛んでくる。




B「っ!A氏!」

A「あいよっ!っ!」


真ん中に入ってきたボールをAは正面に回り込み捉える


―――しかし


A「(なん……っ回転が……ズレてる!?)」


バチッと弾かれる音と一緒に球は横一閃へと吹っ飛んでいく





B「い、今のボールは……!」

A「……多分、意図的にズラしたんだと思う」


赤く腫れた手は痛みで僅かに痙攣していた。

そして、2−0



女子はもともとあっちについいて、2発目の正真正銘の”JUMPボール”に男子はあっち側につき始めた




完全に体育館の空気はあっちが持っていったと見ていいだろう



だが、同時に興奮していた


A「(このボールがあればあいつらに……!!)」



いまだ痺れる手に感想を抱く。だからこそ




「(だからこそ、都子さんを……下す!)」





A「Bくん!」

B「なんですぞ!」



B「あと、僕に4つ任せてくれないか?」



あと4つ?近くで聞いてた人にとっては呆れただろう、まだ諦めてないのかって





―――あと4つであげられるわけがない


―――6−0の頃にはもう負けているに決まってるだろ



そう思われたかもしれないけれど、Aの親友は他の奴らとは違った。

間近で努力を見ていたBだからこそ





B「4つなんて言わずに9−0でいいですぞ!そこから勝つのが我らオタク組の意地ってもんでしょう!」


あぁ、なんとも頼もしい仲間なのだろうか

A「ふっ……」



彼は長く伸びた前髪をかきあげ腰を入れる。



三波「いいねぇ。Aって案外男前なとこあんじゃん!」


ドゴッーーーン!

A「ありがとっーーーねっ!」


受け止めるも横回転で弾かれる。

3−0


「っ!(今のは、タイミングが遅かった!)っ?まだ!」


―――次


次は縦回転の鋭い角度に反応が遅れる


4−0


「クソっ!(今のはタイミングは良かった。でも勢いを殺し切れなかった!)さぁっ!」


―――次


5−0


「っ!(今のは捉えきれてなかった!もっとよくボールを見ろ!」



―――次


6−0


「くそっまた!(ダメだ!今のじゃ!体全体で!!)」


―――次


―――次


8−0


気づけばAの体は満身創痍と言ってもいいほど傷だらけだった。


受けてきた手は真っ赤に腫れ上がり、滑り込みによる擦り傷


汗は滝のように流れる。拭う手には汗か涙かすら分からなかった。




ーーいつぶりだろうかこんなに汗をかいたのは





そして


三波「これでぇ!ラストだっ!受け止めてみろよ!!」


こんなにも興奮したのは



A「……いける」


コート真ん中に縦に鋭いボール。だが既にそこにはAが入り込んでいた。


ーー入り込み


ーー受け止め


ーー吸収


ーー後ろに転がる


ゴロゴロっと転がり、確認するように立ち上がり見上げる。






―――ボールは、宙へと舞っていた





「「「「「「上がったぁっっぁ!!」」」」」」



A「あぁ、行くぞ!B!」

B「了解ですぞ!!」




ボールの落下点はほぼセッターの定位置。Bはそこへ入り込む。



全力で走り飛び込むAに会場は釘付けにされ、三波と都子は反応すらできず




バンッッッッ!!!


8−1




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


やっとの一点目。二人は優勝を決めたかのように喜ぶ。

そして



都子「今の……絶対早い」

三波「ありゃ無理よ!反応できるわけないわ。諦めましょ?」

都子「いや……三波はしっかり決めて……」


三波「うぐっ……ごめんなさいね!!」



暫く、考える素振りをする


都子「まぁ、いいや……三波次あげて」

三波「うえぇ!人使い荒いんだから!」



そう言って都子はコート前へと歩いていく。





―――ここからは一点もやることができない




Aが死ぬ思いで繋いだ一点。Bは緊張せずにはいられなかった




もし、外したら……




もし、取られたら次こそ……





不安、緊張がBを襲う。しかし、Bにとっての敵は二人だけではなかった


A「全力でいけよ」


ギラギラと獣の目をしたAをBは恐ろしく感じる。


B「(親友にここまでさせたんだぞ!……男を見せるんだぞ!!俺!)」




その巨体から投げ出されたボールは天高く打ち上がり、そしてデブとは全く思わせない踏み込みにジャンプ力



B「おらっぁっっぁあですぞ!!!」


ドゴッ!



三波よりかは弱いものの威力は十分。コートギリギリのイヤらしいコースに三波はギリギリながらも飛び込むことに成功する



三波「おっもいわね!このボール!!?でも!」


B「チッ……!!」



威力は死にきらず、回転が掛かったまま都子の元へと行く。三波は体勢が整わずまだ転んだままだ



都子「若干短い……」


三波「何度もごめんなしゃいねー!!」



まだ、倒れ込んでいる三波を都子は確認するとぐっと溜めて高く高くへとあげる。



初心者にとって高いボールを打つというのは難易度が高い。しかし、そこは二人組。


ボールはふわりと柔らかいタッチで上がり、三波は落ち着いて助走をつける



三波「ナイス気遣いぃーー!!!」



キュッキュッっと助走をつけると勢いをそのまま上へと移動させジャンプする。数十cm飛べばいいところを彼女は男子顔負け……



というかバレー部顔負けの大ジャンプに腕の振りに構えていた二人は、殺意ともいえる彼女の勢いに飲み込まれる。



ドゴッーーーン!!


A「スパイクだとこんななのか……人殺すだろこれ……」

三波「だーれが、ゴリラですって〜!?!?」



地獄耳で被害妄想の激しい三波。ガツガツと相手コートに行こうとする三波を都子は思いっきり服を引っ張って止める。



都子「誰も言ってない……そんな事」



こうして二人組は危機を乗り越えた



9−1



――――――――――――――――――――――――――――――――



ポーンポーンと地面にバウンドさせならす都子。


じーっとこちらのコート見てくる都子に不安を感じられずにはいられない



A(まるで獲物を狙う蛇だな……)


深く深呼吸をする。


都子「最後は私が……終わらしてあげる……」



歓声と元の小さい声で二人には聞こえないはずなのに、


はっきりとそう聞こえた気がする



「「っ!!……」」



更に深く構える。



―――気づく


ゆっくりとポーンと放物線を描くボールはさっきまでのサーブ対決と比べると見劣りする。



B「(なっ!……なんだーただのサーブですぞー!ジャンプだと思って警戒してたですぞっ!全く都子氏は脅かすのが好きなようですねー!)」



―――油断。




さてさてここで一つみんなが不思議に思ってることについての話をしようと思う。三波は運動において圧倒的な能力を所持しておりそれは学校一……もしかしたら全国のトップ基準の能力を持っている




そんな彼女を前にして、都子との成績は勝率6割。ギリギリ5割になるぐらいの対戦結果だ。


―――何故そんなにも低いのか?


都子には、ある一つだけ、誰にも負けないぐらいに自信があることがある

それは”勝負”だ


A「(なにかおかしい……絶対になにかある。そのボール。都子ちゃんに限って嘘をつくはずがない。終わらせに来るはず)」



勝負とは、その一瞬の油断が




A「気をつけろー!!なにがあるかわからないぞ!」



勝敗を分ける


B「大丈夫ですぞー!こんなゆるゆるのボール素人でもとれます―――」



ポトンッ……


「「はっ……?」」





都子という人物は、その誰よりも”勝負”というものに理解が深く、運動神経での差を勝負というものを知識と経験で勝っているからこそ





誰よりも強いのだ



都子「勝ちは勝ちだよね?……」



10−1


都子&三波達の勝利。


―――――――――――――――――――――――――――――――



項垂れる二人。油断して負けたからこそより深い悔しさがある。


都子「さてと……恒例の?」


三波「罰ゲームターイム!!!」




あぁ、駄目だったかと諦めムードの二人組。


A「(すまん。みんな、こんなとこで負けちゃって……)



都子はしゃがみこんで顔を覗いてくる。


垂れてきた長い横髪に気づき、顔をあげる。



都子「仲間になってよ……」




―――それは思いがけないことだった



三波「実はやる分にはいいんだけど私ら三人しか集まってないんだよね〜だからさ、一緒にバレーしよ?」



そう言うと三波は汗をだくだくと流しながら笑顔でBに手を差し伸べてくる。

都子もAに対して差し伸べる。




―――あぁ、忘れていた


A「(そういえば、ゲームってこうやってたのしむもんだったんだ)」


二人は、差し伸べられた手を握る。



AB「よろしく(ですぞ!)」


その手は柔らかくて男どもは少し興奮したのは内緒だ。



ガンッ!っと体育館の扉が開かれる。

?「おぅおぅ!なんだ!クソオタク共!?」




そんな声と共に入ってきたのは、


身長170ある……175はある女子二人組






と150程度の女の子(この子が声の主)

齒はギザ歯でいかにも性格がきつそうではある。そんな三人組はどうやらABの二人組に用事があるらしい



都子「なに……あいつら」




―――――――――――――――――――――――――――――――――


1から作り直したんで時間がかかりましたお


次ももうちょい時間がかかるかと思われますが、気長にお待ち頂ければ幸いどす


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