オレンジ色の光 2-3
必要最低限の家具と少しの花で彩られ、作りかけの子供たちの服やぬいぐるみで溢れる自室。
同じ目線になって、女の子を着替えさせながら私は問いかけます。
「シャオラン、好意あり?」
「こーい……?」
「好き、思うこと」
「……こーい、あり」
私の説明に、女の子は恥ずかしそうに答えました。
すぽん、とワンピースから出した顔は花も恥じらう乙女の顔です。
「ふふ、良い事。わたし、応援する」
「あ!でも内緒ね!シャオ兄はあたしの事なんて子供にしか思ってないもの!」
「了承、他言無用」
私たちは唇の前に人差し指を立てて、二人で小さく笑います。
「夕食の支度、助力乞う」
「りょーしょー!」
私は立ち上がると女の子の手を引いて、次はキッチンに向かって夕食を作ります。
しばらく談笑しながら夕食の支度をしていると、シャオラン達が戻って来ます。
まだ彼の獣耳やしっぽは水気を含んでいて、それを気にも留めずに子供たちをタオルを持って追いかけ回しました。
「チビ共は元気っすねぇ……。そっち手伝うっすよ。チビ共の相手より飯作る方が楽そうっす」
「感謝、では配膳要求」
私は夕食を皿に盛り付け、その皿をシャオランに渡しました。
女の子はカトラリーケースからスプーンやフォークをテーブルに綺麗に並べています。
他の子供たちにも手伝って貰い、手早く夕食の準備を済ませます。
皆を席につかせ、皆の目を見ました。
食事を楽しみにしていますが、その手は組まれており、しっかりと食前の祈りを捧げる準備をしています。