表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うつろのゆめ  作者: 狛ノ上緒都
夢編:第一話「子猫の家」
1/101

子猫の家 1-1

獣の耳や尻尾を持つヒト。

ドラゴンのように鱗を持つヒト。

耳が尖ったヒト。


そんな少し不思議な人々が暮らすどこかの世界。


鮮やかな緑が生い茂り、どこまでも抜ける空の下。

街の片隅にある古い教会で"私達"は暮らしておりました。


教会の中で太陽の光できらきらと輝くステンドグラスが、御神の像を厳かに照らします。

荘厳な神の前に膝をつき、ロザリオを握りしめて私は祈りを捧げておりました。


「ねーちゃん」


頭部にある私の猫耳が、その声に反応して無意識に跳ねます。

立ち上がり、黒い修道服を翻しました。

身体の動きに合わせて、伸びる尾もしなやかに揺れます。


『シャオラン、何かご用ですか?』


声の主である彼は私こと、"マオ・シャオマオ"の双子の弟、"シャオラン"でした。

双子で揃いのアイボリーの髪にアイスブルーの瞳を持ちますが、性格は真逆。


現に彼はこの教会に勤めておらず、修道士の服も身につけてなければ神父でもないのです。


「チビ共がマオ先生とも遊びたいそうっすよ。教会兼孤児院なんて、ねーちゃんも頑張るっすね」


シャオランは呆れたように肩をすくめました。

ここは孤児院も兼ねていますが、シャオランが手伝ってくれるおかげで成り立っております。

きっと今も、子供たちとたくさん遊んでいてくれたのでしょう。



『わかりました、こんな暖かい晴れの日ですもの。子供たちもいっぱい遊んでほしいでしょうね』


私は頷き、シャオランに見送られる形で聖堂を出ようと扉に手をかけました。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ