信用と協力
「姫路さん。さっきからどこ見てるの?」
「どこって………潮がやられて、室長が勝ったとこ」
「そろそろ邪魔になることはないと思うから、戦闘始めていい?」
「もちろん。準備万端」
「いいのね?フラワーブリザード(30,750)!」(佐倉心、残り829点)
「カウンターサモン(50,被ダメージ-500、カウンターゴースト一体召喚)。百鬼夜行(120,ゴースト五体、ウィッチ三体、フランケン一体召喚)
」(姫路霊奈、残り476点)
ゴースト六体が、佐倉に襲いかかっては消えていった。(佐倉心、残り529点)ウィッチ三体が、佐倉に襲いかかっては消えていった。(佐倉心、残り79点)フランケンが、佐倉に襲いかかろうとした。
「ピリア・アフロディーテ(50,800、倒した敵の数×100回復)!」(佐倉心、残り29点)
花吹雪が舞う。奇襲を警戒しつつ観戦している俺の方にも花が飛んでくる。眼を瞑り、再び開けるその間に、フランケンは消えていた。そして、持ち点が0になった姫路が、元いた場所に座り込んでいた。(佐倉心、残り229点)どうやら、フランケンも敵に数えるようだ。
「驚いた。あなたは強い。また、対戦しましょう」
「ありがとう!」
焔、堅田、桐生が墜ち、月島、織田、佐倉、青澤は残った………か。
対してアドバンスクラス。砂田、浜辺、姫路が墜ち、残るは二十五人。たとえ四対二十五━━━最悪の展開だが━━━となったとしても、勝ちは確実だろう。
「緋空。一度クラスに戻るぞ」
「了解。お前の事だから何か考えがあるんだろうな」
「勿論だ。『俺が考え無しに行動することは何があってもない』」
「スタンダードクラスのみになったけど、どうする?」
「俺は追うね。アドバンスクラスをあんなに残して全滅は避けたい」
「私も、光に賛成」
「私も」
「僕もだ。全会一致。急ごう」
「もうすぐ、スタンダードクラスは追ってくる。緋空は対月島部隊長として、アドバンスクラス七人選んで戦え。速水は対佐倉部隊長として、同じくアドバンスクラス七人選んで戦え。そして、数野は、対青澤部隊長として、以下同じくしてくれ」
「質問、織田はどうするんだ?」
「無論、俺が一人で倒す」
動揺のざわめきはなかった。ただ、代わりに、「やっぱりか」という、納得八割、呆れ二割の顔を皆がしていた。
「異論のある者は?」
「思考の末の決断なら、異論はない」
「当たり前だ。『俺が考え無しに行動することは何があってもない』」
「アドバンスクラスに宣戦布告!スタンダードスター月島、織田、佐倉、青澤!アドバンスクラス、かかってこい!」
「作戦通りに動け」
『了解!』
速水 令也、素早く動いたり伝令をしたりする、ヘルメスの力を持つ。数野 藍琉、数学のテストは二枚とも100点で、水を操るヒュドラの力を持つ。どちらも部隊長として適任だ。緋空も同じく。
「エラフィ・アルテミス・アローズ(40,500)!くそ、八人相手はキツイぞ」(月島光、残り515点)
「智楯!緋空部隊、二人やられた!」
「構わん。だが、一人になったとしても必ず倒せ。倒せなければ、勝利はないと思え」
「了解!それと、誰か回復させてくれ!」
「ヒールデメテル(10×n,味方点数100×n回復)!」{米田 麦乃、残り435点}(緋空夕辺、残り823点)
デメテルの能力を持つ米田の点数も、かなり減っている。
「新たなイメージで創り出した技、フェンガリ・アルテミス・アローズ(80,1200)!」(月島光、残り435点)(米田麦乃、残り0点)
「イブニングロゼ(150,被ダメージ-1000、カウンター50%)。あいつ、化け物か?80点消費で1200点分だと!?」(緋空夕辺、残り473点)(月島光、残り0点)
イブニングロゼにより、月島に600点分の攻撃が入る。そして、月島は墜ちた。
「いや、お前が化け物だよ、緋空。完敗だわ」
「サンキュ、月島。期末ではリベンジしに来いよ?」
「おう、もちろん、次は勝つ!」
残りは三人。簡単だ。
「ご苦労だった、緋空。アドバンスクラスのために多大なる貢献をしてくれてありがとう」
「もちろんだ」
「もう休んでていいぞ」
「そうさせてもらおう。智楯の戦いも上手くいくよう祈っている」
「ああ」
「速水部隊、ほぼ壊滅状態!残りは俺のみ!佐倉、残り479点!」
速水部隊は、佐倉か。佐倉にはピリア・アフロディーテという強力な技がある。アドバンスクラスの得点を吸収したのだろう、点数が増えている。
「ヘルメスカラネア(50,300、味方全員に自分の戦況伝達)!」(速水令也、残り630点)(佐倉心、残り179点)
速水からざっくりとした情報が届いた。恐らく、次の攻撃で………。
「ピリア・アフロディーテ(50,800、倒した敵の数×100回復)!」(佐倉心、残り229点)
さっきの攻撃で、速水は佐倉の花と散る。
「緋空、休んでるとこすまん!速水の援護を!」(速水令也、残り0点)
「了解、スカイアロウ(100,750)!」(緋空夕辺、残り373点)
「フラワーウォール(50,被ダメージ-750)!」(佐倉心、残り179点)
「ピリア・アフロディーテ(50,800、倒した敵の数×100回復)!」(佐倉心、残り29点)
「イブニングロゼ(150,被ダメージ-1000、カウンター50%)!」(緋空夕辺、残り223点)
駄目だ。俺は悟った。佐倉はピリア・アフロディーテを三発撃った。しかし、緋空はイブニングロゼを一度しか使わなかった。ピリア・アフロディーテは一発目、イブニングロゼに吸収され、二発目、カウンターと相殺して消滅し、三発目、緋空にクリーンヒットした。(緋空夕辺、残り0点)(佐倉心、残り129点)
正直、緋空がやられるのは予想していなかった。
「智楯、すまん………」
「緋空、失望した。それだけ言っておこう」
「なん、だと………?」
「但し、次には期待している。敗因は自分でわかっているはずだ。期末まで、やるべき事をやれ」
「そういう事か。わかった。期待に沿えるよう、努力する」
アドバンスクラスは、やっぱり手強い。数野藍琉君、すごく強い相手だ。
「雷霆スマッシュ(15,150)!」(青澤天、残り239点、技吸収分1000点)
「完全数壁(6,被ダメージ-168)!パラボラドミネート(50,600)」(数野藍琉、残り865点)
「霹靂シールド(30,被ダメージ-500、カウンター25%)!」(青澤天、残り139点、技吸収分1000点)(数野藍琉、残り715点)
まずい、残り得点に差があり過ぎる。ここは、新たな技で切り開く!『いつでも大丈夫だ』という返答は、まだ忘れてないぞ。頼む!
「海神の放出(100,技吸収分のダメージ)!」(青澤天、残り39点)
「完全数壁(6,被ダメージ-168)!駄目だ、足りない!分散壁(25,被ダメージ-500)!」(数野藍琉、残り352点)
「雷霆スマッシュ改(35,500)!」(青澤天、残り4点)
これが通らなきゃ、終わりだ。ただ、数野君は海神の放出に気を取られている。
「うわっ!完全に気づかなかった!すまん、智楯!」(数野藍琉、残り0点)
「安心しろ、アドバンスクラスの勝利は確実だ」
「お前がそう言うなら、俺は信じる」
保健室の一角。俺は気づいてしまった。今から新しい技を考えれば、期末には強くなることができると。もちろん、テストの点数も必須だが。そして、思いついたのだ。自分の点数をギリギリまで使って、最高までパフォーマンスを上げる。そうすれば、ワンチャンもツーチャンもある。そして、覚悟を決めて言うのだ。
「先生、腹痛いんでトイレ行きます。だいぶ痛いんで、鎮めんのに三十分くらいかかるかもしんないっすけど」
「どうぞ。できるだけ早めにね」
保健室を駆け足で出る。廊下を駆け抜け、三分で誰にも見つからずに外へ出た。
「っしゃあ、やるか!」
全身から炎を出すイメージで。自分の中の炎を全て外へ出すイメージで。だが、中々上手くいかない。毎日練習するしかない。そのうち二十分経ったので、俺は戻った。
「いいか、織田。今言った通り、勝利はアドバンスクラスにある」
「たった一人で、三人に勝てるの?」
「勝てるさ。ロンヒ・オブ・ニケ(10,500)」(智楯槍都、残り931点)(佐倉心、残り0点)
「あっ!」
「心!智楯槍都、もう、許さないから」
「な?言っただろ?勝てるって。次は青澤天、お前だ。ロンヒ・オブ・ニケ(10,500)」(智楯槍都、残り921点)
「青澤君、協力しようよ。ディストラクションショック(50,200、追加ダメージ100)!」(織田綾音、残り199点)
ロンヒ・オブ・ニケはディストラクションショックとぶつかって、相殺された。
「ありがとう、でも、この点数じゃどうにもならないと思うけど」
「80点」
「えっ?」
「80点で、何とかできる?」




